21世紀に入ってから、情報インフラや機械工学などあらゆる分野の技術が成長を遂げていったが、実はロボットの分野も急速に進化を遂げている。
人間の生活や営みを助けるような、そんなロボットの開発が日夜進んでいるのだ。
今、「人を助けるロボット」と言われてもあまりピンとこないし、そもそも身近にあまりいないから他人事のように聞こえてしまうが、将来登場したら非常に面白そうなロボットの情報をキャッチした。
それが、今回紹介する謎のロボット「RHP Bex」である。
※本稿は2022年8月のものです
文/ベストカー編集部、写真提供/川崎重工業株式会社
初出:『ベストカー』2022年9月10日号
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■これはウマ? いやシカ? いえ、四脚歩行ロボだぞ!
少子高齢化社会で問題になるのは、介護の人手不足。
介護サービスを受けられない老人が増えるなか、老人がひとりで大きな荷物などをどうやって運搬するか? また、運搬以前に足腰が悪くなっている高齢者が移動したい時など、どうすればいいか?
そんな悩みを解決してくれそうなロボットを、川崎重工業が今、開発しているのだ。
そのロボットの名は『RHP Bex』(アールエッチピー・ベックス ※RHPの正式名称については後述を参照)。
下の写真を見てもらうとわかるとおり、四足歩行と四輪走行の両方ができるというのがBex最大の特徴だ。
この外観を見た時、『これ珍』担当は「このスタイルは馬がベースになっているのか?
それとも鹿か……?」と真剣に悩んでしまったのだが(バカじゃないですよ!?)、よく見ると鋭い角が生えているのが見えるため、鹿がモチーフとされているとみて間違いないだろう。
■100kg近い重さの荷物積載や、人を乗せての移動も
それでは、このRHP Bexはどのような働きをしてくれるのだろうか?
現在開発中のモデルであるため、具体的な数値やスペックは明かされていないが、2022年3月に東京ビッグサイトで開催された国際ロボット展2022ではBexのデモンストレーションが実施された。
四足歩行から四輪走行へトランスフォームするほか、背中に大きな荷物を載せて移動、さらに驚きなのは人を乗せて四足歩行で移動をしていた。速度はゆっくり目である。
■将来、ロボットが日本人の生活を支えるようになるかも?
このRHP Bexを見た時、「これが将来実用化されたら、原付に代わる新しい移動の足になるんじゃないかな? 凄い!」と感じた担当だった。
気になってさらに調べると、Bexだけじゃない、ほかにもさまざまなバリエーションのロボットを開発中だという。
現在、川崎重工業では四足歩行のRHP Bexのほかに、キュートな見た目が可愛らしい人共存型ヒューマノイドロボット「Friends(フレンズ)」も開発中だという。
こちらはBexとまた違い、高齢者が乗る車椅子を押すなど、介護現場で活躍することを狙って開発されているロボットとのことだ。
今、クルマでもASV、さらには自動運転など今まで人間がしてきたことを自動で補助してくれる機構が続々生み出されている。
モビリティやクルマに限らず、さらに身近な生活面においてもロボットがサポートしてくれるようになる日は近いかもしれない。
■Bexの兄貴分「Kaleido」にも注目!
RHPの正式名称は「Robust Humanoid Platform」だが、紹介したBexやFriends以外に、その兄貴分にあたるモデルが存在する。Kaleido(カレイド)と呼ばれるモデルである。
Kaleidoとは、川崎重工業が開発する人型ロボットであり、成人男性と同じくらいのサイズを誇る(身長180cm、重量は80kg)。また、Robust(屈強な)の名が示すとおり、現場での使用を何より考慮し、転倒しても故障しないといった堅牢さも兼ね備えている。
2015年に開発をスタート、2017年に初代誕生後、すでに7代目となったKaleido。最終的に目指すところは人型ロボットの社会実装であるといい、例えば建築現場での高所作業や危険作業もKaleidoが人間の代わりとなってできればという。
まだまだ進化と可能性が残されている人型ロボットのこれからに注目だ。
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