もっと詳しく

 11月8日からミラノショー(EICMA)が開幕! 予想どおりホンダから注目作のCL250&500が発表された。

 レブル250&500をベースに昔ながらのシブいスクランブラースタイルに身を包み、ちょっとしたオフロード走行もOK。CL250は3月にも国内発売、500はやや遅れて登場する模様だ。モデルの詳細とともに、当webがつかんだ国内仕様の独自情報を余す所なく紹介しよう!

文/ベストカー編集部

【画像ギャラリー】CL250&500のディティールと車体色をチェックしてみる!(14枚)画像ギャラリー


ミラノで500を正式発表、続いて250の一部情報も公開

 当webでスクープしていたホンダのCL500がミラノショーで発表された。ミラノでCL250の発表はなかったが、国内向けの情報サイト「Honda GO バイクラボ」で存在が明らかに。同サイトは、国内の二輪販社HMJ(ホンダモーターサイクルジャパン)による運営。現時点で日欧のホンダ公式HPで正式発表されていないが、国内登場は確実だ。

 「CL」はホンダ伝統の車名で、オンロードモデルを不整地走行向けにモディファイした“スクランブラー”に冠される。初代CL72スクランブラーは1962年に登場し、アップマフラーにロングサス、大径ホイールなどが特徴。後年に登場したCLシリーズも同様のスタイルを踏襲し、いずれも懐古的なデザインが大きな魅力となっている。

 新作のCL250&500もこれらの伝統を継承して登場した。さらにタンクパッドやフォークガード、ショートフェンダーを装備。ホイールサイズはフロント19&リヤ17インチでオフロードでの走破性も高そうだ。

 ベース車は最新のレブル250&500で、CL250は単気筒、CL500は並列2気筒を搭載。フレームや足まわりは専用設計だ。

ロングサスやアップマフラー、タンクパッドなどスクランブラーのCLらしい専用装備を与えた新型CL500(欧州仕様)。レブルをベースとしながら、独自のスタイルを構築している

CL500の心臓部は独自の味付けでスムーズな加速を実現

 まず詳細な情報が明らかになったCL500から解説しよう。開発コンセプトは「Express Yourself」。スタイルに敏感な若者がターゲットだ。

 ユーザーのライフスタイルにフィットし、毎日の通勤から週末のロングライド、軽いオフロード走行までこなす。さらにカスタムの自由度が高く、個性をアピールできる。

 実はクルーザー風のレブルも国内HPでは同じ「Express Yourself」のキャッチコピーを謳っているが、CLはよりプレーンなデザインと万能な走りで一段と個性を表現しやすいのだろう。

 471cc並列2気筒エンジンは、独自のECU設定と二次減速比を採用。リヤスプロケットはレブルの40Tから41Tにショート化し、街乗りでもダートでもスムーズな加速を提供する。

 欧州仕様の2023年型レブル500が34.0kW(46.2ps)/8500rpm、43.3Nm(4.41kg-m)/6000rpmなのに対し、CL500は34.3kW(46.6ps)/8500rpm、43.4Nm(4.42kg-m)/6250rpm。最高出力、最大トルクともに増大した。また、アシスト&スリッパークラッチをレブルから踏襲している。

レブル500と同様、CBR500R系の471ccのDOHC4バルブ水冷並列2気筒を搭載。FIマッピングやドリブンギヤを変更し、独自のセッティングが施される

専用フレームにロングサス+ブロックパターンタイヤで走破性アップ

 車体はダートの走行も考慮した専用設計だ。メインフレームは鋼管トレリスのダイヤモンド形式で、ループ状のシートレールを持つ。3D解析により剛性と重量バランスを最適化している。

 ホイールはフロント19&リヤ17インチで、ブロックパターンタイヤを履く。これにロングトラベル150mmの正立φ41mmフロントフォークとイニシャル5段階調整可能なリヤツインショックを組み合わせ、多彩な地形に対応。上下ヨーク角もCL専用で、ステアリングの精度とフィーリングを向上させた。

 レブルのアイコンであるインナーレンズ式の4眼LEDヘッドライトを踏襲しながら、違和感のない仕上がりはさすが。反転液晶メーターや、緊急停止時にハザードを点灯させるESS(緊急停止信号)テクノロジーもレブル譲りとなる。

