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「ジムニー5ドア」発売直前!? ジムニー派生車が超変態仕様だらけ

 デビューから4年が経とうとしているが依然として大人気のジムニー。しかも待望の5ドアモデルが登場か? なんて長らくウワサされているが、実際のところ不明……。

 おそらく市販化すれば超絶ヒットとなりそうだが、振り返ってみるとジムニーの派生モデルは何個か存在していたのだ。それも結構マニアックなとこをつく仕様だったりして、さすがスズキだなーといえるモノだらけ。そこで歴代ジムニーのマニアックな派生モデルを!

文/小鮒康一、写真/SUZUKI、トップ画像/ベストカー編集部予想CG

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■過去に派生モデルはあったものの……マジで発売されれば5ドアは初!!

1972年5月、初代モデルに追加されたLJ20型「ジムニーバン」。これもある意味派生車種といっていいだろう

 間もなく登場がウワサされているジムニー(シエラ)の5ドアモデル。

 すでに日本国外ではテストカーと思しき実車の目撃情報も挙がっているため、登場するのは確実視されているが、実はジムニーの長い歴史の中で、オフィシャルに5ドアモデルが登場したことはなく、今回のモデルが発売されれば史上初の5ドアジムニーということになるのだ。

 ただしジムニー自体はさまざまな派生モデルが存在しており、初代モデルなどを振り返ってみれば、初期のモデルはドアすら備わらない超硬派なモデル(ただし幌と簡易ドアは標準で付いてきた)だった。

 しかし、1972年5月に登場したLJ20型からは「ジムニーバン」と名付けられたスチールルーフとドアを備えた仕様が追加されており、これもある意味派生車種といえるだろう。ではここからはジムニーをベースにしたさまざまな派生車種を振り返ってみたい。

■ピックアップもあった!! ジムニー初の普通車モデルは約50年前に登場

800ccのエンジンを搭載して普通車登録としたジムニー8(エイト)は1977年登場

 続いての派生車種としてご紹介するのは、1977年に登場した「ジムニー8(エイト)」だ。これはジムニーの8人乗りモデル……というワケではなく、800cc(正確には797cc)のエンジンを搭載し、普通車登録としたものだった(当時の軽自動車は550cc)。

 ボディサイズは軽自動車版のままだったが、それを逆手にとって当時のカタログなどでは「軽量ボディの強み」と大排気量エンジンを搭載したことを盛んにアピールしていた。

 ただこのモデルは海外向けに企画したものを日本国内でも販売したというのが実のところであり、海外仕様には車体後部に荷台を備えたピックアップ仕様も存在していたのだった。

 なおこのピックアップトラック仕様は、ジムニー8の後継車種であるジムニー1000(SJ40型)をベースにしたモデルも存在しており、こちらは日本国内でも販売された。

 しかし登録車でありながら350kgの最大積載量(そもそも荷台部分はキャリイトラックの流用だった)という中途半端さもあってか、日本国内での販売台数は300台ちょっとと限定車並みの台数に留まってしまっている。

■ジムニーなのに2駆!! ジムニーL/ジムニーJ2は超ヘンテコ仕様

写真は1998年登場の3代目スズキ ジムニー(JB23)。2000年3月に2WDモデルの「ジムニーL」が追加された

 1998年10月に軽自動車の規格が新しくなり、現在まで続くボディサイズが拡大された新規格になると、そのタイミングに合わせてジムニーもフルモデルチェンジを実施する。

 引き続き本格的なラダーフレームとパートタイム式の4WDシステムを搭載していたジムニーは堅実な販売を続けていたが、ライバルの三菱 パジェロミニやダイハツ テリオスキッドはモノコックボディを採用し、カジュアルかつ安価な2WD仕様もラインナップすることで販売台数を伸ばしていた。

 そんなライバルの動向を見て後を追おうと2000年3月に追加されたのが、2WDモデルの「ジムニーL」だったのだ。

 このモデルは“力強く機能的なデザインをファッションとして街中等で気軽に楽しみたい”というユーザーに向けてリリースされたということだが、外観上の変更点は当時カタログカラーになかったパールホワイトのボディカラーとリアのプライバシーガラス、そしてボディ同色のスペアタイヤカバー程度。

 そのため、「中古で妙に安いジムニーだと思って買ってみたらジムニーLだった」という笑えない笑い話が存在したとかしないとか。

そんなジムニーLだが、残念ながら販売台数は伸び悩み、わずか1年足らずの2001年2月に「ジムニーJ2」へとバトンタッチ。

 このジムニーJ2は、ほとんど差別化がなかったジムニーLの反省を生かしてか、専用のボンネットフードやバンパー、グリル、ヘッドライトを用いてカジュアルな印象とし、ボディカラーにも「ミスティブルー」というパステル調のブルーを専用色として設定し、泥臭いジムニーのイメージを打ち消そうとしていた。

 また装着ホイールを15インチへとダウンさせることなどによって車体高を35mmダウンさせ、シティユースでの乗降性を向上させるといった工夫もなされていた。

 しかし、やはりジムニーを求める層にはポップさやカジュアルさを求める人が少なかったのか、ジムニーLと共に幻のジムニーと言われるほど今となっては希少なモデルとなっている。

*   *   *

 このように、どちらかというと今までは商業的に成功したとは言い難いモデルが多かったジムニーの派生車。しかしジムニーには以前から5ドアを求める声が多かったため、販売が実現すれば人気車種になることは間違いないところだろう(そもそも日本で販売されるかは不明だが)。

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