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 「今の時代、おっさんはどんなクルマに乗るべきか?」

 いやもちろん、どんなクルマに乗ったっていいのだが、アナタ(おっさん)が仮にクルマ好きなら、周囲のクルマ好きからどう見られるかを意識するはずだ。そして少なくとも、「シブイなぁ!」とか、「わかってるね~」と思われたい、と願うのではないだろうか? そういう選択を、ワタクシ清水草一が独断で展開いたします!

文/清水草一
写真/トヨタ、フェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェジャパン、アストンマーティン、ジャガーランドローバージャパン、ホンダ、三菱、ロールスロイス、フォッケウルフ

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■ゴージャスなスーパーSUVとよく似たカタチ!?

 フェラーリのSUV、プロサングエが発表された。日本での発売はまだ先だが、6.5LのV12を積み、本国価格39万ユーロ。つまり約5700万円! フェラーリ本社はプロサングエをSUVとは呼ばず、「まったく新しいスポーツカーである」と主張している。つまりフェラーリのフラッグシップ。SUVがフェラーリの頂点に君臨したのだ!

 ということは、もはやセダンに代わってSUVが、「自動車の最高級カテゴリー」と言っていいのではないか? おっさんはゴージャスなスーパーSUVに乗ってブイブイ言わせろ!

 と言っても、プロサングエを始めとするスーパーSUVは、非常にお値段がお高いうえに生産台数も少なく、おいそれとは乗れない。本物のスーパーSUVに乗れればそれに越したことはないのだが、諸事情により乗れない場合は、次善の策として、それらに似たカタチの国産SUVに乗ってブイブイ言わせるというテがある。

 今回は、おっさんが乗るべきスーパーSUVと、その代替国産車を提案するので、熟読するように。

●フェラーリ プロサングエ

フェラーリとしては「SUV」とはアナウンスしていないが、カタチはSUVだ。ドアは観音開き!

 プロサングエは、世界の頂点に君臨するスーパーSUVである。フェラーリが「これはスポーツカーだ」と主張するように、全高はSUVとしては非常に低く、その分重心も低い。725psのV12パワーは、4WDで路面に伝えられる。これに乗ればおっさんは無敵である。

 が、プロサングエに乗れなくても、すばらしい代役がいる。トヨタ 新型クラウンだ。クラウンスポーツのルックスはプロサングエそっくり! プロサングエの縮小版と言っても差し支えない。パワートレインは未定だが、とりかえずカッコは完全にプロサングエなので、「和製プロサングエ」を名乗っても、文句をつける者はおるまい。おっさんはクラウンスポーツで世界に君臨せよ!

→代役/トヨタ クラウン スポーツ

4つのボディタイプのなかで最もスポーティな雰囲気の「スポーツ」。ハッチバックの車高を高くした感じ

●ランボルギーニ ウルス

2018年に日本でも発売されたウルスはスーパーカー然とした迫力のスタイリングを持つ

 ウルスは、ランボルギーニ販売台数の6割以上を占める稼ぎ頭だ。その走りは、まさにスーパーSUV。加速が物凄いだけでなく、SUVとは到底思えない想像を絶するコーナリング性能を持っている。さすがランボルギーニ。見た目もすさまじい迫力だ。ロボット宇宙人とでも申しましょうか? 完全にダークなSFの世界である。ウルスに乗れば、どんなおっさんでも、コワモテのセレブ扱いは間違いない!

 ウルスが無理な場合は、トヨタ C-HRがある。こちらもSFチックなSUVで、後ろ姿はウルスそっくり。実際、ウルスの発表直後は、「C-HRに似てる!」という声があちこちから聞かれた。トヨタの先見の明恐るべし。細かく言うと、前期型の顔のほうがウルス感が強いので、中古狙いが吉である。

 もちろん、C-HRに乗っても、誰もウスルと間違ってはくれないが、心の中で「これはウルスだ!」と思うのは自由。おっさんはC-HRでSUVの頂点を目指せ!

→代役/トヨタ C-HR

発売されるや否やヒットモデルとなったC-HR。ハイブリッドシステムと「TNGA」プラットフォームで燃費と走りのよさを両立している

■トヨタのSUVはもちろんホンダのミニバンでもイケる!

●ポルシェ カイエン

輸入車におけるスポーツSUVの先駆として初代モデルが2002年に誕生。3代目となる現行型も大人気モデルだ

 カイエンについては、いまさら説明の必要はないだろう。ポルシェ製SUVのデカい方だ。ウルスとは兄弟に当たる。これに乗れば、ほぼ無敵のおっさんだ。

 が、カイエンが難しい場合は、いい代役がいる。トヨタのヤリスクロスだ。「どこが!?」と思うかもしれないが、ヘッドライトの形状を見てくれ。どっちもツリ目でかなり似てないか!? サイズはまるで違うが、スポーティなフォルムも、すご~く離れて見れば、カイエンに似ていなくもない。おっさんはヤリスクロスでポルシェ乗りを気取れ!