 シートは1960年~70年代に活躍したCLを思わせるタックロール付きの専用ロングタイプ。シート高はオフロードテイストながら低めの790mmなのがうれしい。

ロングサスにレトロなフォークブーツを採用。タイヤは、ミゾが深いダンロップ製Mixtoursだ。前後ABSは、オフロードや様々な路面を考慮した独自のバランス調整済み

250はレブルと同様にエンジン以外、ほぼ500と共通か

 続いてCL250だが、前述のとおりHonda GO バイクラボでのみ発表されており、情報に乏しい。ただし同サイトの解説によると、レブル250譲りの水冷シングルは「吸排気系統とPGM-FIを最適化。低回転域から高回転域まで力強くスムーズに吹き上がり、心地よい加速感と上質なライディングフィールを味わえます」とのこと。

 マフラー内部はシンプルな二室構造とし、排気抵抗を低く押さえ込むことでスロットル操作に対応するリニアなレスポンスに貢献。単気筒エンジン特有の歯切れの良いサウンドを実現するという。

 レブル250やGB350では敬遠していた砂利道も難なく走ることができ「初めてのツーリングキャンプをしたい」人にも最適との説明もある。当然CL500より車重は軽量で、ダート走行はより気軽だろう。ちなみにレブル250と500では、250の方が19kgも軽い。

 外観を見るにフレームや足まわりもCL500と共通のようだ。メーターなどの装備をはじめ、フォークブーツやショートタイプのFフェンダーなどのデザインも変わらない。ベース車のレブル250と500はエンジンを除いて基本的に車体は共通。CL250と500の関係も同様なのだろう。

 諸元のほか、価格や発売日などの詳細は未定。「近いうちに国内での販売が予定されています」と明記されている。

CL250日本仕様。500とはエンジンが異なり、単気筒を搭載。当然エキパイも1本だ。他の装備はCL500と共通のように見える

250は3カラー、500は2カラー、3月下旬から順次発売される模様だ!

 Honda GO バイクラボによると、CL250国内仕様の車体色は「キャンディーエナジーオレンジ、パールカデットグレー、パールヒマラヤズホワイト」の3カラーを予定している。

 なおCL500の日本導入も確定。こちらのカラーリングは未発表ながら、情報筋によると「国内仕様はツヤ消しグリーン、ブルー」の2色になるという。欧州仕様の車体色は、この2カラーに加え、オレンジ(250と共通)、ツヤ消し黒(欧州500のみ)の計4色がある。

 つまり国内仕様の250と500は車体色がカブらず、250専用カラーとしてグレーとホワイトが設定されるのだ。

 さらに発表時期は、250が2023年2月中旬、500が同3月下旬と予想される。そして発売時期は250が3月下旬、500は5月下旬と予想したい。3月のモーターサイクルショーでは250、500とも揃って披露されるだろう。

 価格については不明だが、レブルと共通のパーツも多く、同等になることを期待したい(レブル500=79万9700円、レブル250=61万500円)。

 現行の普通二輪免許で乗れるラインナップで、国産メーカーのスクランブラーモデルはCL250が唯一。車検のいらない250ccクラスにおいては、唯一のスクランブラーかつネオクラシックになる。レブルに続き、新たなベストセラーが誕生するか!? さらなる詳報を待ちたい!

CL250のパールカデットグレーは、2019年型レブル250に導入されたカラー(写真)と同色だろう

CL500(欧州モデル)主要諸元
・全長×全幅×全高:2175×831×1135mm
・ホイールベース:1485mm
・シート高:790mm
・最低地上高:192mm
・キャスター/トレール:27°/108mm
・車重:192kg
・エンジン:水冷4スト並列2気筒DOHC4バルブ471cc
・最高出力:46.6ps/8500rpm
・最大トルク:4.42kg-m/6250rpm
・燃料タンク容量:12L
・変速機:6段
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:110/80R19、150/70R17

【画像ギャラリー】CL250&500のディティールと車体色をチェックしてみる!(14枚)画像ギャラリー

投稿 ホンダCL250&500国内仕様の全色と発売時期をスクープ! 大注目スクランブラーの日本版はどうなる!?自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。