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魅力的な短歌を詠むには、まず対象をしっかり観察することが大切だとよく言われるが、鯨井可菜子の歌を読んでいると、能動的に観察するというより、自分の意識や眼差(まなざ)しの、むしろ特別ではない普段のありようにこそより自覚的になるべきなのではないかと考えさせられる。以下、すべて鯨井の第…