ホンダ唯一のステーションワゴンモデルとして販売されていたシャトルが11月10日、流通在庫分の新車登録を終えて販売を終了した。ホンダの公式ウェブサイト上からも掲載が終了し、約7年半のクルマ生涯を閉じた。すでに2022年8月末での生産終了についてはお伝えしていたが、いざ販売終了となると寂しいもの。そんなシャトルの存在を振り返ってみたい。
本文/ベストカーWeb編集部、写真/ベストカー編集部、ホンダ
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■ベースモデルとなったのは先代3代目フィット
シャトルは2015年5月に誕生。ベースは先代型フィットで、パワートレーンには1.5Lガソリンと先代型フィットや初代ヴェゼルと同じく1.5Lハイブリッド「SPORT HYBRID i-DCD」の2種類を設定していた。駆動方式はFFと4WDが選べた。
先代型のフィットシャトルと同じく、「人と荷物を安全に、先進技術で運ぶ」ことがその車名の由来。2019年まではホンダの埼玉製作所寄居工場で生産されていたが、2019年5月にマイナーチェンジを受けた段階で鈴鹿製作所に生産が移っていた。
トヨタのカローラフィールダーとともに国内市場では少なくなった5ナンバーサイズのステーションワゴンとして一定の支持を得ていたが、徐々にユーザーが先細りしていたのを受け、2022年8月には生産を終了していた。
■シビックシャトルがご先祖様であ~る
シャトルのそもそもの由来はワンダーシビック、つまり3代目シビックの5ドアステーションワゴンとして1983年5月に誕生した初代シビックシャトルが起源。続いて4代目シビックのグランドシビックにもシビックシャトルは2代目モデルが設定された。
1987年に登場した2代目シビックシャトルは長寿モデルとして有名。また、1994年に当時のRVブームを受けてカンガルーバーとフォグランプを標準装備して設定された「ビーグル」が特徴的で、ホンダ初のクロスオーバーSUV的存在だった。
ベースモデルの4代目シビックが1991年に5代目のスポーツシビックへ、さらに1995年に6代目のミラクルシビックにフルモデルチェンジを受けた後もシビックシャトルは1996年まで継続販売されている。
その後、15年の月日を経て「シャトル」の名は突如として2011年にフィットシャトルとして復活する。当時の2代目フィットをベースとしたステーションワゴンとして登場し、かつてのオルティアやエアウェイブの系譜を継いだコンパクトワゴンだった。
2015年に車名からフィットが外れ、シャトルとして新たに再出発。フィットとはまた違った価値観を伝えるクルマとして開発され、そのため車名からフィットから独立したモデルとして販売されることになった。
ちょっと地味な感じのワゴンだったが、使い勝手のよさで一定の支持を得たシャトル。天寿をまっとうしたことに敬意を表したい。
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