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Samsung Galaxy Z Fold 4は、競合他社をはるかに凌駕する技術進化の結集

良い点 悪い点 評価
美しい折りたたみディスプレイ かさばるフォームファクタ 10/10
素晴らしい性能と生産性 片手操作に最適化されていないUX 価格: 1799ドル〜
優れたカメラシステム  
改善されたバッテリー持ち

新登場の「Galaxy Z Fold 4」は、Samsung Galaxyシリーズの中で最も先進的で最も高価なスマートフォンであり、全ての折りたたみ式スマートフォンのハードルを引き上げています。第4世代となる同機種で、Samsungは、過去のGalaxy Z Foldシリーズでの経験と競争環境に関する十分な知識を用いてテスト・分析された、一連の漸進的ではあるが重要なアップデートを行っています。

:今回レビューに使用したのは、AT&Tが販売するGalaxy Z Fold 4(モデル名:SM−F936U)で、ストレージは256GBとなります。AT&Tでの販売価格は1799.99ドル(または月額50ドル)となっています。レビュー機はブラックモデルでしたが、同キャリアではベージュと、3つの中で最も美しいかもしれないグレーグリーンも扱っています。

今回使用しているAT&Tのモデルは、5G通信のミリ波とSub6のどちらもサポートしているので、ミリ波が使用可能な場合には非常に高速なダウンロード速度で、世界中を旅する人にとって嬉しいことにローミングの互換性は非常に高いでしょう。ただ、選択したキャリアがミリ波の通信に対応していない可能性もあるので、事前に調べた方が良さそうです。

また、Call ProtectやAT&T Cloudといった、AT&T独自のセキュリティアプリがプリインストールされています。それ以外の点では、Galaxy Z Fold 4の他のモデルと同様の使用感となっているはずです。

 

デザイン


Z Foldシリーズのデザインは、市場で最も複雑なスマートフォン設計の1つで、客観的に見ても競合他社より数年先を行っています。Galaxy Z Fold 4のデザインは、カバーディスプレイ、カメラ、耐久性という重要な領域で進化を遂げ、市場に新しい基準を設定しています。

カバーディスプレイが3mm広がったことは、非常に重要です。何故なら、メインスマートフォンとして、折りたたみのメインディスプレイよりもカバーディスプレイの方が頻繁に使用する可能性が高いからです。それによって、標準的なものより横幅は狭いものの、一般的なスマートフォンと同じ様に使用することが可能になります。Samsungは、このディスプレイの画面比率も微妙に調整しており、Z Fold 4がZ Fold 3ほど縦に長く無くなったことも良い点です。

この3mm大型化は、より最適化されたヒンジ設計のおかげで実現出来ました。新設計のヒンジがそれほど飛び出していないことで、カバーディスプレイ左側のベゼルを削減出来たことが理由の1つです。

Z Fold 3(画像左)とZ Fold 4(画像右)

カメラシステムがGalaxy S22/S22+レベルの性能に改良されたことで、背面のカメラバンプが少し高くなりました。これは、最も予想されていた変更の1つで、凸部分が大きくなるのも仕方ありません。

机等の平らな場所で使用した際にスマートフォンが少しグラつくとびっくりする人もいますが、特に高性能カメラのトレードオフとして納得する人が多いでしょう。ある程度のカメラバンプが無ければ、薄い筐体に高性能なカメラを詰め込むことは物理的に不可能だからです。

Galaxy Z Fold 4はIPX8レベルの防水に対応しており(防塵には非対応)、防水対応の折りたたみ式デバイスを製造するのは未だにSamsungだけです。また、折りたたみ式スマートフォン市場の88%のシェアを誇り、先駆者としての優位性を上手く活用しています。

その他の点では、製品デザインはマイナーチェンジに留まっており、S22 Ultraと同様に耐久性がさらに高いカバーガラス(Gorilla Glass Victus+)や、折りたたみディスプレイ内に埋め込まれほとんど見えないセルフィーカメラ等の変更点があります。

本体の剛性は、非常に高くなっています。閉じた状態では、強い力がかかっても曲がったりズレたりすることはありません。メインディスプレイは、硬い面への落下からもきちんと保護されますが、カバーディスプレイは従来のスマートフォンと同様であり、ヒビが入る可能性があるという点には注意が必要です。

