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Image:Inkbox Software

もしも任天堂がファミコン用のOSを作っていたら?というifのもと、ファミコン実機およびエミュレータで動くGUI型のOS「NESOS」が公開された。これまで数々のレトロゲーム用ゲーム(改造版を含む)を送り出してきたInkbox Softwareによるものである。

本作の開発者がこだわったのは、80年代前半の任天堂が本当にファミコン用に作ったと感じられるようなGUI OSとすることだ。なぜグラフィカルにしたかといえば、すでにファミリーベーシックがコマンドライン型OSを実現した(と見なす)ためらしい。

このNESOSは2つのアプリ(テキストエディタと設定アプリ)と合計8ファイルに制約されながらも、小さなカービィ型のポインターを備え、アイコンを動かすこともでき、インターフェースの色もカスタマイズ可能である。

ファイルが1つあたり832バイトに限られているのは、スクロールさせずに1画面内に収めるためだ。さらにファイルは(仮想)カートリッジ内にあるNVRAMに保存され、ファミコン本体の電源がオフになっても消えないしくみだ。

開発する上での最大のハードルは、やはりグラフィックだったとのこと。ファミコンはスプライト(キャラクターを表示する単位)を256個持つことができるものの、一度に64個しかできない等の制約があるからだ。

また文字に使うキャラクターは『スーパーマリオブラザーズ』からインポートしており、文字の入力にはファミリーベーシック用のキーボードを使うことが可能だ。標準のファミコンコントローラーを使う場合は、Aを連打して文字を選び、Bボタンでスペースを入力できる。

NESOSのエミュレータ用ROMはInkboxのサイトRomHackingからダウンロード可能で、環境さえ用意すれば、誰もが楽しむことができる。おそらくROMカートリッジに焼けば、ファミコン実機でも動くはずだ。

保存容量が少ないため本格的な小説は書けず、また文字を入力すると非常にゆっくりと表示される。実用性はさておき、「無改造のファミコンでOS(らしきもの)を動かす」ことをやり遂げた努力には拍手を送りたいところだ。