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詩人川村均とのつきあいははなはだ稀薄(きはく)だ。でありながらこれほど濃密なものもない。もう50年になるだろうか、まだ仏文科の学部生だったある日、建て直す前の日本橋丸善で洋書を探していると背の高い痩身の着流(きながし)姿の青年が声をかけてきて、同級生だが今は胸の病で休学しているのだ…