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 新型フェアレディ乙が早くも中古車市場にごく少数ながら出てきているようで、1000万円以上のプライスタグをつけているのだとか。新型フェアレディZの価格帯は標準の524万1500円~バージョンSTの696万6300円だから、完全に上乗せされた価格で取り引きされている。そこで、その最新情報についてすでに新型Zをオーダーしている国沢光宏氏に探ってもらった。

本文/国沢光宏、写真/日産、国沢光宏、ベストカー編集部

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■最大の謎がそもそもの納期!?

オーダー開始からいろいろと問題が取りざたされている新型フェアレディZ。本当の納期がどれくらいかかるのか、そこが最大の謎だとオーダーした国沢氏自身が指摘するが……

 オーダー開始直後から始まった新型フェアレディZ狂想曲はその後どうなっているのか? 調べてみると、現時点じゃ「幻のクルマ」と言っていいくらい情報が少なかったりする。

 以下、新型Zを巡る情報(確認できないため正確な日本語だとウワサですね)を並べておく。評論家としちゃ心苦しいけれど、基本的にすべて「状況証拠」くらいに思っていただきたい。

 まず気になる納期。これが最大の謎だったりする。ディーラー情報についちゃまったくアテにならないからだ。オーダーした人なら「ウチでは10台目です」みたいなことを教えてくれるのだけれど、1台も納車していないケースが大半だから、ディーラー側もそこから推測することなど不可能。

 それ以前の問題として、ネットで検索したって納車された新型Zは2~3台しかヒットせず。

■すでにパーキングロックでリコールが!

新型Zの9速AT車のパーキングロックに不具合が出てリコールとなっている。その台数は6月30日から8月26日までで165台だという

 となると気になるのが生産台数。実は新型Z、早くもリコールを出している。新型用に開発された9速ATのパーキングロックです。ギアの噛み合いが不完全なこともあるらしく、Pレンジなのに動き出すという内容。

 リコールだから対象台数も発表されるのだけれど、6月30日~8月26日までの約2カ月間で、わずか165台! そして生産再開は9月30日だった可能性大。

 したがって生産された新型ZのAT車は165台しかなく、大半が未納車の状態だと思われる。以下推測だけれど、新型ZのAT車ってこの原稿を書いている10月8日時点では一般ユーザーの手元にないハズ。

 AT車のリコール台数から予想するなら、AT車とマニュアル車の生産比率を半々と仮定して月産200台以下。新型Zの生産台数は年間でも2400台以下ということになります。

 日産が何台受注しているのか、正式には発表していないため不明確ながら、生産開始からの実績からすると受注1万台で4年ということ。さまざまな情報から推測した受注台数は2万台を超えている。

 一部でウワサされている「納車まで7年くらいかかりそうだ」というのも現在の生産規模から考えればハズレていないように思う。7年とすると種々の規制による絶版時期。新型Zの受注再開はない可能性もある。

■中古市場に出回っているのはほんの一部だが……

オーダー後に国沢氏に届けられた日産東京販売からの抽選を告げるハガキ。このハガキの右下に記載されていたQRコードから抽選サイトに移動し、当落がわかるようになっていたのだという

 そんな新型Zながら、意外や意外! 中古車市場に出てこない。希少車の場合、納車が始まるやいなや転売ヤーの出現により高い値付けで店頭に並ぶ。新型Z、デビュー直後に黄色い固体がオークションでは1000万円ほどで取り引きされ、現在は応談ながら当初1848万円という値札を付けていた。

 最近はボディカラーがブルーの固体も出ており、これまた応談。当然ながらどちらもマニュアル車です。

 新型Zの売り物たった2台! ちなみにどこから出てきたのかはわからない。シャシーナンバーがわかれば探ることが可能だと思うけれど、教えてくれるワケないですワな。

 新型Z、どこかのメディア(笑)で大きな騒ぎにしたため、コッソリ動くのが難しくなってしまった。しかも今やSNS探偵団多数! 私は追いかける余裕ないけれどSNS探偵団が出所を探し出すと思う。

 今までディーラーが怪しいことをやっていてもわからなかった。

 例えば、突如抽選にした日産東京販売。現時点でも公式な経緯の説明をしていない。日産東京販売がガラポンで納車順序をデタラメにすれば、自由に納車できる新型Zをひねり出せる。普通なら5月にオーダーしたAさんのクルマは7月にオーダーしたBさんより早い。けれどガラポンでひっくり返すことができちゃう。

■新型Zのオーダー再開開始は3年後か?

新型フェアレディZと開発担当の田村宏志CPS(チーフ・プロダクト・スペシャリスト)。このクルマのオーダーが再開できるのはいつになるのだろうか?

 なんたって抽選は厳正なものでなく、送られて来たハガキに指示された場所に返信するだけ。直後に「坊ちゃんはずれ~」という返信が返ってくるのみ。何台当たっているのかすらわからない。

 つまり、後から注文を入れた太い客の納車を早めることだって簡単。その人が転売しちゃったら止める術なし。というルートを手繰られたら困るので、現時点で不正は行えないと思う。

 まとめです。オーダー再開はあったとしても3年以上先。オーダーずみの人の納期さっぱりわからず。高額な中古車についちゃ、当面”ほぼ”出てこないと思う。一番望ましいのは生産台数を増やす対策だけれど、現状だと調達部品などの関係により頑張って最大20%増くらいらしい。

 オーダーした人は忘れた頃に「印鑑証明をお願いします」という連絡がくると思います。

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