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マツダRX-7中古最高価格2000万円超!?? 「高橋啓介」「安室透」の愛車の魅力とは?

 1991年、マツダ3代目(FD3S型)RX-7が販売開始された。流麗なエクステリア、そして、マツダしか市販できなかったロータリーエンジンを搭載したクルマだ。惜しくも、2003年に生産終了となった。

 FD3S型RX-7は、頭文字(イニシャル)Dの人気キャラクターである「高橋啓介」の愛車としての印象が強いことだろう。高橋啓介は、主人公の藤原拓海の最初の対戦相手として登場。

 さらに、名探偵コナンに登場する捜査一課の刑事である「佐藤美和子」とトリプルフェイスの異名を持つ「安室透」の愛車としての認知度も高い。嬉しいことに2022年春に公開された「劇場版名探偵コナンハロウィンの花嫁」の再上映が決定。この映画内の時間軸にあわせて、2022年10月28日から11月7日までの期間限定で行われるという。

 そこで、本稿では、生産終了してから、20年経過していまなお愛され続けている「FD3S型RX-7」の魅力を解説。価格の高騰化が進む中古車市場の情報もあわせてお届け。

文/萩原文博、写真/MAZDA

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心を奪われてしまうくらい美しいFD3S型マツダRX-7の魅力とは

販売終了から20年経った現在でも愛され続けている、3代目RX-7のFD3S型

 2003年に生産終了となったFD3S型マツダRX-7。人気アニメーションのキャラクターの愛車として、脚光を浴びミニカーが即完売するほどの人気を誇っている。生産終了から20年が経過しようとしているが、いまだに多くのファンの心をわしづかみしているRX-7だが、主人公の愛車ではなくなぜかライバルの愛車ということが多い。

 頭文字(イニシャル)Dも主人公の藤原拓海の愛車がAE86型トヨタスプリンタートレノであるのに対して、最初の敵役として登場したのは、高橋啓介の駆る黄色のFD3S型RX-7だった。こういった図式はRX-7がロータリーエンジンというマツダしか市販化できなかった独特なエンジンであること。

 そして、RX-7のルーツであるサバンナ(RX-7)GTが1971年の12月に開催された富士ツーリストトロフィーレースで、国内49連勝と破竹の勢いだった日産スカイラインGT-R、通称ハコスカの50連勝を止めたことも関係しているのは考えすぎではないはすだ。

 筆者は1993年に自動車業界にアルバイトとして、働くようになった。まだバブル景気の名残があり、80系トヨタスープラが登場するなど国産スポーツカーの頂上決戦といった記事を手伝うことが多かった。もちろん、R32型日産スカイラインGT-RやホンダNSXタイプRといったモデルも乗ってみたいと思ったが、その中で最も乗りたかったのが、FD3S型RX-7だった。

 その理由はいくつかあるが、何と言っても、1991年に初めてFD3S型RX-7を見たときの衝撃だ。ひと目見て「美しくて、カッコイイ!!」と心を奪われた。

 スポーツカーらしいワイド&ローのフォルム。先代のFC3S型が直線的なデザインだったのに対して、FD3S型RX-7は無駄を削ぎ落としたアスリートの躍動する柔軟な筋肉のような曲線のボディデザインを採用している。個人的にはこれまで乗った国産車の中では最も美しいデザインのクルマだと思っている。

 そして、唯我独尊のロータリーエンジンだ。FD3S型RX-7には、13B-REW型2ローターエンジンを搭載。シーケンシャルツインターボを採用し、デビュー当初の最高出力は255ps(MT車)だった。

 その後1996年1月に行った1度目のマイナーチェンジで265ps(MT車)、そして1998年12月の2度目のマイナーチェンジで、とうとう280ps(MT車)に達したのだ。

 ライバルのスカイラインGT-Rやスープラなどに比べると、車両重量が軽く、パワーウェイトレシオが5kg/psを切るなど優れた運動性能を発揮している。また、ツインターボを採用したロータリーエンジンは、一般的なレシプロエンジンとはエンジンの回転フィールが全く異なる。

 その回転フィールは軽さが際立ち、当時はモーターのようだと例えられたが、現在モーターを搭載した電動車と比べると、カミソリのようなシャープな加速フィールが特徴だった。 軽い車両重量、前50:後50の重量バランス。そしてどの回転域からもスパッと切れ味鋭い加速を発揮するロータリーエンジン。まさにバブルが生んだピュアスポーツカーがFD3S型RX-7だったのだ。

中古車の最高価格に驚き!! ロータリーエンジン最高傑作車は半端ない!!

 FD3S型RX-7は時期によって大きく1型から6型まで分けることができる。幸運にもすべての世代のハンドルを握ることができ、その進化の度合いも身をもって体験することができた。

 初期モデルは、タイヤの接地感が乏しくクルマがセンシティブで、ジャジャ馬のようなクルマだった。しかし1998年に登場した5型以降は、リアのスタビリティも高くなり、運転スキルが高くはない自分でもリアがスライドしてもカウンターを当ててコントロールできるほど乗りやすくなった。まさに人馬一体を味わえるモデルになったのだ。

 RX-7の後に現在のところ、最後のロータリーエンジン搭載車としてRX-8が登場した。しかし、ロータリーエンジンファンにとって、やはりFD3S型RX-7がロータリーエンジン搭載車としては最高傑作なのではないだろうか。

 それは、中古車相場をみれば一目瞭然だ。現在、FD3S型RX-7の中古車は約180台流通していて、価格帯は約278万~約2200万円と新車時価格を超える中古車が大量に流通しているからだ。

 これから、もっと値上がりする可能性は少ないと思うが、値落ちすることはまずないと言える。これまで、10台近くクルマを乗り継いできたが、FD3S型のRX-7のファイナルモデルスピリットRを購入するチャンスがあった。結局別のクルマを購入してしまったが、20年近く経っても購入しなかったことを後悔し続けている。

 もし、2000年に発売された限定175台のボディカラーが専用色のスノーホワイトパールマイカのRZの中古車が出てきたら、今度こそは手に入れたい。しかし一体いくらになるのかと考えるだけでドキドキして夜も眠れない。

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