今月、2022年10月をもって続々と販売終了となるバイクの人気モデル・ロングセラー車たち。その背景には、一段と厳しくなる排ガス規制の存在がある。
今回ここでは、目下全バイクファンの憎しみを一手に引き受けているといっていい平成32年度(令和2年度)排ガス規制 ユーロ5、そしてなんとそれ以上に厳しくなるという「ユーロ6」について解説する。
●平成32年度(令和2年度)排ガス規制・ユーロ5の適用開始時期
・新型車(全排気量)…2020年12月
・継続生産車(原付1種を除く)…2022年11月
・原付1種の継続生産車…2025年11月
※本稿は2022年8月のものです
文:ベストカー編集部、写真/HONDA、YAMAHA
初出:『ベストカー』2022年9月10日号
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■厳しくなる排ガス規制、「次」もスタンバイ
生産終了モデルが増えているのは、二輪排ガス規制の影響が大きい。
欧州のユーロ5、日本の令和2年排ガス規制は同じ内容で、欧州では2021年から、国内では約2年遅れの今年(2022年)11月から全面適用。以降、未対応のモデルは生産できなくなる。
前回の平成28年度規制(ユーロ4)より内容は大幅に厳しい。
炭化水素は最大で3分の1以下にまで削減され、新たな有害物質も規定。また、触媒などが劣化しない目安の「耐久走行距離」が最大3倍以上にまで延長された。
加えて、高度な故障診断装置=OBD2が義務化。電気系統の断線を告知するほか、故障時の情報をエラーコードから探るシステムだ。
規制強化に対し、搭載スペースが少ないバイクは対応が困難。車重アップやコスト増も避けられず、生産終了に追い込まれたモデルも多い。
さらに2024年からOBDの高性能化が義務付けられ、将来は次期規制のユーロ6も導入。一段とラインナップ減少が懸念される。クルマと同様、欲しい内燃機関のバイクがある人はすぐ動くべし!
■平成32年度(令和2年度)排ガス規制・ユーロ5
従来は排気量や最高速に応じた規制値だったが、今回から全クラスで規制値が統一された。
一見、小排気量車ほど不利になりそうだが、クラスごとに試験方法は異なり、大排気量車のほうが走行パターンの負荷が大きい。また、原付1種(50cc未満)のみコスト増などの理由で適用時期が延期された。
なお今後、OBD2には触媒劣化を検知するシステムが必要に。新型車は2024年12月から、継続生産車は2026年11月から義務化。
51~125ccはそれぞれ1年遅れで導入される。
■さらにキビしい「ユーロ6」とは?
「6」はユーロ5の実施結果によって内容が決定されるため、詳細は未定。
ただ二輪の排ガス規制は、四輪の規制に基づいており、ユーロ5も四輪版のユーロ6と同様の規制値を採用している。
したがって次期二輪規制は、有害物質をさらに15%減とし、クルマで導入済みの排出粒子数(PN)規制が課される見込み。試験方法もより厳しく変更されるようだ。
実施時期は「2020年代後半」と予測する企業もある。
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