→代役/トヨタ ヤリスクロス

トヨタの基幹コンパクトカー「ヤリス」のSUV版として2020年にデビューした

●アストンマーティン DBX

アストンマーティン初のSUVとして2020年に誕生。アストンらしいフロントデザインを継承している

 DBXは世界一エレガントなSUV。さすがアストンマーティンだ。その優美な曲線は全人類を魅了する。DBXに乗れば、おっさんはもれなくジェームズ・ボンドになれる!

 が、DBXが高すぎて買えない場合は、ハリアーがオススメだ。またしてもトヨタ。偶然だろうか? 「ハリアーのどこがDBXじゃ!」と思うかもしれないが、よく見てほしい。まず顔。形状としては似てないが、エレガントに波打つ曲線に、どことなく共通点はないか? リアもまたしかり。決定的なのはサイドビューだ。ビックリするほどそっくりじゃないか!

 これを見れば、ハリアーがバカ売れして受注停止になるのも納得だ。なにしろハリアーは和製アストンマーティンDBX。それが299万円から買えるのだから! おっさんはハリアーでジェームズ・ボンドを目指せ!

→代役/トヨタ ハリアー

シティSUVの老舗的存在ともいえるラグジュアリーモデル。2022年9月にはPHEV仕様も追加された

●ランドローバー 新型レンジローバー

5代目モデルとなったランドローバーブランドのフラッグシップモデル。ボディはさらに拡大された

 新型レンジローバーのデザインの美しさには息を呑んだ。シンプルの極致にして美の極致。これ以上美しいSUVはこの世に存在すまい。さすが砂漠のロールスロイスである。

 が、レンジローバーの代役が務まる国産車が存在する。ホンダの新型ステップワゴンである。「SUVじゃないやんけ」と思うかもしれないが、なぜジャンルにこだわる? 美しければカテゴリーなど関係ない!

 レンジローバーとステップワゴンが似ていることに関しては、議論の余地すらない。シンプルなフロントフェイスもシンプルなパネル面もウリふたつだ。ステップワゴンは間違いなく和製レンジローバーなのである。おっさんはステップワゴンを砂漠のロールスロイスと思え!

→代役/ホンダ ステップワゴン

ミニバンとしての使い勝手の良さを追求する一方で、デザインは初代、2代目モデルのようなシンプル方向にシフトした

■世界2大ブランドカーに匹敵する(!?)国産SUVは?

 いよいよ佳境に入ってきた。ここからは世界の2大高級SUVが登場する。

●ベントレー ベンテイガ

プレミアムブランドのなかでは比較的早く、2016年に日本導入が発表されたベンテイガ。巨大なグリルが圧倒的迫力を感じさせる

 ベンテイガのデザインは実に独特。フォーマルかつスポーティなセダンの車高を持ち上げただけ……みたいな形で、かなり四角っぽい。真四角なSUVというとGクラスやジムニーだが、それとはまったく違う「シカクマル」なフォルムが特徴だ。なんとも浮世離れした超高級感だぜ!

 この代役が務まる国産車はあるのか? ある! 三菱アウトランダーPHEVだ! 正直、顔は全然似てないが、なんとなく四角っぽい形状がちょっと近くないですか? まぁ、無理にベンテイガだと思う必要もないくらい、アウトランダーPHEVは走りもルックスも魅力的。おっさんはアウトランダーPHEVで驀進せよ!

→代役/三菱 アウトランダーPHEV

アウトランダーとしては3代目となる現行型。7人乗りもラインナップされている

●ロールスロイス カリナン

他のSUVとは異なり、「オフロード感」を感じさせないスタイリングで2018年に日本へ導入されたカリナン

 SUV界のラスボスである。そのデザインは、ロールスロイス・ファントムのトランク部分をブッタ切ってただ持ち上げただだけみたいで、ものすごく違和感満点だが、それが凄まじいセレブ感を醸し出している。

 さすがにこの代役が務まる国産車はあるまい……と思うだろうが、甘い! 国産車をナメてもらっちゃ困る! このヘンテコリンな形のカリナンのように、ヘンテコリンな形の国産車がかつて存在したのだ。その名は、ビスタアルデオ!

 写真を見れば、説明の必要はないだろう。ビスタアルデオなら、中古車が50万円前後で買える。ただし中古車情報サイトでの現在の流通台数はわずか2台。急げ! おっさんは急いでビスタアルデオをゲットして、ロールスロイス・カリナンを気取れ!

→代役/トヨタ ビスタアルデオ

5代に渡って販売されたビスタのうち、最終型である5代目モデルにラインナップされたワゴンモデル
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