本体右側面に搭載された電源ボタンは、指紋認証機能も備えています。どちらの画面を使用している時にも使用出来るよう、合理的な設計となっています。様々な握り方にも対応出来るように、複数の指紋を登録しておくのが良策です。

オーディオ性能も素晴らしく、公称値は別として、これまでにテストした多くのラップトップよりも優れています。サウンドはパワフルで明瞭なので、コンピューターで作業をしながら、スマートフォンでテレビ番組やニュースを視聴するという使い方にも最適です。

 

折りたたみ性


折りたたみ設計は、従来のスマートフォンやタブレットとは根本的に異なる操作性を特徴としています。全体的には、昨年のZ Fold 3と非常に似ていますが、興味を持ったばかりの人にとっては見逃せないポイントを紹介します。

まずはじめに、7.6インチの有機ELディスプレイは、一般的なコンテンツを閲覧する際に非常に優れた視聴体験をもたらします。文章やウェブサイト、ゲーム、動画、画像はとても綺麗に表示され、人々が喜んでその高い金額を支払う1番の理由です。

フレックスモード(90度前後に開いた状態)で使用すれば、本体を平面に自然な状態で置くことが出来るので、動画を視聴したり、ビデオ通話に参加したり、セルフィーを撮影するのにピッタリです。非常に便利で、スタンドや三脚を内蔵しているようなものです

大きなディスプレイは、独自のポケットサイズで、最高のタブレット体験を実現しています。Galaxy Z Foldシリーズの競合製品は出始めたばかりで、その性能や重量を本体サイズと比較した場合、ベストな7.6インチタブレットであることは間違いありません。

“世界で1番生産性が高いスマートフォン”

Z Fold 4は、”世界で1番生産性が高いスマートフォン”の称号を守り続けています。Samsungは画面分割した状態での操作性も改良し、複数のアプリを同時に開くことがさらに簡単になりました。縦に2つのアプリを並べた状態が最適だと思いますが、Samsungは最大で4つのアプリと1つのフローティングアプリをサポートしています。

画面には十分なスペースがあるので、Samasungの最新OS「One UI 4.1.1」にはAndroid 12Lで追加された画面底部のタスクバー機能も導入されています。これによって、ホーム画面に戻らなくても、最近使用したアプリやお気に入りのアプリにアクセスすることが出来るようになります。

Sペンにも対応しており、ノートをとったり、スケッチを書いたり、落書きをしたりすることが好きな人にとっては、全ての体験が次のレベルに引き上げられます。Sペンはプレゼンテーションや写真撮影時のリモコンにもなり、競合他社を大きく引き離しています。

Sペンで書き込む際に画面中央のシワが気になる場合もありますので、ご自身で実機を確認する必要があるでしょう。ただ、驚くべきはスタイラスペンに対応したことであり、SamsungがSペンを本体に収納出来るようにしてくれれば、もう言うことはありません。

 

ディスプレイ性能


技術的に、どちらのディスプレイも信じられないほどの画質と快適さを備えており、最適な電力消費のためにリフレッシュレートが1Hzから120Hzまで自動で変動します。必要な時には、より滑らかなスクロールやゲームプレイが可能で、不要な時には電力を節約出来ます。

主な数値:940ニト(手動設定で計測)、1200ニト(自動モードでのピーク輝度の公称値)、dE2000は1.0(自動モード、非常に色精度が高いことを意味する)

Samsungは、画面の縦横比に関して微妙な変更を加えました。それによってデバイスのバランスが改善されたことは素晴らしいですが、Z Fold 3と比べて使い方や操作性に変化があったというわけではありません。

”信じられないほどの画質と快適さ”

メインディスプレイの画面内部に搭載された4MPのセルフィーカメラは良く収まっており、ほとんど見えません。Samsungのエンジニアはカメラ上部のピクセル密度を2倍にしており、それを目視するためには目を細める必要があるかもしれません。とは言え、入射光の一部を防ぐために、画質がわずかに低下するようです。

搭載されているSamsung製の有機ELディスプレイの性能は、人間の目で知覚出来る範囲を超えており、現在の技術で生み出すことが出来る最高のものとなっているため、全ての技術仕様を挙げる必要は無いでしょう。

 

カメラ性能


Galaxy Z Fold 4のカメラ性能は、Galaxy S22及びS22+に匹敵し、市場でも最高なものの1つに入ります。リアカメラは3眼構成となっています。

  • メインカメラ: 23mm/50MP/f値 1.8/OIS
  • ウルトラワイドカメラ: 15mm/13MP/f値 2.2
  • 3倍光学ズームカメラ: 62mm/10MP/f値 2.4/OIS

