Team LeMans with OIRC
プレスリリース
2022年9月14日
勝利を渇望した片山義章。果敢なドライビングで3戦中2度の表彰台を獲得するも、逆転チャンピオンの希望は潰える。
各位
株式会社チームルマンは、新たな若手ドライバー育成プログラムの一環として、株式会社岡山国際サーキットの協力のもと、2022年度フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ (FRJ)に「Team LeMans with OIRC」としてフル参戦を開始。開幕戦の富士スピードウェイ大会、そして岡山国際サーキット大会、モビリティリゾートもてぎ大会、スポーツランドSUGO大会に続き、静岡県・富士スピードウェイで開催された第5大会に臨みました。
本大会は2022年FIA世界耐久選手権第5戦富士6時間耐久レースのサポートレースとして開催されることとなり、より華やいだ雰囲気となったサーキットで、関係者の注目を集めるレースとなりました
今回は木曜日に練習走行の時間はなく、金曜日に1時間の専有走行が2回行なわれる形でのタイムスケジュールとなっていました。
金曜日に行なわれた練習走行では、ストレートスピードの伸びに苦しみ、ダウンフォースを限界まで下げてのトライも行ないましたが、1分38秒474で3番手タイムに留まりました。
土曜日の予選1回目は慎重にタイヤを温め、最後のアタックで1分38秒559をマーク。決勝レース1は、4番手グリッドからのスタートとなりました。トップとの差は0秒552、3位との差は0秒231です。セカンドベストタイムは1分38秒867で、こちらも4番手となり、決勝レース2も4番手グリッドからのスタートが決まりました。
予選2回目までの短い時間にエンジニアとデータ解析をし、多少セットアップを変更。片山義章選手は3周連続アタックにトライし、1分38秒432を2ラップ連続で叩き出しましたが、順位は4番手。ドライバーとしてはすべてのセクターでコンマ1秒たがわぬベストを尽くした走りだっただけに、その原因究明にエンジニアも頭を抱えました。
土曜日の決勝第1レースは、気温25℃、路面温度41℃というコンディションの中、15周のレースで争われます。公式予選終了後から、約3時間後のレースということもあって、マシンに大幅なセットアップ変更は施されず、ドライバーにすべてを委ねての戦いとなりました。
スタート直後、4番手キープの片山義章選手はそのままの順位でコントロールタワー前を通過すると、上手く前車のスリップストリームに入り、第1コーナーで前に出ました。その際に軽い接触があって前車がスピンしてしまいましたが、それを避けながらさらに前を追います。しかし前を行く2台もタイヤが温まってからはミスのない走りで周回を重ね、そのままの順位でチェッカー。片山義章選手は3位表彰台を獲得しました。
土曜日の夕方に決勝第2レースが開催され、素晴らしいスタートダッシュを見せた片山義章選手は前を行く2台の真ん中に飛び込む形でスリーワイドの超接近戦を演じて第1コーナーまでに1台をパスし、3番手で第1コーナーをクリアしました。
激しいレース展開の中、5周目のTGRコーナーで1台に抜き返され、さらに抜き返すべくペースをアップしたところダンロップコーナーのブレーキングでリヤがロックしてしまい安全確保のため退避路へ避け、コースに復帰した際には8番手までドロップしてしまいました。
しかし、そこから諦めることなくプッシュし続けた片山義章選手は10周目までに6番手まで浮上すると、残り4周で5番手へポジションを上げ、そのまま5位でチェッカーを受けました。
日曜日の決勝第3レースは、早朝8時5分にスタートが切られ、またしても好ダッシュを見せた片山義章選手がスタートで3番手までジャンプアップ。そのままハイペースで均衡した戦いを見せ、3位チェッカー。第5大会2度目の表彰台に立ちました。
本大会終了時点のポイントランキングでシリーズ3番手につける片山義章選手ですが、首位とのポイント差が104点差となり、次の鈴鹿大会で2連勝を飾ってもシリーズチャンピオン獲得は不可能となりました。鈴鹿大会では現在25ポイントリードされているシリーズランキング2位の座を狙い、全力を尽くすこととなります。
●Team LeMans with OIRCドライバー 片山義章のコメント
「今回の大会から5連勝すれば、ライバルたちの順位次第では逆転チャンピオンの可能性も十分にあると考え、意気込んで入った富士大会でしたが、結果は2度の3位表彰台獲得に留まり、残念ながらチャンピオンの可能性は無くなってしまいました。
金曜日の段階で、トップとのタイム差が厳しい状態ではありましたが、できる限りのことはやろうとエンジニアと一緒にデータ解析を続けました。
予選はちょっとコースインのタイミングが悪く、ライバルたちのスリップストリームが使えないまま終わってしまい、同じようなタイムのドライバーたちと走っていればと反省しています。セットアップもドライビングも上手くいかなかった感がありますね。
決勝レース1は、スタートで前が遅くてアウト側から抜こうと思ったのですが、3番手のマシンもアウトに寄ってきたので行き場が無くなり、ブレーキングでかわしながらクロスラインでインを奪おうとしたら差し返されて、100R、ヘヤピンでなんとかパスしてダンロップコーナーで外から行かれて、そのまま後方にぴったりつけて2周目の第1コーナーでギリギリのバトルで抜いたと思ったのですが、自分の前輪と相手の後輪が軽く接触してしまいました。そこから左フロントが厳しくなり、数周は大丈夫だったのですが、ブレーキングで不安定になり、厳しい戦いとなってしまいました。
決勝レース2は、スタートでギリギリの隙間しかなかったのですが、前を行く2台の中央突破を狙い、めちゃくちゃ怖かったですが、相手も最後の数ミリで引いてくれて接触せずに前に出ることができました。でも5周目のダンロップコーナーのブレーキングでリヤがロックしてしまいコースアウト。レースに復帰するのにシフトがニュートラルから1速に入らず、大きく遅れを取ってしまいました。あとは無我夢中で走り切って、なんとか5位までポジションを戻しましたが、その段階で僕のチャンピオンシップは終わってしまったようです。
決勝レース3も好スタートを決めてポジションを上げ、そこから前のマシンを1台でも抜こうと2~3周はブレーキングで仕掛けていったのですが、インをブロックされ抜ききれませんでした。レース中盤から自分のマシンはセクター3が遅くてフラフラするような状況になってしまい、最後は3位でしたが、悔しい3位だったと思っています。
次の鈴鹿までは時間があるので、しっかりとデータ解析をし、テストをし、シリーズランキング逆転2位で終われるように頑張って準備をしたいと思っています」
●Team LeMans 代表取締役 太田雅文のコメント
「今回のレースはチームの総合力で挑んだのですが、結果に結び付けられなかったということです。予選でのコンマ1秒、決勝でのコンマ1秒を縮めるために、エンジニアもドライバーも良く頑張ってくれたと思いますが、レースは結果がすべてなので、シリーズチャンピオンを獲得された小山美姫選手の健闘を称えたいと思います。もちろん我々もまだ最終戦が残っているので、チームルマンの名に恥じないようなレースをして、来シーズンにつながるべく、有終の美を飾りたいと思っています」