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Image:Twitter / Gadget Gate

イーロン・マスク氏は、Twitterを買収してからはじめて、全従業員を対象としたミーティングを実施した。そこでマスク氏は、Twitterの現状について「倒産もあり得ないことではない」ほどの損失を出していると述べている。

Twitterは創業以来、2019年にほんのわずかながら利益を出したことがあったが、それ以外は毎年赤字経営を続けている。そしてマスク氏が買収してからというもの、保険会社のAllianzや自動車メーカーのアウディを含む大手広告主が、マスク氏が言うところの「言論の自由」を重視したプラットフォームにするという方針に共感できず離れて行ったため、収入はさらに減少してしまった。The Informationなどが報じたところによると、マスク氏はミーティングの場で、現状では「2023年に数十億ドルのマイナスキャッシュフローを生み出す可能性がある」と従業員に伝えた。

広告主が逃げ出す原因を作っているのは誰だ、というツッコミが聞こえてきそうではあるものの、マスク氏はTwitterを買収した以上、このプラットフォームが利益を生み出せるようにしたいと考えていることは間違いない。そしてそれはサブスクリプションサービスの「Twitter Blue」にかかっているという考えが今回のミーティングでは語られた。

そのTwitter Blueでは、ここ数日で月額料金の引き上げ、認証バッジの審査無しでの提供、認証バッジとは異なる公式ラベルの提供開始と撤回など、めまぐるしく仕様変更や機能追加が行われた。ユーザーだけでなく、メディアですらそのすべてを追い切れないほどだ。マスク氏は「購読者を(一般的でなく)熱狂的な人々に向けたものにする理由は、Twitterを存続させるためだ」と述べている。

とはいえ、人員を大量に削減された混沌とした状況で、毎日サービスの何かを変更していれば、仕事にアラが出ることは避けられない。Twitter Blueはこれまで、アカウントの身元を審査し、影響力のあるブランドや機関、政治家や著名人と認定した人に青い認証バッジを提供してきた。それがある日突然、毎月8ドルを払ったら貰えるサブスク加入者証としての意味しか持たなくなってしまった。するとみるみるうちにNintendo of America、ドナルド・トランプ、Valve、レブロン・ジェームズのバッジを付けたフェイクアカウントが登場して話題になった。

また、すでに認証バッジを持っていた複数の著名人は、自分のアカウントをイーロン・マスク氏のものに偽装し、そのことを証明して見せていた。これに対してマスク氏は、パロディであることを明確にせずに偽装やそれに準ずる紛らわしいアカウントは警告無しで永久追放するとツイートした。Twitter買収前から認証バッジを月額制にして誰にでも提供すれば、フェイクアカウントは減ると述べてきたが、その主張は間違っていたことを半ば認めた格好だ。

さらに、暴力を煽動する発言をしたトランプ元大統領のアカウント永久追放に反対していたマスク氏だが、自身のなりすましアカウントは永久追放してもかまわないと考えているようだ。

現在、青い認証バッジはTwiter Blueに加入すれば誰でも貰えることに変わりはないが、従来の社会的地位ある人の証明としても使われるようになっている。そのままではそれを見分けることはできないが、アカウントのプロフィール項目にある認証バッジをタップすれば、単にTwitter Blue加入者であることを示す「認証済みアカウント」か、指定されたカテゴリーで注目されるアカウントだと証明されていることを示す「アカウント情報」であるかが表示されるようになっている。ただしこの分類も、現在の混乱したTwitterでは徹底されていない様子で、判定がブレているケースもあるようだ。

Twitterからはいまだ幹部クラスの人材の流出が続いており、最新の情報では信頼および安全性担当のヨエル・ロス氏、顧客ソリューション担当のロビン・ウィーラー氏が木曜日に会社を離れたことがBloombergによって報じられた。またこれまでは奨励していた従業員のリモートワークを基本的に禁止し「週に40時間出金しないのであれば辞表を提出することができる」と全社員会議で述べたとも伝えられている。