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東京スポーツ(東スポ)が、旧統一教会の元信者の証言に基づき、自民党の萩生田光一政調会長が教団イベントで四つん這いになったかのように報じたネットニュースの記事について、萩生田氏サイドが抗議し、同社が誤報を認める形で謝罪。記事を削除していたことが6日わかった。

萩生田政調会長(政府インターネットテレビ)

問題の記事は東スポが8月29日、『旧統一教会イベントでの安倍元首相側近・萩生田光一氏「四つん這い」証言 元女性信者が赤裸々に!』とのタイトルで報道。記事では、落選で浪人していた萩生田氏が2012年衆院選で国政に返り咲いた翌年ごろ、「教団の一風変わった儀式に参加していたとの情報をキャッチした」との触れ込みで、脱会した元女性信者の取材に基づく“エピソード”を紹介した。

教団には、立って合掌した状態からヒザをついて祈りを捧げ、四つん這いになる、などの礼拝があるとし、元信者は「萩生田さんが参加して、私たちと同じように礼拝を1000回やったという話が信者間で広まったんです」という噂話があったことを証言した。しかし、この元信者は、萩生田氏が“四つん這い”になる様子を直接目撃していないようだ。噂話の続きでは、

ただ、実際その場にいた人に聞いたら、『みんなと一緒に50回ぐらいやって、幹部の人と出ていった』と言ってました。まあ、あのころイベントに出入りしていたなら、礼拝をやらないほうが不自然ですけどね。私が参加した日には、萩生田さんのツレだという若手議員が来ていたのを覚えてます。

と述べているように、間接的な目撃や「礼拝をやらないほうが不自然」という元信者個人の体験に基づく憶測が混じっている。記事の見出しも元信者が直接目撃したかのように受け取られても仕方がない書き方になっており、「四つん這い」というパワーワードもあって、記事は自民党政権に批判的な左派、リベラル系の人たちを中心に拡散。ツイッターでは、

萩生田、気持ち悪い

バリバリの信者じゃんか!

選挙に勝てれば、なんだってやるんだね。

などと攻撃的な投稿が相次いだ。

萩生田氏の事務所は記事が出た2日後、代理人弁護士が誤報を指摘する通知文を送付する形で抗議した。これに対し、東スポ側は5日、法務・広報室長が回答。当該記事を削除し、「記事が事実とは異なるものでした。削除し、お詫びいたします」とする文を紙面で掲載する方針を伝えた。実際に6日までに記事は削除されている(公式ツイッターや一部の配信先プラットフォームは7日早朝時点でも配信している)。

しかし、ネットの記事で拡散した“誤報”のお詫びを紙面のみで掲載するような回答に、萩生田氏サイドが「到底納得できるものではない」と反発。この日、改めて東スポ側にネットでもお詫び文を掲載するように申し入れた模様だ。

東スポは7日午前、SAKISIRU編集部の取材に対し「お答えできない」とコメントを控えた。

自民党議員と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関係を巡って、ワイドショーや週刊誌による取材攻勢が激しくなる中、自民党内部では「テレビ局の取材に応じている元信者の証言には事実でないことも織り交ぜられている」と警戒する向きも出ている模様だ。

中でも“集中砲火”を浴びている萩生田氏が、ここにきて抗議の動きを見せていることに、リベラル系のメディア関係者が逆ギレ的に反発しているが、記事に自信があれば直ちに削除する必要はない。今回の東スポのように事実関係があやふやなまま掲載し、抗議後ただちに誤報を認めて削除するようでは、逆に報道の信頼が揺らぐ可能性もある。

【更新:11:40】 東スポの取材回答を掲載しました。