11月6日、2022年MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第8戦 スーパーバイクレース in 鈴鹿のST1000クラス決勝が三重県の鈴鹿サーキットで行われ、渡辺一馬(Astemo Honda Dream SI Racing)が優勝を飾った。2位は國峰啄磨(TOHO Racing)、3位は高橋裕紀(JAPAN POST HondaDream TP)となっている。
好スタートを切って真っ先に1コーナーに飛び込んだのは高橋裕紀(JAPAN POST HondaDream TP)。しかし止まりきれず、國峰啄磨(TOHO Racing)がトップ浮上。背後につけた南本宗一郎(AKENO SPEED・YAMAHA)がヘアピンで首位奪取。高橋は3番手につける。
國峰と同点でランキング争い中の渡辺は、2周目に4番手浮上。4台がトップ集団を形成する。
3周目の最終シケインで渡辺が高橋を捕らえて3番手浮上。2番手走行中の國峰と、3番手浮上の渡辺は、先にゴールした方がタイトル獲得という緊迫した状況。観客席からも大きなどよめきが起こる。
5周目。渡辺が國峰の前に出る。國峰は諦めずに渡辺の背後にピタリとつける。
6周目。國峰のマシンから一瞬、白煙が上がりピットから悲鳴が上がる。しかし國峰の走りに異変は起こらず、逆に最終シケインで渡辺をかわして2番手を奪回する。
7周目。南本が、がくんと遅れて4番手に後退。渡辺がトップに立つという波乱の展開。渡辺のすぐ後ろにつけた國峰はサイドbyサイドの争いを仕掛ける。2台はクロスラインの応酬で何度もポジションを入れ替える。
9周目。渡辺が前、國峰が後ろという状況のところで高橋が間に割って入った。
渡辺、高橋、國峰、南本の順序で膠着状態に入る。そのまま最終ラップに突入。バックストレートで國峰が高橋をかわして2番手浮上。渡辺を追う。しかし届かず、渡辺がトップでゴール。激戦を制してチャンピオンをも手にした。
■ 渡辺一馬(Astemo Honda Dream SI Racing)/決勝:優勝
「チャンピオンが取れたことは言葉にならないくらい素直にうれしいし、ほっとしています。一年を通して、強いパッケージを用意できたことがチャンピオンにつながりました。しっかりと準備してくれたチームに感謝しかありません。みんなで勝ち取ったチャンピオンです。チームを誇りに思うし、いいシーズンにすることができました」
「今日は4台のバトルになって、想定以上にペースも速かったです。最後まで抜け出すことはできなかったし、高橋選手も國峰選手も勝ちをねらってきていることを感じていました。今日はすごく疲れるレースでした」
■國峰啄磨(TOHO Racing) 決勝:2位
「とにかく悔しいです。最終戦でしっかりトップ争いをして、勝ちきりたかったです。でも渡辺選手と高橋選手とバチバチと戦えたことは、今後の成長につながると思います。でも今は、ただただ悔しいです」
■高橋裕紀(JAPAN POST HondaDream TP)/決勝:3位
「悔しいです。このメンバーでトップ争いをしている時点で、チャンピオンのことは頭にありませんでした。とにかく勝ちたかったです。今年はずっと渡辺選手と國峰選手に離されていたので、今回最後まで勝負できたことはうれしいです」