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希少なフェラーリ456M GTシューマッハ エディション。このフェラーリ456M GTは、ミハエル シューマッハの所有物ではなく、7度のワールドチャンピオンの希望で特別にデザインされたものである。現在、超限定生産30台のうちの1台がオークションに出品されていた。

シューミファン、要注目!「フェラーリ456M GT」の希少なスペシャルモデルが米国でオークションに出品されている。正式には「456M GTビコローレ スカリエッティ」と呼ばれるこのフェラーリは、わずか30台の特別シリーズの最初の1台がシューマッハ本人に届けられたことから、「シューマッハ エディション」のニックネームを持っている。

ミハエル シューマッハは1996年から2006年までフェラーリのドライバーとしてF1に参戦し、モータースポーツの最高峰であるドライバーズチャンピオンを5連覇(2000年~2004年)した。フェラーリのエンジニアたちは、シューミのノウハウをロードモデルにも伝えたいと考えていたようで、シューミは何度も市販車の開発に携わることになる。その中には、「612スカリエッティ」の前身である2+2シーターの「456GT」も含まれていたが、フェラーリスティの間では特に人気がなかったという。

ミハエル シューマッハは、1996年から2006年までF1フェラーリのドライバーとして活躍した。

「456GT」に「シューマッハ エディション(Edizione Schumacher)」という非公式な呼称を持つ特別モデルが存在したことは、熱心なファンだけが知るところである。わずか30台しか製造されなかった、そのうちの1台がオークションプラットフォームbringatrailer.comに出品されている。

フェラーリ456M GTは、442馬力のV12を搭載している。

この特別モデルは、1998年末に発表された改良型「456M」をベースにしており、特にフォグランプ付きのラジエーターグリルが改良され、フロント部分が丸みを帯びていることで見分けることができる。そして、リトラクタブルヘッドライトを持つ最後の量産型フェラーリとなるが、残念ながら不人気なフェラーリの1台となってしまった。5.5リッターの自然吸気V12は、最終的に442馬力と550Nmを発揮した。シフトゲートを開けた6速マニュアルと4速オートマチックの2種類が用意された。

光の加減によっては、フェラーリ456M GTが2トーン塗装であることをほとんど感じさせない。ルーフ部分は、他より一段と濃い色になっている。

フェラーリのカスタマイズ部門「カロッツェリア スカリエット」のプロモーションとして、ジュネーブモーターショーで発表された、あまり知られていないスペシャルシリーズ「456M GTビコローレ スカリエッティ」。このショーカーは、かのミハエル シューマッハに納車されたことから、「シューマッハ エディション」と呼ばれるようになったと言われている。

スペシャルモデルの詳細

30台すべてがツートーンペイント仕上げで、同ブランドの優良顧客だけに納車された。ボディはマセラティカラー「グリジオ ヌヴォラーリ」で塗装され、エクステリアミラーとルーフ部分はより濃い色合いのグレー「カンナ ディ フュージレ」で仕上げられた。インテリアはグレーのコノリーレザーにバーガンディーのステッチが施されていた。前席のヘッドレストにはエンボス加工のMSロゴ、ステアリングホイール下の左側には小さなプレートという、シューミファンのための特別なハイライトが用意されている。

マニュアルトランスミッションは10台のみ

専門家によると、製造された30台のうち10台はアメリカ、20台はヨーロッパのオーナーに納車されたという。さらに、マニュアル車10台、オートマチック車20台が製造された。

前席のヘッドレストには、一見してMSのロゴが浮き彫りになっていることに気づかされる。

オハイオ州で販売されるこの456M GTは、人気の高いマニュアルモデル10台のうちの1台で、2003年の初度登録以来、26,000km強の距離を走行している。売主は2011年からこの車を所有しており、その間、大切に乗っていたようだ。2019年には、タイミングベルトの交換(定期的に交換が必要だが、非常に複雑で、何よりコストのかかる作業だ)、エンジンマウントの交換、ラジエーターの修理が行われた。

456M GTの走行距離はわずか26,000km

また、出品に際して、一部化粧直しが行われた。例えば、ヘッドライナーは一新され、ダッシュボードの波打つレザーは修復され、この時代のフェラーリでよく知られていたボタンのベタつきも解消された。

456M GTビコローレ スカリエッティは30台が生産され、そのうち10台だけがマニュアルギアボックス付きで納車された。

写真で見ると、無事故の「456M GT」はとても手入れが行き届いている印象を受ける。小さな石ころの当たったような跡がいくつかあるのは、下回りの軽いすり傷と同様、言及に値しないものだ。2012年製のタイヤだけは、そろそろ交換したほうがいい。フェラーリのスペシャルモデルの中でも、最も知られていないモデルであると同時に、最も過小評価されているモデルのひとつといえるだろう。オークション終了まであと数日の段階での最高入札額は約90,000ドル(約1,350万円)だったが、最終的には174,000ドル(約2,550万円)で落札された。

Text: Jan Götze
Photo: bringatrailer.com / autobild.de