冬の訪れを感じる今日この頃。こんなときクルマを運転していると、突如フロントウインドウが曇って慌てることがある。クルマにエアコンが当たり前となった現在、ウインドウは曇りにくくなっているはずなのだが、依然JAFの質問箱には多くの問い合わせがあるようだし、カー用品店には曇り止めグッズがたくさん並んでいる。そこでもう一度、「うわ! 曇って前が見えない!」というときの対策法を確認しておこう。
文/ベストカーWeb編集部、写真/Adobestock(トビラ写真=dvrcan@Adobestock)
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冷やされたペットボトルの原理でウインドウは曇る
まずは「なぜクルマのウインドウが曇るのか」だが、車内が密閉されて、クルマの中と外に温度差が生じることが原因だ。冷蔵庫から冷えたペットボトルを取り出すと、ペットボトルの表面には水滴が付く。いわゆる結露という現象だが、これがクルマの中と外で生じるのだ。
夏の暑い日にキンキンにエアコンをかけていると、クルマのウインドウも冷たくなる。するとクルマのウインドウに当たる車外の空気が冷やされて、内部の水蒸気が結露して曇りの原因になる。この場合、曇りはウインドウ外側に生じるので、慌てて手で拭っても曇りは取れない。まずワイパーを作動させて急場をしのぎ、エアコンの設定温度を上げて送風先を足元だけにするなど、ウインドウを冷やさない工夫が必要となる。
いっぽうこれから迎える冬の時期には、この逆の現象が起きる。車内の温かい空気が外気で冷えたウインドウに触れることで冷やされて、結露するのだ。特に雨が降っていたり、多人数乗車だったり、車内に濡れたものを持ち込んだりした際に、ウインドウの曇りが発生することが多い。
まず窓を開けてデフロスタをオン!
ウインドウの曇りが発生したとき、慌ててエアコンを最大風量にしたりすると、場合によっては曇りを悪化させてしまうので落ち着いて対処したい。
曇り取りの手順だが、まずは窓を開けて車内の温度を下げよう。「運転席と助手席側後席」あるいは「助手席と運転席側後席」など、対角線状に開けると効果が高いようだ。
次にエアコンのデフロスタモードを使う。エアコンの吹き出し口を切り替えて、「扇型に3本の波線」が描かれているポジションに設定するのだ。こうすることでエアコンの風がフロントウインドウの付け根から出るようになる。フルオートエアコンの場合は、自動で最大風量になるものもあるが、風量が変わらない場合は手動で風量を強めに切り替えよう。ちなみにデフロスタとよく似たマークに「横長長方形に3本の波線」というパターンもあるが、こちらはリアウインドウの熱線デフォッガー。リアウインドウが曇ったときはこちらを活用したい。
これだけで安心してはいけない。エアコンが内気循環になっていないか必ず確認しよう。内気循環になっているとウインドウに車内のジメジメした空気を当てることになり、効果がないどころか曇りを助長させることもある。エアコンは「外気導入」が鉄則だ。たとえ雨で外気自体がジメジメしていそうな場合でも、「内気循環よりはまし」というのが筆者の印象。どうしても効果がない場合に限り、内気循環にしてエアコンの除湿能力に頼るべきだ。
しょっちゅう曇るならケミカルで対策を
しかしこの対応はあくまで応急措置的なもので、「しょっちゅう窓が曇る」という場合は、ウインドウ自体の手入れが必要になる。まず気を付けたいのが窓内側の汚れ。「曇りと関係ないじゃん」と思うかもしれないが、ウインドウに付いたチリやほこりは水分を凝集させる「核」となるため、曇りを誘発させてしまうのだ。薄めた中性洗剤を含ませたウェスなどで窓を拭くだけでも、曇り止めの効果が得られる。
曇り止めの効果を持続させたいというなら、上記のようなウインドウクリーニングを行ったうえで、市販の曇り止めケミカルを使いたい。カー用品店に行くとさまざまな曇り止め用品が売っているので、用途に合ったものを選ぼう。一般的にスプレータイプは手軽で便利だが持続期間が短く、塗り込んで乾かすタイプは効果が長持ちするものの、施工にひと手間かかる。いずれの製品も、界面活性効果によって水が水滴になることを防ぎ、表面積を広げることで水を蒸発させやすくする効果を持つ。価格も含めて納得するものをチョイスしよう。
非常に原始的だが、冬場のドライブには乾いたウェスを1枚、コンソール周りに常備しておくことも意外と役立つ。視界の確保は安全運転の基本中の基本だから、二重三重の対策を心得ておこう。
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