米Googleの新型スマートフォン「Pixel 7 Pro」は正式発表されたばかりだが、早くも分解動画が公開されている。もっとも、実機(ないし試作機)が少し前から流出していたこともあり、特に驚くべきことではないかもしれない。
さっそくPixel 7 Pro実機を入手して分解しているのは、先日もPixel 6aを分解していたYouTubeチャンネルPBK Reviewsだ。
本製品の外観は先代のPixel 6 Proとかなり近いが、内部構造もやはりよく似ているようだ。
とはいえ、いくつか改良された点があるとも指摘されている。まず、放熱対策のグラファイトテープが綺麗に整理されていることだ。Pixel 6 ProではカメラとSoC、バッテリーを覆うテープは別々に分かれていたが、今年は1つにまとめられている。
なぜPixel 6世代でグラファイトテープが分割されていたかといえば、バッテリーの上にミリ波用アンテナ線が配置されており、それを覆わないようにするためと思われる。Pixel 7 Proではミリ波アンテナケーブルがかなり長くなり、ミッドフレームの下でバッテリーの外周に回され、他のパーツに被らないようにされているのだ。
その一方でUSB-Cポートの近くにあったグラファイトテープは減らされているが、発熱しやすいSoCの周囲に集中的にテープが置かれている。それに加えてTensor G2は先代のTensorより電力効率が20%向上したと謳われていることから、発熱が低く抑えられそうだ。
Pixel 7 Proにはミリ波アンテナが1つしかなく、Galaxy S22 Ultraの2本と比べて少ない。が、海外テックメディアArs Technicaは、ミリ波はたやすく遮られることから、あまり力を入れるべきではないとの趣旨を述べている。実際、今年のiPhone 14シリーズでも、日本では引き続きミリ波非対応であり、スマートフォンの設計において優先度は低いのかもしれない。
さてPBK Reviewsによる「修理しやすさ」の採点は、10点満点中5.5点だ。まずディスプレイは、ネジや接着剤を除去すれば、メイン基板からコネクターを外すだけで取り替えられる。その一方で背面ガラスは外せず、割れてしまえば金属フレームごと交換になりそうだ。ちなみに、iPhone 14標準モデルは平面ガラスだけを交換できるよう設計が変更されていた。
またUSB-Cポートはメイン基板にハンダ付けされているため、壊れたら予想以上に費用がかかる。バッテリーにはプルタブがあるものの、やはり接着剤で固定されており、アルコール溶剤に浸さないとビクともしない、という具合だ。
近年の高速化したSoCを持つスマートフォンは、バッテリーの消耗や発熱が問題となるケースが増えている。Pixel 6シリーズも「重い作業をしなくとも、20分ほどでハンドウォーマーのように感じる」との声もあり、Googleもシステムアップデートを重ねていたが、少なくともPixel 7 Proに関しては、熱対策は改善されているようだ。
- Source:PBK Reviews(YouTube)
- Source:Ars Technica