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新車はもう来春まで買えない 中古が新車より200万円以上も高い! 中古アルファードは1年乗っても元が取れるのか?

 現行アルファードはモデル末期ながら受注が殺到し、納期が2023年4月以降になり、新型アルファードの生産に影響が出てくるおそれが出てきたため、2022年6月末にオーダーストップとなっている。

 もともと中古のアルファードは人気が高く、中古車相場も高騰していたが、オーダーストップも重なり、さらに高騰。いわゆる登録済み未使用車(新古車)の流通台数も増加。例えば、最後の特別仕様車の2.5SタイプゴールドIII(走行2Km)は、新車価格430万6000円が、登録済み未使用車の価格になると699万8000円、なんと新車より269万2000円高かった。

 一番人気の2.5S Cパッケージにしても、登録済み未使用車の中古車価格は、598万円、629万円、799万円、899万円……で流通しており、468万円1600円の新車価格を上回るプレミアム価格で流通している。

 そこで、気になるのはこんなに高騰しているアルファードの中古車を今買うと今後損する可能性が出てこないのか? 例えば1年乗っても元が取れるのか? 中古車事情に精通しているモータージャーナリストの萩原文博氏が徹底レポート。

文/萩原文博
写真/トヨタ、ベストカー編集部

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■多くの中古車が新車価格を上回るプレミアム価格で流通

アルファードにおいて一番人気のグレードとなっている2.5S Cパッケージ(マイナーチェンジ前)
登録済み未使用車の価格が新車より269万2000円高くなっている、特別仕様車S“TYPE GOLD III”

 買取り&下取り価格を調べる時に、トヨタ自動車がホームページで発表している買取り&下取り価格を参考にしている。それを見ると、5年落ちの2017年式ならば全グレードで買取&下取り価格が表示されるのだが、2019年1月から販売開始したマイナーチェンジ後のモデルはすべて表示されない。

 ハイブリッド車は全グレード買取り参考価格が表示されるのに対して、3.5Lエンジンを搭載したモデルは、3.5SC 4WDのみが、「買取り参考価格のデータがありません。詳細は近くの買取り店舗に問合せください」というメッセージが表示される。

 中古車で人気の2.5Lエンジン搭載車になると、2.5G 4WDのみが表示されるものの、その他のグレードは先ほど紹介した「買取参考価格のデータがありません。詳細は近くの買取店舗に問合せください」が表示されるのみだ。

 中古車が流通しているにも関わらず、このような表示されるのか。それは買取り価格が新車時価格を超えてしまうケースがあるからなのだ。

 ここでは、中古車で購入したアルファードを1年所有しても、売却時に元が取れるのかどうかを検証してみた。

 中古車検索サイトで現行型アルファードの中古車相場を見てみると、約2200台流通していて、平均価格は約528.7万円。中古車の価格帯は約208.8万〜約2399万円となっている。

 2022年式、走行距離500km以下という、登録済み未使用車と呼ばれる条件で検索すると約94台がヒット。最も人気の高い2.5S Cパッケージ 2WDは約74台流通していて、価格帯は約435万8000円〜約990万円。2.5S Cパッケージ 2WDの新車価格は468万1600円なので、多くの中古車が新車価格を超えるプレミアム価格となっているのだ。

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■人気の2.5S Cパッケージなら、ほぼ購入した価格で売却できる!??

2019年に行われたビッグマイナーチェンジ後のモデル(SR“Cパッケージ”)
SR“Cパッケージ”のインパネ

 ビッグマイナーチェンジ後の2019年式アルファードの買取り価格を調べてみた。先ほど書いたように2.5L車は2.5G 4WDしかわからなかったが、残価率は約83.8%と非常に高い。

 中古車では人気薄となっている3.5L車はエグゼクティブラウンジ2WDの約71.6%〜3.5SC 2WDの約86.4%。そしてハイブリッド車はエグゼクティブラウンジの約74.6%〜Sの約81.6%となっている。

 3年落ちの3.5L車やハイブリッド車でもエアロ系のモデルは、80%を超える残価率を記録。人気の2.5L車中でもS Cパッケージならば、ほぼ購入した価格で売却できるのではないだろうか。

残価率が他のグレードよりも低くなっているエグゼクティブラウンジ
エグゼクティブラウンジの2列目シート

 これを確かめるために、大手買取り店の実績で調べてみた。やはり、人気の2.5S Cパッケージが、約78.3%と多くを占めている。2019年式で走行距離は約1万2000km〜4万8000kmとかなり幅があるが、買取価格は約400万〜約480万円と3年落ちの中古車でも買取価格が新車価格を超える中古車もあった。

 さらに、1年落ちの2021年式で調べてみると、走行距離は約3000km〜約2万kmと幅があるが、買取価格は約430万〜約470万円と新車価格とほとんど変わらない水準をキープしている。

■新車が出ると旧型の中古車相場が下がるがこの法則はアルファードに当てはまるか?

2023年5月頃には登場といわれている新型アルファード(画像はベストカーによる予想CG)

 ただし、アルファードは2023年初頭にフルモデルチェンジを行い新型にスイッチすると言われている。フルモデルチェンジを行えば、旧型の中古車相場は下がるのが一般的だ。この法則がアルファードにも当てはまるのであろうか。

 新型が登場して、中古車相場が下がるとアルファードのような人気車は、これまで手が届かなかったユーザーが買いに出るため、特に人気の高いグレードは安定傾向が続くはずだ。

 そう考えると、中古車のアルファードを購入して、1年乗っても元が取れるかという質問の答えは、条件次第では取れる可能性はあるというのが結論だ。

アルファードを中古で購入するならオススメは2.5S Cパッケージ

 その条件というのは、中古車で人気の高い2.5L車のS Cパッケージ2WDを購入すること。そして1年落ちと3年落ちの買取価格に差がないことから、プレミアム価格の付いた2022年式ではなく、1年落ちの2021年式もしくは、2年落ちの2020式を狙うことだ。

 ボディカラーもパールホワイトかブラック。そして人気のナビゲーションやリアモニターなどの人気の高い装備が付いていれば、よりその確率は上がるだろう。

 しかし、旧型で人気だったヴェルファイアが、現行型では人気が凋落したように、人気というのはいつまで続くかわからない。とはいえ、フラッグシップミニバンとして市場を独占しているアルファードの人気は、まだまだ盤石と言えるだろう。

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