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Image:Volkswagen

新型コロナのパンデミックは会社員のリモートでの勤務形態を一般化させ、自宅用PCの販売を増やした。そして長時間のPC作業に対応するため、自宅にPC作業用のデスクや座り心地の良いPC用チェアを買い足した人も多いことだろう。こうした流れは、座り心地の良いゲーミングチェアの普及にも一役買ったに違いない。

そんななか、フォルクスワーゲン・ノルウェーが、自動車メーカーならではの機能を盛り込んだ、まったく新しいオフィスチェアを開発した。このオフィスチェアは、キャスター部分に電動モーターを備えており、席を立って休憩する時間もないほど忙しいハードワーカーに、席に座ったまま休憩所に移動する手段を提供する(それが正しいことどうかは、また別の話だ)。

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フォルクスワーゲンが販売する自動車の多くは4輪だが、このチェアはそれを上回る5輪仕様になっており、走行中の安定性を高めている。また自動車メーカーらしく、走行中の安全性にも抜かりはない。市販車さながらの3点式シートベルトにヘッドライト、クラクションも装備。オフィスビルの廊下で、前を歩く他の社員に道を空けるようクラクションで促したり、省エネで薄暗い通路をヘッドライトで明るく照らして走行し、行きつけのコーヒーメーカーにたどり着くことが可能だ。

走行時に出せる最高速度は20km/hに達するため、会議に遅れそうなときも、座ったまま会議室に駆けつけることができる。一方、働きすぎて集中力が途切れてしまったときは、ちょっとウェブを開いて、推しアイドルの画像や動画で視力回復(目の保養)をしたいこともあるだろう。そんなときは、自動車譲りのバックカメラと360度センサーの出番だ。このコンボがあれば背後に忍び寄る人を検出でき、いつの間にか上司が後ろに立っている戦慄の瞬間を事前に回避できるはずだ。

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そのほか、このチェアの背もたれ部分の後ろには、自動車の運転席や助手席の背面と同様にポケットがあり、ノートPCや会議用のレジュメなど各種書類を入れて持ち運ぶことができる。さらに音楽を聴きたくなったら、やはり肘掛けにあるインフォテインメントの画面を操作してノリノリになることも可能だ。

なお、VWはバッテリー容量を明らかにしていないが、このオフィスチェアはフル充電で12kmの走行が可能だと述べている。それほどの大容量であるため、スマートフォンやノートPCに電源を供給することももちろんできる。

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もし、このオフィスチェアを自分の会社に導入したいと思った購買担当の方がいたなら、残念なお知らせがひとつある。VWノルウェーは、記事執筆時点でこのチェアをあくまで展示用の製品だと述べているのだ。将来的な量産や販売の計画に言及はない。ただし、このチェアに試乗できるイベントなどの機会があれば、SNSで告知するとVWは述べている。それもおそらくはノルウェー国内での話だと思われるので、現地へ行くことがある方なら試してみることができるかもしれない。