そごう・西武の売却交渉が大詰め、従業員４５００人の雇用が焦点

セブン＆アイ・ホールディングス（ＨＤ）が進めている、傘下の百貨店事業、そごう・西武の売却交渉が大詰めを迎えている。優先交渉権を持つ米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループとの間で大筋合意しており、従業員の雇用などを巡って最終的な調整を続けている。

売却額は２０００億円を超える模様だ。フォートレスは、家電量販店大手のヨドバシＨＤと連携して再建にあたる。そごう・西武の百貨店１０店舗のうち、西武池袋本店（東京都豊島区）や渋谷店（東京都渋谷区）、そごう千葉店（千葉市）では、ヨドバシが家電量販店を出店する計画だ。ヨドバシは従業員の一部を雇用することも検討している。

セブン＆アイは、大株主の米投資ファンド「バリューアクト・キャピタル」から今年初め、コンビニエンスストア事業に集中するよう求められた。複数の投資ファンドなどからの応札があり、フォートレスに絞り込んで交渉を続けてきたが、パートを含めた約４５００人（２月末時点）の雇用が焦点になっていた。

フォートレスは、ソフトバンクグループ傘下の投資ファンドで、賃貸住宅大手レオパレス２１やゴルフ場運営大手のアコーディア・ゴルフへの投資実績がある。そごう・西武の百貨店は、ターミナル駅にあって立地がよく、集客が期待される。

セブン＆アイの井阪隆一社長は１０月の決算記者会見で、「（売却先は）事業継続とそごう・西武の再成長に対して、良い提案をしてもらえるパートナーにつきる」と述べていた。

読売新聞　2022/11/09 22:28
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20221109-OYT1T50235/