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 10月になり、全国旅行支援が始まり日本各地の観光地に再び観光客の姿を見ることができるようになった。宿泊料金の割引に加え地域クーポンで買い物も可能となるなど、筆者もどこか旅行へ行きたくなり、いざ広島に。もちろん広島県内を走る都市間高速バスに乗車してみた!!

文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
(c)2015佐藤順一・TYA/たまゆら~卒業写真~制作委員会


クーポン券を運賃に充当しておトクに!!

 高速バス乗車の出発地は広島市の中心にある広島バスセンターだ。ここからさまざまな方向へバスが出発していく。筆者は広島県沿岸部の中央にある竹原市を目的地に定め、バスセンターにやってきた。

 バス乗り場は、そごう広島店と直結した構造となっており1日約3,100台、約33,000人が利用する西日本でも有数の規模を誇るバスターミナルである。

 まずは窓口に向かい乗車券を購入する。ここから竹原駅までは1310円である。(2022年11月1日より運賃が変更となっている)

窓口でも車内でも運賃支払いにクーポンが使える!

 ここで利用したいのが、全国旅行支援のクーポンだ。運行会社の芸陽バスでは、竹原行きの「かぐや姫号」を含む高速バスや路線バスの運賃支払いにクーポン券を使うことが可能であり、今回はこれを運賃に充当することにした。1000円単位で利用することが可能なので、実質310円で乗車することができた。

いよいよ「かぐや姫号」に乗車だ!

 朝8時すぎ、少し冷え込みを感じるホームへやってきた。入ってきたバスが芸陽バス「かぐや姫」号だ。車体にはかぐや姫と竹のイラスト、そして広島、竹原の文字が描かれていて、この路線専用の車両であることが分かる。

芸陽バスのかぐや姫号

 行き先の表示は「竹原・忠海RABBIT ISLAND」とある。RABBIT ISLANDというのは忠海駅近くの港からフェリーで行ける島である大久野島のことだ。近年はうさぎの島として多くの観光客が訪れている。私を含めて十数人が乗車し出発した。

 広島バスセンターを出発したバスは広島駅などを経由して山陽道へと向かう。当日は週末ということもあり、広島駅でほぼ座席が全て埋まってしまうほどの乗車率であった。

 しばらく高速道路を走行し、竹原への玄関口になる河内インターで一般道へ入った。しばらくは山道が続くが、次第に開けてきて遠くに煙突が見えてきたら竹原市内はもうすぐだ。

いたるところに竹原周辺の特色が出ている

 竹原駅へはほぼ定刻で到着した。概ね半分くらいの降車があった。残りは大久野島方面へ向かったのであろう。かぐや姫号は広島バスセンターと竹原駅を過ぎて竹原港を結んでいるが、1日4往復ほどは忠海駅まで延長して走っている便もあり、うまく活用すれば1度の乗換えで広島駅まで戻ることも可能だ。

 竹原駅へはJR呉線を利用することもできるが、運賃は安いものの所要時間がバスよりもかかるので、ダイヤを見ながら使い分けたい。一方、かぐや姫号は朝の広島方面、夕方の竹原方面は充実しているように思えるが、竹原から広島へ戻るバスの最終が18時21分とやや早い。

 利用者数の実績からこのダイヤになっていると思うが、観光客にはもう1本あると竹原を滞在時間が延びるので便利になると思った。

なぜゆえに竹原なのか? たまゆら? 聖地巡礼?

 ちなみにこの竹原市は「安芸の小京都」とも呼ばれ、駅から少し歩いたところには重要伝統的建造物群保存地区に指定された「たけはら町並み保存地区」があり、江戸時代に製塩地として栄えた当時の姿を見ることができる。

複数の聖地が重なる竹原市

 2000年には「都市景観100選」に選定され、これまで何度も物語の舞台になっている。また近年ではドラマ「マッサン」、そしてアニメ「たまゆら」の存在が大きい。

 特にアニメ「たまゆら」は2010年発売のOVAからTVアニメーション、劇場公開と6年にわたり展開され、この間に竹原でイベントが多く開催され、多くのアニメファンが聖地巡礼として訪れた。

アニメの巡礼地としても有名だ

 竹原は乗車したかぐや姫号ともコラボレーションしており、2013年からキャラクターがラッピングされたバスが運行されており、現在も引き続き広島と竹原を走っている。竹原へ向かう時にこのラッピングバスに乗車できたればテンションも上がるのではないだろうか。

竹灯籠は幻想的

 さらには市内各所には、放送当時から変わらない看板を見ることができるし、色褪せてきたものを治しているものもあり、作品を大切にしている気持ちが伝わる。流れていく時間、変わる景色、その中でも変わらないもの…といろいろな発見があるので、それぞれの想いを胸にぜひ訪れてほしい場所だ。

心癒される乗りバス旅はおススメ!

 またこの日は「たけはら町並み保存地区」で「たけはら憧憬の路~町並み竹灯り~」が3年ぶりに開催された。カットした竹の中に灯りをともし、それを通りや広場に並べてあたたかい灯りを楽しむというものだ。筆者もこのイベントが好きで、毎回この時期には竹原を訪れている。

かぐや姫号のラッピング車

 まだ以前のような規模でないものもあったが、それでも久しぶりに竹灯りで作られた景色は何とも言えない暖かさ溢れる素敵な風景であった。今年の同イベントは終了してしまったが、毎年10月の最終土日に行われるので、機会があれば癒しを求めて来訪してみてはいかがだろうか。

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