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東京新宿区の漱石山房記念館に、当時94歳だった私の叔母は、所有していた漱石の硯(すずり)を譲り渡した。漱石のお孫さんの一人の勧めによる。なぜ叔母がそんな大そうな品をもっていたかというと、この人は長い間漱石の長男・純一氏宅に家政婦として住み込んでいたのだが、ある時純一氏が叔母に「これ…