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 いすゞ自動車は、大型トラック「ギガ」を改良し、2022年10月4日より全国一斉に販売を開始した。

 ギガ2022年モデルは、6UZ1型エンジンの改良などにより燃費性能を向上し、主力車型で2025年度重量車燃費基準+5%を達成。先進安全装備の拡充や、AMT制御の改良、高機能シートの改良などで安全性や快適性を向上するとともに、軽量化や軽量車型の新規設定などを実施し、商品力を大幅にアップしているのが特徴。

 また、商用車テレマティクス「MIMAMORI」も全面刷新し、労務管理機能や動態管理機能がさらに強化されており注目だ。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部 写真/いすゞ自動車


2025年度燃費基準に適合

いすゞギガ2022年モデル

 自動車の省エネルギー化と地球温暖化対策のさらなる推進のため、2025年度を目標年度とする重量車(GVW3.5トン超のトラック/バス等)の新たな燃費基準が策定されている。

 いすゞは、2025年度燃費基準適合に向けて、早期に車両開発に着手。ギガについては、6UZ1型エンジンの改良や、転がり抵抗の低いタイヤの新規設定により、主力販売車型で燃費基準+5%を達成した。

 また、メーカー完成車「Gカーゴ」の全車で、リア門溝の形状を見直し、角度をつけることで空力を向上。さらに、スポイラー形状のリアフラップとサイドスカートの追加により、空力性能を一段と高めた日本トレクス製「省エネパッケージ」も新規設定した。

先進安全装備がさらにパワーアップ

 AMT「スムーサーGx」搭載車のLKA(レーンキープアシスト)作動条件を自車速0km/h〜に拡大し、高速道路の渋滞時等の幅広いシーンで、車線内を維持した走行が可能となった。

 また、EDSS(ドライバー異常時対応システム)には、LKAの制御を活用し、直線やカーブ走行時に車線内を維持した状態で車両を緊急停止する機能が新たにオプション設定された。なお、ギガは2021年に国内トラックで初めてEDSSを採用している。

 このほか、「最高速度」「車両進入禁止」「追い越し禁止」「一時停止」の交通標識をカメラで認識し、メーターディスプレイに表示する標識認識機能を全車標準設定。標識連動型スピードリミッターもオプション設定された。

さらに進化した高機能シート

いすゞギガ2022年モデルの運転席

 ドライビングポジションの調整幅を拡大し、さまざまなドライバーに最適なポジションを確保する新高機能シートを一部車型に標準設定。また、ショルダー調整、シートヒーター、ベンチレーション等の機能に加え、サスペンションロック機能も新搭載された。

 また、リモコンキーをポケットなどに入れたまま、ドアのボタンを押すだけで施錠/解錠が可能なキーレスライドを新規設定。スターターもキーレス化され、スイッチを回すだけでエンジン始動が可能となった。

 AMT「スムーサーGx」はクラッチ制御システムを一新し、クリープ機能を追加。細かな車速コントロールが要求されるプラットホーム付けや、段差乗り上げ等の微速走行が可能となった。また、イージードライブのニーズに応えて、ダンプやミキサーにもスムーサーGxを組み合わせた車型を新規設定した。

MIMAMORIもリニューアル

 商用車テレマティクス「MIMAMORI」サービスを全面刷新し、今回改良した大型トラック「ギガ」にて提供を開始。MIMAMORIは、10月4日より運用を開始する商用車情報基盤「GATEX」を利用して提供するサービスとなる。

 MIMAMORIは、データ通信とインターネットを活用し、遠隔で車両の運行情報(燃費、CO2/NOx/PM排出量、車両現在位置情報、ドライバーの運転操作情報など)を収集、解析するクラウド型の運行管理システム。

 デジタルトランスフォーメーション(DX)やカーボンニュートラルなどの社会課題解決に向け、運行指示書と連携した「商用車ナビゲーション」や「動画ドライブレコーダー」などの新たな機能を追加するとともに、2024年問題に向け労務管理機能や動態管理機能のさらなる強化を図った。

 なお、MIMAMORIサービスの利用には別途有償契約が必要。 

軽量化で積載量アップ

 エンジン/トランスミッション等のシャシー構成部品、およびGカーゴのボディ各部構造の見直しなどで車両の軽量化を実現。最大積載量を従来比200〜300kg向上した。

 また、極東開発工業製の完成車ダンプには、強度と軽量化を両立する耐摩耗鋼板「HARDOX」と軽量ホイストを採用し、最大積載量を従来比600kg向上した「高積載仕様車」を新規設定。

 このほか、ベッドレスのショートキャブ車に、フルエアサスペンションを組み合わせたモデルを新規設定した。

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