また、セルフィーカメラも2つ搭載されています。

  • カバーディスプレイ側: 25mm/10MP/f値 2.2
  • メインディスプレイ側: 30mm/4MP/f値 1.8

UbergizmoのCAMERA HWでは、Galaxy Z Fold 4のスコアが155という結果で、Galaxy S22+(スコア 154)と同じレベルにランク付けされます。様々なレビューで、S22+はハイエンドスマートフォンの中でも別格の性能だと評価されているので、これは素晴らしい結果と言えます。

Z Fold 4に搭載されたメインセンサーは新しいGN3というもので、最大26%大型化している点は重要ですが、センサーピクセルはZ Fold 3よりも小さくなっています。ピクセルが小さくなることで、光を取り込む効率も低下する点には注意が必要です。さらに、私達の推定では、大きくなったセンサーに到達する光は17%増えるので、センサーのサイズだけで示唆されているほど劇的な増加ではないかもしれませんが、それでも前向きな変化です。

“UbergizmoのCAMERA HWスコアは155!”

SamsungのGN3センサーはより柔軟で、様々な撮影条件に適応出来ます。さらに重要なことに、Samsungのエンジニアは、そこから全ての品質を引き出しました。例えばSamsungは、光量が十分な場合に「Autoモード」でフル解像度の50MPで撮影可能な、数少ないメーカーの1つです。

新しい3倍光学ズームカメラも、従来機の52mmから62mmにレンズが改良されています。違いはわずかですが、評価に値します。参考までに、S22 Ultraに搭載されている10倍光学ロングズームのレンズは230mmとなっています。

セルフィーを撮影する時は片手で操作するので、カバーディスプレイ側のセルフィーカメラが改良されているのも理に適っています。4MPのセルフィーカメラはビデオ通話に最適で、主に通信環境によって制限されるため、4MPで十分です。

 

システム性能


Snapdragon 8+ Gen 1」のおかげで、Galaxy Z Fold 4の処理性能は申し分の無いものとなっており、卓越したCPU速度を備えています。搭載されているようなディスプレイでは、グラフィックス性能がさらに重要となります。私達が行ったテストでは、最大82%も高速化されており、Galaxy S22 Ultraと同等でした。

3DMarkのWild Llife Extremeのような高負荷ベンチマークでも、このスマートフォンは素晴らしい冷却性能を見せており、素晴らしいゲーミングスマートフォンにもなることがわかりました。これは、生産性とマルチメディアで頂点を目指すというSamsungの目標に合致しており、2022年で最も性能の高いAndroidということをユーザーは確信することが出来ます。

 

バッテリー持ち



4400mAhのバッテリー容量は昨年のZ Fold 3と全く同じですが、それは2%の小型化も果たした本体サイズによって制限されているので、当然のことです。とは言え、バッテリーはより長持ちになっており、使い方によりますが、テストした経験から言うと最大20%向上している可能性がありそうです。

その要因は、2つの最適化にあります。1つは、ディスプレイの可変リフレッシュレート、もう1つは、新しいSnapdragon 8+ Gen 1の電力効率向上です。それでも、一般的なスマートフォンと比べてより大きなディスプレイと、より小さなバッテリーは、他の機種よりもバッテリー寿命が短いことを意味しており、おそらくほとんどの人にとって”1日バッテリーが持つ”程度だと思われます。

充電速度もわずかに改善されていますが、OnePlusやInfinixといった最近のスマートフォンと比べると見劣りします。バッテリー容量がすぐに5000mAhを超える可能性は低いため、充電速度が新たな競争の場となっています。

 

まとめ


Samsung Galaxy Z Fold 4は、技術革新のペースが低下しているにもかかわらず、競合他社よりもはるかに優れた技術を詰め込んでいます。それは世界中で最も素晴らしい折りたたみスマートフォンとして、そのカテゴリの基準となり、最高の視聴体験、生産性、耐久性を提供します。

折りたたみ式スマートフォンの購入を決定した場合、これらの事実だけでも、同機種を選択する要因になります。とは言え、(残念ながら)全ての人に当てはまるわけではありません。

Z Fold 4はユーザーに比類の無い体験をもたらし、その価格が1799ドルと高価であってもこのカテゴリが非常に急速に成長している理由がわかるはずです。

この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。

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