2022年11月10~13日の日程で開催された世界ラリー選手権(WRC)2022最終戦「フォーラムエイト・ラリージャパン」。12年ぶりの日本開催となった本大会は、初日からクラッシュや車両火災のためSSキャンセルなど波乱の展開となったものの、ファンや地元の盛り上げもあって無事終了。路面に紅葉が舞い落ち、最終日は雨も降る難コースとなったが、この混戦を制して優勝したのはティエリー・ヌービル選手(ヒョンデ)。地元での活躍を期待されていた勝田貴元選手(トヨタ)は3位に食い込み、表彰台に立った。
文/ベストカーWeb編集部、画像/Rally Japan、Instagram、ベストカー編集部
【画像ギャラリー】12年ぶりに帰ってきたWRC!! すべての関係者に感謝を!!! 名勝負をありがとう!!(最終リザルトと画像集)(29枚)画像ギャラリー■初日からクラッシュ多数、炎上も…
12年ぶりのWRC日本開催ということで、モータースポーツファンならずとも注目が集まったフォーラムエイト・ラリージャパン。豊田スタジアムにサービスパークが設置され、愛知・岐阜の両県6都市を巡る風光明媚なラリーは、今シーズン最終戦ということもあり(マニュファクチャラーズ、ドライバーズの両年間タイトルが本大会以前にトヨタで決まっているにもかかわらず)国際的にも大きな期待を寄せされていた。
大会は初日から和太鼓や鎧兜の合戦演武イベントなどが登場し、紅葉に彩られたステージは多くのラリーファンを魅了。サービスパークで「ドイツから来た」というラリーファンに話を聞くと、「日本は料理も美味しいし交通アクセスもいいし、ホスピタリティにあふれている。ぜひ毎年やってほしい」と、ほくほく顔でこたえてくれた(豊田スタジアムでは「うまいものフードパーク」も開催)。
いっぽうラリーのほうは、好天で迎えた序盤(最終日は雨)からトラブルが続出。冒頭で紹介したとおり、1日目から超ベテランドライバーの新井敏弘選手(シトロエン)がクラッシュ、ヒョンデのダニ・ソルド選手の車両が突如炎上するなど、波乱の展開となった。
ラリーの魔物は地元開催となるトヨタ勢にも襲い掛かった。WRC史上最年少年間王者を獲得したカッレ・ロバンペラ選手はクラッシュ、エルフィン・エバンス選手、セバスチャン・オジェ選手など優勝を狙えるドライバーたちも次々に順位を下げる中で、ヒョンデ勢が躍進。すばらしいドライブでSS19を走りきったテュエリー・ヌービル選手がラリージャパンを制した。
【フォーエムライト・ラリージャパンSS19終了時点リザルト】
1位/ティエリー・ヌービル(Hyundai i20 N Rally1 RC1)…2:43’52.3
2位/オット タナク(Hyundai i20 N Rally1 RC1)…2:45’03.4(タイム差1’11.1)
3位/勝田 貴元(Toyota GR Yaris Rally1 RC1)…2:46’03.6(タイム差1’00.2)
4位/セバスチャン・オジェ(Toyota GR Yaris Rally1 RC1)…2:46’15.9(タイム差12.3)
5位/エルフィン・エバンス(Toyota GR Yaris Rally1 RC1)…2:47’57.4(タイム差1’41.5)
(以下省略)
またチームメイトが苦戦するなかで、粘り強く走り続けた勝田貴元選手は3位表彰台を獲得。最終SSを走りきったところでポディウム(表彰台)確定となり、巨大モニターが設置されている豊田スタジアムでは会場のファンから拍手が巻き起こり、本記事を執筆するプレスルームでも記者たちから拍手が起こった。
「とてもうれしい。チームメイトたちは大変だったけど、すばらしいラリーだったし、手厚いサポートのおかげで最後まで走ることができた。チームのみんな、関係者の皆さん、応援してくれたファンの方々、全員に感謝を伝えたい。ありがとう。本当にありがとう」(SS19終了直後、WRC国際映像に語った勝田貴元選手のインタビュー(英語)を翻訳)
なお、『ベストカー』執筆陣であり全日本ラリー選手権にも出場する国沢光宏選手(ルノールーテシア)は、初日~2日目と好タイムを出し奮闘するも、3日目のSS11で右フロントをヒットし、ドライブシャフトなどの破損でリタイヤ。残念無念なレポートがもうすぐ届きます。ご期待あれ。
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