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海外で「好き」と言うとちょいヤバい!? 赤面必至の珍車名

 クルマの名前が日本と海外で違うということは決して珍しいことではない。しかし、その車名変更の理由が海外では放送禁止用語に近い、恥ずかしいものだったということも……。そのなかでも、口に出すとヤバいかも……という、意味を知ると赤面してしまうような車名を持った日本車を紹介していこう。

文/藤原鉄二、写真/アウディ ジャパン、三菱自動車、FavCars.com、newspress UK

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トヨタMR2

海外で「好き」と言うとちょいヤバい!? 赤面必至の珍車名
MR2の日本デビューは1984年、翌年にはイギリスなどのヨーロッパで販売。スーパーカーの専売特許と思われていたミドシップレイアウトのクルマが手の届く価格で手に入るとあり、人気を博した

 MR2と発音するとフランス人にはmerdeという言葉に聞こえるらしい。この言葉は、実は「排せつ物」という意味の他に「くそ、いましましい」という意味も持っている、いわゆる卑語。フランスで「私はMR2が好きですねー」なんて言ったら、「……」という反応が返ってくる可能性大。ということで、フランス語圏ではトヨタMRと呼ばれるようになったという。

アウディ e-tron

 MR2同様、フランスではとんでもない意味になってしまうクルマがもう一台。e-tronはフランス語で「排せつ物・糞」を意味するのだ。正確には「etron」のeにはアクサンテギュというアクセント記号が付き、さらにハイフンなしの表記にはなるのだが、いずれにせよ、口にすると……。

 フランスで「etronに乗っています」なんて言ったら意味不明。まかり間違って「etronが好き」なんて言ってしまったら……。フランス語は鬼門か!?

三菱 スタリオン(STARION)

海外で「好き」と言うとちょいヤバい!? 赤面必至の珍車名
1984年のスタリオンGSR-V。搭載エンジンの名はシリウスDASH3×2。こちらの名称もギリシャ神話の猟犬の名前

 日本人が不得意な「L」と「R」の発音。しかし、明瞭に発音しないと恥をかくかも……な車名が「スタリオン(Starion)」。本来の名前の由来は「スタリオン」は“Star of Arion”(アリオンの星)を縮めたもの。ちなみに、アリオンとはギリシャ神話に登場する英雄ヘラクレスの愛馬の名前。

 しかし! RがLに聞こえてしまうと、「Stallion」と勘違いされる。この言葉は種馬、スラングだと「精力絶倫の男」といい意味。女性が「I like Stallion」なんて言ったと勘違いされたら……。超ヤバい!!

ダイハツ ネイキッド(NAKED)

 ズバリ「全裸」。ネイキッドという響きは日本では、エンジンがむき出しであるバイクのことをネイキッドと読んだり、会社名に使われたりしていることから、決してネガティブなイメージはないワードだが、海外では車名に「全裸」とつけてしまうのは奇異に感じる人が多いようだ。

 海外雑誌の評論では「この車名はドライバーのドレスコード(全裸で運転してね)を意味するのか?」なんて馬鹿にされちゃっている……。全裸運転推奨車なんてあるわけないだろっ!! ひどすぎる。

 本当は、「むき出しの素材感」がデザインコンセプトだからネイキッドだったのに……。

 いずれにせよ、「I like Naked」なんて言ったら、「私、全裸が好き」になっちゃうんでご注意を。

マツダ ラピュタ(LAPUTA)

海外で「好き」と言うとちょいヤバい!? 赤面必至の珍車名
1999年、スズキ KeiのOEM供給を受けてデビューした軽自動車クロスオーバーSUV、ラピュタ。2006年に生産終了となってしまった。ファンタジックなネーミングだが、スペインでは……

 ラピュタの名前の由来は、ガリバー旅行記に登場する空飛ぶ島。ジブリの映画「天空の城ラピュタ」もあることから、とってもファンタジーなイメージを持つ人も多いだろう。しかし、スペイン語圏では軽い気持ちで使うと大変なことになるかも……なワード。

 ラピュタとは、スペイン語では夜の女性、つまり売春婦を意味する言葉なのだ。正確な発音は「ラプタ」だが、綴りはまったく同じ。海外の自動車雑誌でもラピュタという車名はネイキッドと並んで、「なんでやねん!?」という突っ込みが入れられている車名だ。

 スペイン語圏の人の前では間違っても「ラピュタが好き」「ラピュタに乗ってました」なんて言っちゃダメダメ!!

スズキ ハスラー(HUSTLER)

 スズキからもう1台。国内販売絶好調のハスラーだ。しかし、英語圏の人にとってはこの車名、ちと難ありなのだ。

 ハスラーという言葉を海外、特にアメリカで言った場合、クルマではなく、100人に100人が過激なポルノ雑誌を思いい浮かべるはずだ。2021年に亡くなってしまったが、ハスラーの創刊者であるラリー・フリントは、雑誌をはじめとしたアダルト製品販売の大成功により財をなした人物。アーノルド・シュワルツェネッガーとカリフォルニア州知事選で戦ったり(シュワルツェネッガーが当選)、映画界の巨匠ミロス・フォアマン監督が彼を題材に「ラリー・フリント」という映画を作るほどの超有名人。

 男性が海外で「ハスラーが好き」と言ったら、過激なポルノ雑誌の愛読者と思われてしまう可能性大だ。

 他にもハスラーという言葉には「詐欺師」という意味があるなど、けっこうネガティブだったりする。

 ちなみに、映画の「ハスラー」からビリヤードプレイヤーという意味と思っている人も多いかもしれないが、海外では通じない。

三菱 パジェロ(PAJERO)

海外で「好き」と言うとちょいヤバい!? 赤面必至の珍車名
90年代のRVブームを牽引したパジェロ。1991年の第12回日本カー・オブ・ザ・イヤーでは特別賞を受賞するなどイケイケだったが、2021年7月に惜しまれつつ生産終了

 南米に生息する野生の猫が名前の由来であるパジェロ。しかし、スペイン語圏の男性にとっては最大のののしり言葉。さらには、ジェンダーフリーが叫ばれる昨今では決して口に出してはならない意味も持つ。ということで、ここでは具体的な日本語訳を紹介するのは控えることにする……。

 世界で3億人がスペイン語を話しているというほどスペイン語圏は巨大なため、世界のマーケットで成功を収めるうえでこのネーミングは致命的!! 正確な発音は「パヘロ」と、ちょっとパジェロと響きが異なるが、とはいえ、ボディにののしり言葉を堂々と表示するわけにはいかない……。そのため、スペイン語圏では狩人を意味する「モンテロ」に改名されて販売されることとなった。

 ちなみに、イギリスでの名前はショーグン。これは小説「SHOGUN」(将軍)に由来するという。

いすゞ ビッグホーン(BIGHORN)

 名前の由来はロッキー山脈の険しい道を軽やかに走る大角羊のはずが……。英語のスラングではHornは「男性器」を意味する。つまり、「Bighorn」は「大きい男性器」と言う意味となってしまう……。

 ということで、女性が「Bighornが好き」なんて英語圏で言ったら、赤面ものなのだ。

 とはいえ、ビッグホーンはパジェロよりはセーフ!! 雄々しく、そのままの名称で海外でも販売され、ネーミングは別として!? 高く評価された名車だ。

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