日野チームスガワラは日野自動車の支援を受けてダカールラリー(旧:パリ・ダカールラリー)への挑戦を長年続けている。
だが、ご存知のとおり今年3月に日野自動車が排ガス・燃費の型式認証の不正が発覚。支持母体が基盤から揺らぐ事態に発展し、ダカールラリー2023年大会への参加が危ぶまれていた。しかし11月9日、チームの公式facebookで参戦が表明された。
日野に対してはさまざまな意見はあろうが、真っ暗闇の中では正しい道筋は見えないままだ。今回の参戦表明がひと筋の光明になることを願ってやまない。
文/フルロード編集部 写真/フルロード編集部・日野自動車・多賀まりお
ダカールラリー2023参戦へ!!
公式facebookには、「ダカールラリー2023参戦のお知らせ」と題し、日野チームスガワラ代表菅原照仁より以下のコメントが投稿された。
「日野自動車の一連の不正問題に際し、皆様には多大なご迷惑をお掛けしております。我々の活動継続にあたっても厳しい状況となりましたが、多くの方々から励ましの言葉、ご支援、ご協力を頂戴し、次大会への参戦準備を整えるに至りました。
世界一過酷と云われるダカールラリーで培った“歩み続ける力“、“諦めない力“、“結束する力“で、新たな1ページを開いて参ります。日野チームスガワラの活躍に是非ご期待下さい!」
今年1月に開催された2022大会は、キャブオーバー型からボンネット型の競技車となり、アリソン製のトルコンATやキャパシタ+モーターのハイブリッドシステムを初投入するなど、大幅な変更を施して出場。
日野の不正問題により、今年の車両開発は厳しい年となり、次大会の競技車への影響どうなるのか? 2005年以来のプライベートチームとなるのか? いろいろ気になるところはあるが、連続完走記録もかかるダカールラリーへの参戦は、日野の復活を待ち望む人々に間違いなく勇気を与えることになるだろう。
日野自動車と菅原親子のこれまでの歩み
日野自動車は1991年に日本の商用車メーカーとして初めてパリ・ダカールラリーに参戦し、今年1月に開催された2022年大会で31回目の参加。過酷なクロスカントリーラリーであるが日野自動車としては31回連続完走記録も待つ。
日野チームスガワラは、日野自動車と現・チーム代表の菅原照仁の父・義正氏が創設したレーシング母体である「日本レーシングマネージメント(JRM)」との協業によって運営されている。
JRMが日野から車両などの支援を受けるカタチでプライベーター(チーム子連れ狼・チームスガワラ)として活動していた時期もあるが、2006年以降は日野のサポート体制が拡大、ワークスチーム名は日野チームスガワラに改められた。
前代表の義正氏はラリーの鉄人と呼ばれる存在で、さまざまなラリーレイドに参加。ダカールラリーでは1992年から2019年大会までドライバーとしてトラック部門での挑戦を続けた。
また日野以前にも二輪・四輪(三菱パジェロ)でパリダカに出場しており、自身としては36回の連続参戦を果たし、最後となった2019年大会時は大会最高齢となる77歳! 勇退後もバイクでラリーに参加するなど、まさに鉄人といえる。
いっぽう照仁氏はナビゲーターとして1999年から義正氏のトラックに乗り込み、2005年からは2号車のドライバーとしてデビュー(以降、菅原親子の1号車、2号車体制が義正氏の勇退まで継続)。現在は義正氏と交代するかたちでJRM・日野チームスガワラ代表兼ドライバーとして、挑戦を続けている。
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