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AMDでは2020年に発売したRyzen 5000シリーズから着実にコンシューマー向けCPUでのシェアを獲得していましたが、2021年にIntelが発売したAlder Lakeによって形勢が逆転、2023年第3期のCPUシェアではAMDはコンシューマー向けCPUのシェアを前年同期比より大きく落としているようです。

コンシューマー向けでシェアを伸ばすIntel、落とすAMD

調査会社のMercury Researchによる市場別のCPUシェアについてAMDのシェアが大きく落ちているとのことです。

AMDの各CPUシェア Q3/2022 Q2/2022 Q3/2021
デスクトップ向け 13.9% 20.5% 17%
ノートPC向け 15.7% 24.8% 22%
サーバー向け 17.5% 13.9% 10.2 %
合計(IoT、SoC含め) 28.5% 31.4% 32.4%

AMDのデスクトップ向けCPUにおいて前年同期比では3.1%、前四半期に対しては6.6%と大きな下落を記録しています。またノートPC向けCPUにおいては前年同期比では6.3%、前四半期に対しては9.1%とこちらも大きな下落幅を記録しています。

Intelでは2021年末からデスクトップ向けのAlder Lake-Sを発売し、2022年上半期からノートPC向けにもAlder Lake-Sの供給を開始しています。一方のAMDでは2021年末はRyzen 5000シリーズでの戦いを強いられていた点や、ノートPC向けではRyzen 6000シリーズを発売したものの価格帯が高い事から2021年Q3から2022Q3までの間にシェアを大きく落としたものと見られています。

苦戦するコンシューマー向けCPUですが、サーバー向けCPUでは絶好調となっています。シェアは前年同期比では7.3%、前四半期からは3.6%のシェア増加を記録しています。たった1年で大規模な投資がかかるサーバー向けCPUで7%近いシェアを獲得するのは驚異的ですが、AMDではZen4を搭載するEPYC Genoaを2022年11月から投入を開始する一方で、Intelでは2023年までSapphire Rapidsの投入が出来ず今後もAMDはサーバー向けCPUでシェアを伸ばしていくものと見られています。

 

AMDのRyzen 7000シリーズは予想以上に高い価格での発売だったことから2022Q4や2023Q1含めてAMDのデスクトップ向けCPUのシェアは落ちていくものと見られています。ただ、今後廉価なマザーボードやCPUなどが投入される事となれば状況は一気に変わる可能性もあるので期待したいところです。ノートPC向けCPUではRyzenはプレミアムブランドを目指すという方向性が過去に示されており、実際にRyzen 6000シリーズCPUを搭載するノートPCの多くは高価格帯製品となっているため、こちらもシェアが伸びるとは考えにくいです。

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AMDとしては利益が大きく出せるサーバー向けが堅調である事から、無理にコンシューマー向けでシェアを伸ばして薄利多売な売り方をする必要性が無く、収益が出しやすい高価格帯製品を狙って投入しているとも言えるのである意味今回のコンシューマー向けCPUのシェア下落は当然で、AMD自身もあまり気にしていないと言えそうです。

 

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