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Image:Apple

アップルは11月6日(現地時間)、iPhone 14 ProおよびiPhone 14 Pro Maxの生産について、中国・鄭州市にある最大のiPhone組立工場が新型コロナ禍の制約により大幅に縮小していると発表した。両モデルとも需要は引き続き旺盛ながらも、出荷台数は以前の予想を下回り、注文した人々に届くまでの待ち時間が長くなる見通しとのことだ。

ここでいう鄭州市の工場には、約30万人もの従業員が勤務している。また鄭州市内には他のアップル関連サプライヤーも存在しており、巨大なサプライチェーンが形成されていることもあり、同市は「iPhone City」の異名を取るほどである。

そのiPhone 組立工場では新型コロナウイルスの感染が広まり、従業員は行動制限が課されるなかで操業を続けている。従業員らは工場の敷地内あるいは近くに留められ、外部との接触が断たれる「バブル方式」のもとでiPhoneの生産が維持されてきたわけだ。

しかし従業員らは工場内で感染者が増え続け、しかも隔離された人々に十分な食料や薬が供給されていないとSNSに投稿。それを裏付けるように「敷地を囲ったフェンスを登って次々と逃亡する従業員」とされる動画が広まっていた

この事態を受けて、工場を運営する台湾Foxconnは「事態は制御されている」との声明を発表するとともに、シフトを続ける従業員に1500元(約3万円)のボーナスを支給する方針を打ち出した。その後、さらにボーナスを3倍にすると決定した上に、11月中に休暇も返上して「全力」で働いた従業員には1万5000元、つまり当初の10倍もの報酬を出すと報じられていた

11月7日現在、iPhone 14 Pro/Pro Maxの納期は12月7日~14日となっており、1ヶ月以上先に延びている(公式オンラインストアの場合)。アップルにとっては年末商戦を前にして痛手であり、消費者にとってはもどかしい事態ではあるが、精神的・肉体的にも苦境に立たされたiPhone組立工場の従業員らの無事を祈りたいところだ。