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Image:Red Bull Racing

2022年のF1世界選手権においてドライバーとチームの両方で年間チャンピオンを獲得したレッドブル・レーシングが、電動キックボード「RBS#01」を発表した。F1マシンにインスパイアされF1エンジニアが設計に関わったとしており、デッキやハンドルバーなどには、F1マシンと同じカーボンファイバーを採用する。

カーボンだから当然スチール製のものより軽量かと思えばそうでもなく、質量は約23kgもある。これはおそらく、2022年のF1マシン「RB18」開発に携わったエンジニアが、F1と同じ有限要素法解析ソフトウェアを駆使して車体設計したためかもしれない。

公道で使う電動キックボードの場合は、重さよりも強度や耐久性を高めることが求められる。そのため、RBS#01の車体は軽さを追求するのではなく、衝撃や落下などへの耐久性を高めているとのこと。強度的には、体重120kgまでのライダーが乗っても大丈夫な設計だ。

Image:Red Bull Racing

最高速度45km/h、最大航続距離60kmの性能を備える。750Wのモーターは80Nmのトルクを発生し、760Whのバッテリーは5時間でフル充電可能だ。ヘッドライトとテールライトはボディ一体型で、ハンドルバーに装着された液晶スクリーンでは、バッテリー残量や走行速度を確認できる。

タイヤサイズは5.5-6.0インチで、セミスリックタイヤを装着。細い溝などにスタックしないような十分な幅とグリップを備え、ハンドリングも容易になっているとメーカーは述べている。また、ブレーキには4ピストン油圧式ディスクブレーキを搭載する。

Image:Red Bull Racing

また、ブレーキやアクセル操作用のワイヤーはフレーム内を通して配線されており、見た目もスッキリしている。IP65の防水防塵性能は、日常の使用に十分な性能といえそうだ。

すでに米国ではテキサス州オースティンで開催されたアメリカGPの週末より予約を受付中で、発送は2023年の夏頃になるとのこと。製造と販売はレッドブル・レーシングのライセンスのもと、電動バイクメーカーのN+(N Plus Bikes)が担当している。N+はメルセデスAMGとも提携し、ロードバイクや電動アシスト自転車の販売を行うなどの実績がある。

ちなみに日本では、道路交通法の改正により、RBS#01のような電動キックボードは、2024年春頃に特定小型原動機付き自転車という分類となり、免許証やヘルメット装着なしでの公道走行が許可される予定だ。速度は最高20km/hまでに制限され、保険加入やナンバープレートの取得などといった法令上の規制もあるので、興味のある方は確認しておくと良いかもしれない。