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「毎日1テーマずつ読めば、1か月後に所さんみたいな思考になれる! 」

「所ジョージの世田谷ベース」の最新号は記念すべき50号目。雑誌『Daytona』で6年以上連載を続けてきた「トコロ辞典」の膨大なアーカイブを再編集し、一冊にまとめた完全保存版です。ひとつのテーマは約5分で読み切れるので、毎日1 テーマずつ読み進んでいけば、おおよそ1か月で完全読破。翌月には、所さんみたいな思考回路に近づいてしまい、楽しくてしょうがない毎日がやってきてしまうというコンセプトで制作、ここではその一部をチラ見してみましょう。

やり‐なお‐す【やり直す】
しなおす。改めてする。改めてして正しくする。広辞苑参照
トコロ辞典的「 やり直す」の解釈
できるまで何度もやり直し、途中で諦めないという姿勢で物事に接することによって、上手く行く確率は格段に上がる。「自分には向いていない」と早々に判断しない。世の中的に正解とされているようなモノをゴールに設定せず、自分なりの完成に満足しよう。

向いていない事なんて無い
編集部:ラジコンの上に乗っているフィギュア、これ本当に人形が運転しているように見えますね! ラジコンが走るとその動きに連動するように、フィギュアがステアリング切ったり、首を左右に動かしたり……。凄いクオリティ! これは普通の人はできませんよね。

所:世間の方も「え? 所さんてこんな事できるのって?」思うだろうけど、作った本人はもっと驚いてるからね(笑) でもね、ワタシにとってできない物って無いんだよね。すべてうまくいくの。なぜなら、できるまで何度でもやり直すから。とにかく、途中でやめない。よく「私には向いてない」って、趣味でもスポーツでも途中で辞めちゃう人っているでしょ。でも、向いてないって自分でジャッジするものではないんじゃない? って思うね。傍から見てて、他人がそう思うのは勝手なんだけどね。

編集部:確かに、自分で向いてないって決めつけちゃいがちですね。

所:それは、これまでの経験が邪魔してるんだよ。子供の時の徒競走とかさ、1位になりたいって、他人と比べるのが当たり前になってるでしょ。他人と比べてどうか? っていう目標かかげちゃうから、挫折するんだよ。スポーツって他人と競争するもんでしょ? って言う人もいるけどさ、じゃあ例えばプロ野球の4番バッターって、打率3割くらいで、つまり7割は失敗するってことでしょ。

試合で、打てなかったら7割のうちの一個だって考えて、明日打とう! ってやってるよ。あいつと比べて打率が良くないとかメソメソ考えない。だから、4番打者で居られるんだよ。つまり、何をやるにしても自分の100%のうち何%できてるか? って事が大事なのであって、他人と比較した物差しなんて関係ない。だから、このフィギュアが動くラジコンだって、最初から設計図があって、部品があってじゃ、誰だってできるからツマラナイ。

ワタシの頭の中だけに、ぼんやりした完成予想図があって、それにどこまで近づけるか、何回も何回もやりなおして、ようやくできたなぁってのが、1号機だね。で、1号機が完成したタイミングで、もっとやり方を変えれば上手に動かせたなぁとかイメージができあがってるから、すぐさま2号機作り始めて。またしてもやり直しの連続の末に完成! でも、自分ではまだまだ、こんなもんじゃないぞ! 次を見てろよ! って思いながら、3号機の製作に着手すると(笑)

【写真8枚】一家に一冊!? 思わずうなづく、所さんの「名言」たち。 

葛藤は排除する方向で!
所:とかなんとか言いつつ、ワタシの中にもこんな事やりたくないのよって思う自分もいるわけでね。仕事終わって帰ってきたら、寝転んでビールでも飲んで、大谷選手のホームランを見たいなぁとかさ(笑) でも、「それで良いんですか?」って問いかける自分もいるのよ。すると「皆さんがTV を見てのんびりしている間を利用して、抜きん出るよー」となっちゃうんだよね。だから、もう何でもやる。風呂も掃除するし、お茶碗も並べるし、文旦の皮も剝く。

例えば、果物の皮むきなんかも、毎日やってるとだんだん上達するから、短時間で果物の皮がいっぱい出る。皮を剥き始めた頃よりも気持ちに余裕があるからこれでなんかできないかなぁと考えるようになったりして、皮を砂糖漬けにしたりなんかしてね。すると、家族から「あの人はミカンの皮の砂糖漬けまでやるねえ」と評価が上がったりするから、抜きん出て幸せになるのだよ。だから、面倒くさいとかやりたくないとかの心の葛藤は排除! 日々、葛藤排除の精神でやってます(笑)

できるまでやり続けるには?
所:ラジコンに乗ったフィギュアがプロポ操作で動くように作った1号機と2号機がこのテーブルの上にあるけどさ、こうして比較してみると2号機なんかすごい進化してるじゃない。関節の具合とか、アクセル踏む足の角度とかさ。完成するまでに、試行錯誤でいろいろ試して作っているんですけどね、その中で「ちょっとしか動かないけど、まあこれで良いか」っていうのとか、「大変だったんだからこれでいいじゃん」っていうアプローチは無しなんですよね。

「やり直し=できるまでやる」だからさ、自分のイメージが具現化するまで、自分が納得するまではやる。ってことの繰り返しなんだよね。その結果完成した物を見た誰かが、それどうやったの? なんて興味を持ってくれた時に初めて「大変だったんだよ~」って面白い話として伝えられる。

編集部:聞いてもいないのに「大変だった」って言う人いますね。

所:あと、夢のような成功を狙うんじゃなくて、ほどほどの成功に満足するっていうのも大事なんですよ。最近はネットで何でも簡単に情報が手に入っちゃうでしょ? 色々調べたりするのは便利な世の中になったけど、こうでなくてはいけないって言う世の中的な正解みたいなモノも一緒に目に入ってきちゃう。そうすると、一歩目すら踏み出してないにも関わらず、コレは自分には無理だなって諦めるきっかけにもなっちゃう。

そうじゃなくてさ、まだ始めたばっかりの人なりの満足っていうのを大切にした方がいいよね。そうじゃないと、楽しくないし、その道で世界一を狙っているわけじゃないんだからさ。ちなみにね、2号機のラジコンは、下のガレージに何年も放っておいたやつがベースになってるんだけど、そもそもラジコン本体が動くかどうか分からなかったのよ。なのに、人形作り始めちゃうっていうのも面白かったな(笑)

大丈夫かな~動くのかなぁと心配な気持ちもありつつ、ワタシなら最悪何とかするだろう! って、つまり、見切り発車しちゃうっていうのも面白いんだよ。あと、せっかく作ったんだからって大事にしちゃいがちでしょ? そこは、ガンガン使っちゃわないとダメよ。2号機なんて、走らせてたら大クラッシュだもん。

運転手のフィギュアなんか、接着剤で何度も首を止めなおしてるから、最初よりも首が太くなってるからね。「この人は、今、首が痛いんです」とか言って。それはそれで楽しもうっていうね(笑) で、今は3号機の製作に着手してますからね。次は、1号機と2号機で培った技術と、作ってる間にできたイメージをカタチにします。なるべく少ないサーボで、多くの動きを制御しようっていうね。やればやるほどに、機構がシンプルになっていくって言う技術革新。スゴいのが完成しちゃいますよ。

タイトル:所ジョージの世田谷ベース vol.50
定価:1,020円
本誌購入は以下より
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