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 毎年、全日本ロードレース選手権をまわり、シャッターを切り続けるカメラマン「Nob.I」がお届けする『カメラマンから見た全日本ロード』。2022年第6回は8月28日に開催された第6戦オートポリスです。

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8耐が終わり、秋はもう目の前。全日本ロードも再開。
全日本ロードファンの皆さま、小さい秋は見つけましたか?

それでは春の2&4に続き、いきましょう、オートポリスラウンド。

まずは見てください、この好天。

2022全日本ロード第6戦オートポリス 土曜日JSB1000予選
2022全日本ロード第6戦オートポリス 土曜日JSB1000予選

オートポリスは山の上にあるため、晴れると日差しが強いのですが、そのぶん空が近く、澄み渡るとこのようにきれいな青空となります。

コースサイドでオフィシャルさんと話した際、「珍しく土日晴れだからな」とつぶやいていましたが、この週末は本当に良い天気でした。
2021年の全日本ロード、春の2&4も土日片方は雨が降ってきました。
山の上で天気が安定しない難しいサーキットですが、この週末は絶好のレース日和です。

日曜日には少し雲が出たものの、雨の心配はありませんでした。
オートポリスの雲も夏の終わりを醸し出しています。

2022全日本ロード第6戦オートポリス 日曜日JSB1000決勝。中須賀克行選手(YAMAHA FACTORY RACINT TEAM)
2022全日本ロード第6戦オートポリス 日曜日JSB1000決勝。中須賀克行選手(YAMAHA FACTORY RACINT TEAM)

余談ですが、中須賀克行選手は鈴鹿8耐に参戦しておらず、カメラを向けるのは約3カ月ぶりで少々緊張しました……来年は是非とも参戦してほしいものです。

さて、オフィシャルが話題に出ましたので、毎度のごとくレースは編集部にお任せし、今回は少々彼らの仕事に触れましょう。

サーキットで観戦された方は、オレンジ色のツナギを着てフラッグを振っているオフィシャルを見たことがあるでしょう。
オフィシャルは各ポストに数名配置されていますが、その仕事はフラッグを振るだけではなく、様々な役割があります。

ポストでフラッグを振るオフィシャル
ポストでフラッグを振るオフィシャル

コースが目の前の、まさに『特等席』ですが、転倒があるとコースへ出てライダーを救護したり、マシンのパーツを回収したり、安全に競技ができるように常に気を配っています。
カメラマン同様、1日コースサイドに出ているため、体力が必要です。

転倒した選手を保護。精神面のケアもしているのでしょうか?
転倒した選手を保護。精神面のケアもしているのでしょうか?
グラベルは砂利でマシンが埋まるため、ソリのように引いて回収
グラベルは砂利でマシンが埋まるため、ソリのように引いて回収

各セッションが終わると、ホウキを持ってコースを清掃し、転倒で回収したマシンをパドックまで運んだりしています。

セッション間でのコース清掃
セッション間でのコース清掃
転倒したマシンとライダーをパドックまで運搬
転倒したマシンとライダーをパドックまで運搬

余談ですが、昔スポーツ走行で転倒した際、このような回収車で運ばれたことがあります。けっこー怖いです(転倒後の不安も重なっていると思いますが……)。

また、コース上にオイルがまかれると、オイルを処理し、大変な仕事です。
それでも皆さんきっとレースが好きで従事しているのでしょう。

すれ違う際には挨拶してくれて、気さくな方が多い印象です。
急な雨でポストに雨宿りさせてもらったり、レース進行について尋ねたりと、じつはカメラマンもお世話になっています。
私は先の8耐で雨宿りをさせてもらったポストで、アイスまで頂きました。
競技を円滑に進めていただき、いつもありがとうございます。

チェッカーフラッグを振るのも仕事のひとつ。写真は接戦だったJ-GP3
チェッカーフラッグを振るのも仕事のひとつ。写真は接戦だったJ-GP3

各サーキットで募集していますので、興味ある方は応募してみてはいかがでしょうか?

さて、今回起きたドラマは……最終ラップの見事な逆転勝利、ST600初優勝の阿部恵斗選手(Team 51 GARAGE YAMAHA)。

パルクフェルメにて 阿部恵斗選手(Team 51 GARAGE YAMAHA)
パルクフェルメにて 阿部恵斗選手(Team 51 GARAGE YAMAHA)

昨年、岡山ラウンドでの3位入賞を取り上げたのを覚えていますでしょうか?
2022年シーズンは心機一転、チームを変えて臨んでおり、ついに初優勝。

紙面の関係で書けませんでしたが、2021年のオートポリス最終戦では2位に入賞していました。

2021年最終戦オートポリスラウンドのパルクフェルメ。当時はWebike チームノリックヤマハに所属
2021年最終戦オートポリスラウンドのパルクフェルメ。当時はWebike チームノリックヤマハに所属

注目している選手が勝つとカメラマンとしても嬉しいものですが、すべての選手を追いきれないのが悔しいところ。
コピーロボットがほしいです(歳がバレますね……)。

阿部恵斗選手のウイニングラン
阿部恵斗選手のウイニングラン
シャンパンファイトも板についた?
シャンパンファイトも板についた?

SUGOラウンドでの記載通り(https://www.as-web.jp/bike/830847)ST600は若手からベテランまで参戦し、まさに群雄割拠なカテゴリー。
SUGO回で取り上げた、荒川晃大選手(MOTOBUM HONDA)は2位、小山知良選手(JAPAN POST HondaDream TP)は6位、羽田太河選手(TN45 with MotoUP Racing Team)は30位でした。
毎回異なる勝者が、その激しさを表しているでしょう。

いかがでしたでしょうか?
ST1000、ST600、J-GP3は毎回かなりの接戦で、どのクラス、どの選手を取り上げようかと本当に迷います。
さらに、コースのレイアウトや天候によっても撮り方は変わってきますので、毎回悩みながらサーキット入りしています(私だけ?)。

次は秋の岡山ラウンド。
JSB1000は中須賀克行選手が連勝記録を順調に伸ばしています。
しかしながら、岡山国際サーキットは、2016年にその連勝記録がストップしたコース。
その時の勝者は、TOHO Racing山口辰也選手。

2016年岡山国際サーキットJSB1000勝者 山口辰也選手
2016年岡山国際サーキットJSB1000勝者 山口辰也選手

そして、今回のオートポリスから、怪我で欠場していた清成龍一選手が全日本ロードへ復帰しています(復帰レースは先の鈴鹿8耐)。
そう、その所属はTOHO Racing。

復帰した清成龍一選手
復帰した清成龍一選手

何かが……起きそうな雰囲気ではありませんか?
岡山ではどんなドラマが待っているのでしょうか?
次回もお楽しみに!