今年の「iPhone 14」シリーズでは、標準モデルとProモデルはカメラ性能だけでなく、プロセッサーに関しても差が付けられている。こうした価格に応じた差別化は、2023年にはより顕著となり、「iPhone 15 Pro」と「iPhone 15 Pro Max」間でも差が開くとのアナリスト予測が報じられている。
アップルのサプライチェーン情報に詳しいアナリストMing-Chi Kuoは、中国でのiPhone 14シリーズの注文状況について報告している。iPhone 14 Proモデル2つが全体の85%を占めており、6.7インチの標準モデル「iPhone 14 Plus」は最も低い5%未満であるという。
さらにKuo氏は、アップルのハイエンド製品の予約は、いつも初期段階に人気が集中すると指摘する。今年の注文状況は昨年よりもProモデルの比率が高く、それは「アップルの製品セグメント戦略の変更(Proモデルのみがメジャーアップデート)」を反映しているという。
アップルはiPhone 14 Proモデルのみに最新の「A16 Bionic」チップを搭載し、標準モデルには昨年のA15(13 Pro用の5コアGPU版)を流用している。こうした「価格別に異なるプロセッサー」とする方針は、約10年ぶりのことだ。前回は2013年、iPhone 5sにA7を搭載した一方で、安価なiPhone 5cには1年前のA6を採用していた。
Kuo氏はこのパターンが今後も踏襲され、Proモデルの魅力を高めるために差別化をより強めると予想している。高価なProモデルの出荷を増やし、iPhoneのASP(平均価格)を高めるためだ。
さらに一歩進んで、アップルは「Phone 15 Pro MaxとiPhone 15 Proに差を付け始めるだろう」というのだ。それが「成熟した市場でより多くの売上/利益を生み出すための、正しい製品セグメンテーション戦略によるベストな方法だ」とのことだ。
では、Phone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxにどのような差が付くのか、Kuo氏は何も述べてはいない。しかし、iPhone 12世代ではPro Maxモデルのみにセンサーシフト式手ぶれ補正機能が搭載され、Proモデルでは省かれた前例もある。
Kuo氏は以前、iPhone 15世代ではPro Maxのみがペリスコープ望遠レンズ搭載になるとの予想を述べていた。iPhone 12 Proの場合は筐体が小さく、センサーシフト装置を収納しにくいための“妥協”だと推測されていたが、来年は意図的にProとPro Maxの望遠性能に差が付けられるのかもしれない。
- Source:Ming-Chi Kuo(Twitter)
- Source:AppleInsider