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 2022年11月10日~13日の日程で、愛知県と岐阜県にて開催される「フォーラムエイト・ラリージャパン2022」。12年ぶりの日本開催となるWRCの興奮を、ゼッケン47番ルノー・ルーテシアで参戦する国沢光宏氏が直接レポートしてくれた。お薦めの訪問日やポイントも紹介してくれております!!

文/国沢光宏、画像/国沢光宏、MAP/中川紀子

■思わず「たんなるWRCファン」になってしまう…

 ラリージャパンが始まった! といっても月曜日から水曜日までの3日間は「レッキ」と呼ばれる下見走行。本番で使われるコースを2回ずつ走り、ペースノートを作ります。具体的に書くと1回目はドライバーがコーナーの角度やコーナーとコーナーの距離、本番で走ろうとする走行ラインを読み上げ、コ・ドライバーが書き留める。2回目はコ・ドライバーに読んでもらい、正確かどうかを確認します。

 当たり前のことながら、レッキしているとWRCのTOPドライバーといろんな場所で出会う! 次のSSまで移動している時に追いついてきたり、逆に追いついたり。TOPチームはすべてレッキ車を日本に空輸してきており、ナンバーもすべてラリーナンバー(仮ナンバーに見えるけれど違います)。GRヤリスで「69番」の小さいステッカー貼ってあればカッレ・ロバンペラであります。

世界のトップドライバーもすぐ後ろを走っていたりする。ゼッケン69番のヤリスはカッレ・ロバンペラ選手。昨年(2021年)21歳でWRC史上最年少優勝ドライバーとなり、今年Round11「ラリーニュージーランド」で6勝目を獲得し、22歳でWRC史上最年少年間王者となった超天才ドライバー

 はたまたBMW1シリーズに11番のステッカー貼ってあったらティエリー・ヌービルといった具合。何カ所かに「レッキサービス」(レッキ中の軽食などを取る)が作られており、恵那の山の中の駐車スペースにセバスチャン・オジエとかが立っているのを見ると、「ここ、日本か?」。選手やジャーナリストというより、たんなるWRCファンになってしまう。悲しいかな写真撮りまくりでございます。

ゼッケン11番のBMWはティエリー・ヌービル。ヒョンデi20を駆るトヨタヤリスのライバル
レッキ中はラリーナンバーを装着。仮ナンバーと似ているが違います

■「これ超便利!!」だったのはなんと…リミッター??

 ラリージャパンのSSの印象を海外選手に聞くと、「凄いね!」。

 例えばSS2とSS5は同じなのだけれど、23kmに渡ってずっと1速とか2速のコーナーが続く! おそらくWRCのターマックラリーで最もアベレージ速度が遅いと思う。選手からすれば楽しくはないです。一方、箱根ターンパイクのような高速のSSもある。今年は最初ということで楽しくない道もあるかもしれないが、来年以降に期待したい。

国の重要伝統的建造物群保存地区に指定される恵那市岩村本通りはリエゾン区間となっている。この景観のなかでのリエゾン、世界最高では?

 いっぽう「NUKATA」や「MIKAWAKO」のように集落の中を走るSSはすばらしい! 日本の美しい風景の中、村の中の道を全開で走り抜ける。三河湖なんか湖畔の料理屋さんの横を通ったりして! 今年は観戦場所を十分に確保できなかったようだけれど、来年以降、すばらしい観戦場所がたっくさん作られること間違いなし! もちろんリエゾンは今年もすべてのラリー車通過ルートで見られる。

3日目に競技が行われる豊田市の三河湖SS周辺は日本の原風景が広がっている

 ちなみにラリージャパンの場合、レッキ中の制限速度は60km/h。すべての車両にGPSが搭載されており、それ以上の速度を出すと本部オフィスにデータが飛ぶ。実際、火曜日のレッキで14km/h速度オーバーしたドライバーがいて、FIAに警察の3倍くらいの罰金を取られるのだった。厳しいです。私が今回レッキ車として使ったルーテシアは制限速度リミッター付き。

 今まであまり利便性を感じたことはなかったのだけれど、今回「超いいね!」。60km/hにセットしておくと、アクセルを踏んでも実車速で59km/hくらいまでしか出ない。

レッキ中の「スピードリミッター」がまさかの大活躍!!! これすごくいい!!

 余談になるけれど、これ、一般道でも積極的に使える。スピードメーターとにらめってしながら走ることなんかできない。速度リミッターをセットしておくと、うっかりミスをしないで済むのだった。

■サービスパーク(豊田スタジアム)へぜひ!!

 これから観戦してみようかと思っているなら、土曜日(11月12日)がいいかもしれない。直接ラリーカーのアタックを見られる可能性は日曜日の恵那が高いけれど、残念ながら雨の予報になってしまっている。もちろん雨のラリーカーもカッコいいですが(空いていて見やすいかもしれません)。リエゾンは金曜日も行程が長く、様々な場所で見られそう。秋のドライブがてら見に行ったらいかがか? 運がよければ手も振ってくれる。

サービスパークが設置される豊田スタジアムは名古屋駅から電車で向かうと約1時間15分

 サービスパーク(豊田スタジアム)へ訪れるなら木曜日~金曜日までがおすすめ。日曜日、朝出発するとラリー終了までラリー車は戻ってこない。金曜日と土曜日は、朝と昼と夜の3回サービスが行われる。どのサービスも見ていて楽しめると思う。

 サービスパークの入場券はまだ買えるようなので、イベントなど楽しむつもりで訪れたらいかがだろうか。駐車場がないため、豊田市駅あたりに停めてそこから歩くことをすすめておく。

投稿 祝開幕ラリージャパン!! 愛知と岐阜の興奮を産地直送!!! これぞラリーの醍醐味だ!自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。