スーパーバイク世界選手権(SBK)第8戦カタルーニャラウンドがスペインのバルセロナ・カタロニア・サーキットで行われ、レース1、スーパーポール・レース、レース2の3レースでアルバロ・バウティスタ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)が優勝を飾った。
野左根航汰(GYTR・GRTヤマハ・ワールドSBKチーム)は、レース2を15位でゴールし、ポイントを獲得している。
土曜日に行われたスーパーポールでは、チームHRCのイケル・レクオーナが初のポールポジションを獲得。アレックス・ロウズ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)が2番手、ジョナサン・レイ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)が3番手となり、チャンピオンシップでランキングトップにつけるバウティスタは5番手、ランキング2番手のトプラク・ラズガットリオグル(パタ・ヤマハwith BrixxワールドSBK)は8番手からのスタートとなった。野左根は15番手となり、5列目から決勝レースに臨んだ。
■レース1:5番手スタートのバウティスタが独走優勝
レース1は気温22度、路面温度32度のドライコンディション。ホールショットを奪ったのはバウティスタだった。その背後に好スタートを切った8番グリッドスタートのラズガットリオグルがぴたりとつけ、3番手にロウズが続く。フロントロウからスタートしたレイはオープニングラップで後退し、7番手を走行する。
トップのバウティスタと2番手のラズガットリオグルとの差は少しずつ開いていく。また、トップ2と3番手との差も大きく開いており、6周目にロウズをかわして3番手に浮上したレクオーナが隊列を率いる形となった。
9周目、アクセル・バッサーニ(モトコルサ・レーシング)と接戦を繰り広げていたレイが、バッサーニをかわして5番手に浮上する。レイは14周目の1コーナーでチームメイトのロウズをかわし、その翌周にはレクオーナをオーバーテイクして、ついに3番手に浮上した。この時点で2番手のラズガットリオグルとの間には1.5秒以上の差がある状況だったが、レイはじりじりとその差を詰めていく。
残り4周、レイがラズガットリオグルをオーバーテイクし、2番手に浮上した。ラズガットリオグルはさらにギャレット・ガーロフ(GYTR・GRTヤマハ・ワールドSBKチーム)にかわされ4番手に後退すると、その後もロウズやマイケル・ルーベン・リナルディ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)に迫られる苦しい展開となる。
トップを走っていたバウティスタは独走態勢を崩すことなく、優勝を飾った。2位はレイ。3位はガーロフが獲得している。ガーロフにとっては2021年イギリスラウンドのレース2以来の表彰台獲得となった。ラズガットリオグルは残り2周でリナルディにもかわされ、5位。野左根は16位でゴールしている。
■レース2:ドゥカティがワン・ツー。レイは表彰台を逃す
日曜日のスーパーポール・レースで優勝したのはトップを快走したバウティスタ。2位はレイ、3位はロウズだった。ラズガットリオグルは4位でゴール。野左根は13位でフィニッシュしている。
レース2は気温22度、路面温度39度のドライコンディションで行われた。スーパーポール・レースの結果により、ポールポジションにはバウティスタ、2番グリッドにはレイ、3番グリッドにはロウズが並び、ラズガットリオグルは4番グリッドからのスタートとなった。
ポールポジションスタートのバウティスタはこのレースでも1周目からトップに立つ。2番手はチームメイトのリナルディ。3番手はレイ、4番手はラズガットリオグルで、フロントロウスタートのロウズは1周目に転倒を喫した。
トップのバウティスタが早々に後方との差を築く一方、2番手のリナルディを先頭として、レイ、バッサーニ、ラズガットリオグルなどが続き、接戦のポジション争いとなる。この中でバッサーニがレイ、リナルディをパスし、7周目に2番手に浮上したが、11周目にはリナルディがバッサーニから2番手を奪還している。
リナルディは3番手以下とのギャップを拡大。3番手争いはバッサーニ、ラズガットリオグル、レイの3人による接戦となった。バッサーニは14周目にラズガットリオグル、レイにかわされて5番手に後退。レイが3番手、ラズガットリオグルが4番手に浮上したが、レイは残り5周の7コーナーでワイドになるミスを犯して4番手に後退している。
バウティスタはトップを独走してチェッカーを受けた。2位に対し8秒以上の差をつけるライバルの追随を許さない走りで優勝を飾った。2位はリナルディで、Aruba.it レーシング-ドゥカティがワン・ツーフィニッシュ。3位はラズガットリオグルが獲得している。
レイは終盤のポジションダウンが響き、4位。3番手争いを展開したバッサーニは5位だった。野左根は15位でゴールし、ポイントを獲得した。この結果、依然としてバウティスタがチャンピオンシップでランキングトップをキープしつつ、ランキング2番手のラズガットリオグルとの差を59ポイントに、ランキング3番手のレイとの差を67ポイントに広げた。
■WSS300で岡谷雄太が今季初優勝
スーパースポーツ世界選手権(WSS)のレース1は1周目に発生した転倒により赤旗中断となり、その後、18周から12周に周回数が減算されて再スタートした。レースではドミニケ・エガーター(テンケイト・レーシング・ヤマハ)が優勝し、2位はロレンソ・バルダッサーリ(エヴァンブロス.ワールドSSPヤマハチーム)、3位はジャン・オンジュ(カワサキ・プチェッティ・レーシング)が獲得している。
レース2でも優勝を飾ったのはポイントリーダーのエガーター。2番手争いはステファノ・マンジ(ダイナボルト・トライアンフ)とジャン・オンジュ(カワサキ・プチェッティ・レーシング)による接戦となり、マンジが2番手、オンジュが3番手でフィニッシュした。しかし、マンジは最終ラップのトラックリミット違反によって1ポジション降格となり、2位がオンジュ、3位がマンジという最終結果となった。
スーパースポーツ300世界選手権(WSS300)では、レース1で、フロントロウの3番グリッドからスタートした岡谷雄太(MTMカワサキ)が序盤からトップ争いに加わる。岡谷は最終ラップの最終コーナーでトップを奪い、今季初優勝を飾った。岡谷にとっては2020年カタルーニャラウンド、レース2以来の優勝である。2位はアルバロ・ディアス(アルコ・モーター・ユニバーシティ・チーム)、3位はフリオ・ガルシア・ゴンザレス(ESPソリューションズMotapレーシング チーム)が獲得している。
レース2では序盤からビクター・スティーマン(MTMカワサキ)がレースをリードし、2番手争いが集団となった。スティーマンは独走で優勝。2番手でゴールしたのはミルコ・ジェンナイ(チームBrコルセ)、3番手はユーゴ・デ・コンセリス(プロディーナ・レーシング・ワールドSSP300)だったが、ジェンナイが最終ラップにトラックリミットを違反したため1ポジション降格となり、2位がデ・コンセリス、3位がジェンナイとなった。レース1で優勝を飾った岡谷は終盤に他車と接触してポジションを落とし、13位でゴールしている。