もっと詳しく

 日本全国あちこちを走り回るトラックドライバーは、今では携帯電話が必須アイテムとなっている。また、業務では通信機能を備えたIoT(モノのインターネット)機器に頼ることも多い。

 そうした中、今年7月2日には大手キャリアのKDDI(au)に通信障害が発生し、音声通話・データ通信ともに約2日間にわたって使えなくなる事態となったことは、まだ記憶に新しい。

 あの日は物流の現場も大混乱だった。実際にドラックドライバーにはどのような影響があったのか? 現役ドライバーの鰻さんにその実情を聞いた。

文/トラックドライバー鰻さん 写真/フルロード編集部


通信障害で会社や荷主に連絡できない!! 

 7月2日発生した「au通信障害」から、4カ月。通信障害から他キャリアに乗り換えた方もいることでしょう。

 当時は通信障害の影響受け、大変だったドライバーさんも多かったのではないでしょうか? 実際、報道された通り物流をはじめいろいろなところに影響が出ました。

点呼やアルコールチェックなど運行管理が厳格化され、出社しない長距離ドライバーなどにはスマホ等の通信機器が必須だ

 ドライバー仲間からも、「会社貸与携帯や個人名義で仕事使用の携帯がauで、会社・荷主に連絡がとれない」「倉庫の順番待ちの連絡ができないから、寝てられない。倉庫近くで待っていなきゃならない」などの話を聞きました。

 通話だけではなく、ネット環境も影響があって、遠隔地アルコールチェック用のスマホがauで通信ができないというドライバーもいました。

 しかもその端末は、会社貸与品で利用制限があり、デザリング設定不可で大変困ったようです。

トラックにもさまざまな通信機能が搭載されている

 アルコールチェック以外にも、最近はトラックにも通信機能がつき、車両の位置や運行状況、IP無線、デジタコも通信型が主流になってきてます。

 これからはIoTを活用し、物流の効率化、ドライバー不足対策、長時間労働の削減と、ますます通信ネットワークを使うことが多くなってくると思います。

いすゞの商用テレマティクスサービス「MIMAMORI」。写真は荷箱と通信して冷凍車の温度管理まで行なえるもの

 ドライバーは仕事柄、現場や移動中にも連絡を取り合うことも多いと思います。

 それこそ、1G・アナログの自動車電話・ショルダーフォン時代から、長期に使ってるドライバーさんも少なくないと思います。

 昔は圏外で繋がらないことも多くありましたが、今は圏外になることの方が珍しく、いつでもどこでも繋がり便利になりました。障害が起きてしまうと、仕事にもかなり影響が出てしまいます。

 auの大規模障害後も、ドコモ・ソフトバンク・楽天モバイルの各社も、通信障害が発生しました。まずは、通信障害が起きないように、再発防止策を各社しっかり立ててほしいです。また、ローミングなど、障害時対策を早急にしてほしいと思っています。

投稿 KDDIの大規模通信障害は物流現場も大混乱!! あの日を綴るトラックドライバー生の声自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。