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トリゲマのボス、ウォルフガング グルップのためにEQSをカスタマイズ – そして車検にも見事合格!最近、トリゲマのボス、ウォルフガング グルップはカスタマイズされたEQSを手に入れた。しかも大幅に改造されたEQSを!?

ボスには広いスペースが必要だ。トリゲマのボス、ウォルフガング グルップは、1975年以来、メルセデスの後部座席に余分なスペースがあることに慣れきっている。新しい社用車である「メルセデスEQS」も、この規格がなくてはならないのだ。しかし、「メルセデスEQS」には、助手席を完全に倒したり、向きを変えたりするオプションは存在しない。もしかしたら、「メルセデス‐マイバッハEQS」にだったら、そんな装備も搭載されるかもしれないが・・・。
※トリゲマ(Trigema)=テキスタイル製造(スポーツおよびレジャーウェア)とガソリンスタンド販売の分野で活躍するドイツの大手複合企業

車検に合格したパラバンコンバージョン

メルセデスはトリゲマのボスの要望に応えられないので、コンバージョン専門のチューナー、「パラバン」が助けて、助手席の向きを変えることにより、「車検を見事通過したんだ!」とトリゲマのボスは得意そうに語る。

メルセデスEQSにトリゲマボスの新シート設定。

リバースに設置されたシートは、運転中にシートとしては使用してはならず、また使用できなくなった。しかしそれでも、トリゲマのボスにとって重要なのは、足を伸ばし、眠り、仕事をし、フロントガラスの前に迷惑な助手席がなく、道路がよく見えることなのだから、そんなことはどうでもいいのだ(笑)。

【ABJのコメント】
その昔、日本のワンボックスカーには「回転対座シート」というのがあった。最初にこのシートを装備したのは「ニッサン バネット」で、たしか「SGL」というグレードに装備されたのが最初である。そのあとはもちろんライバルであるトヨタにも飛び火し、「マスターエース」とかのワンボックスには回転対座シートが装備され、「ボンゴ フレンディー」にも確かあったような気もする。それらの車の場合、ぐるっと後ろ向きになるのは2座目のシートであり、そこが後ろにむくと、東海道線の向かい合いシート状態になると同時に、その場所にはオプションでテーブルまで用意されていた(しかし、走行中には危ないので使わないように、という注意書きもあった)。

今回の「EQS」を見て連想したのはまさにその回転対座シートだったのだが、それらのワンボックスカーと違い、向かい合って人が座るためのシートではない(そんなことをしたら足と足がぶつかってくつろげない)。あくまでも助手席を回転させることで、レッグルームを広げ、目の前に広い視界をつくること、それがこのシートの目的である。・・・でもねぇ、個人的にはなんだかこの状態じゃあ落ち着かないという気持ちと、なんだかエレガントじゃないように思えるのだが、皆さんはどうでしょうか? これならセンチュリーに装備されている、助手席貫通オットマンのほうが良いような気がするんですが、いかがでしょうか?(KO)

Text: Robin Hornig
加筆: 大林晃平
Photo: autobild.de