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「もういないよ」 バス通りの手前で、餌を待つ雛（ひな）鳥たちのように首を伸ばしているドーミーの住人たちの背後から、ふと礼二の声がする。 さっきまで誰よりも興奮していて、その興奮が移った雛鳥たちなのだが、 「……もういないよ。いるわけないじゃん。俺、志村さんたちが見えなくなるまで見送…