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価格差以上の満足感!! プラス30万円でワンランク上のクルマ選び

 安全装備や運転支援機能の充実で、小型/普通乗用車の売れ筋価格帯は250万〜300万円となっている。

 ここに車両価格の1割である25万〜30万円をプラスしたら、追加額以上に魅力的な車種が手に入ったり、同車種のさらに上級グレードが選べるとしたら、あなたはどうするだろうか。

 そこで、約30万円アップと、それによって手に入る付加価値とのバランスが優れた車種を紹介したい。

●ラインナップ
・「●●万円UPで」同一メーカーの車格アップ編
-【33万円UPで!】マツダ2 XD・Lパッケージ→マツダ3 XDプロアクティブ
-【16万円UPで!】マツダ CX-30 XD・Lパッケージ→CX-5 XDプロアクティブ
-【22万円UPで!】ホンダ フリード ハイブリッドクロスター ホンダセンシング→ステップワゴン 1.5ターボ・エア
・「●●万円UPで」同一モデルのグレードアップ編
-【38.5万円UPで!】スバル レヴォーグ GT-H・EX→STIスポーツEX
-【24万円UPで!】ホンダ ヴェゼル e:HEV・X →e:HEV・Z
-【42万円UPで!】三菱 アウトランダー G→P・7人乗り
-【26万円UPで!】日産 ノートオーラ G→ニスモ


※本稿は2022年4月のものです
文/渡辺陽一郎、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年5月26日号

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■「●●万円UPで」同一メーカーの車格アップ編

【33万円UPで!】マツダ2 XD・Lパッケージ(245万8500円)→マツダ3 XDプロアクティブ(279万741円)

マツダ2(XD・Lパッケージ)
ディーゼルエンジンはマツダ2が1.5Lターボ、マツダ3はより排気量の大きい1.8Lターボを設定

 マツダ2は全長が4065mmの5ナンバー車だが、マツダ3は4460mmの3ナンバー車になる。

 後席の足元空間などは、マツダ3でもあまり拡大しないが、走行安定性は相応に向上する。特に直進安定性と、操舵した時の正確な挙動変化はマツダ3が勝る。

 ディーゼルエンジンの排気量は、マツダ2が1.5Lでマツダ3は1.8Lだが、動力性能にあまり大きな差は生じない。

 装備については、マツダ2は上級のXD・Lパッケージだから、運転席の電動調節機能を備えるなどマツダ3 XDプロアクティブよりも充実する面もある。

 だが安定性に勝る運転感覚などを勘案するとプラス30万円の価値はある。

●プラス30万円で得られるもの
・さらなる走行安定性
・クラスアップならではの内外装の上質感

【16万円UPで!】マツダ CX-30 XD・Lパッケージ(306万9000円)→CX-5 XDプロアクティブ(322万8500円)

マツダ CX-30(XD・Lパッケージ)
ディーゼルエンジンはCX-30は1.8Lターボ、CX-5は排気量の大きい2.2Lターボを搭載

 身長170cmの大人4名が乗車した時、CX-30の後席に座る乗員の膝先空間は、握りコブシ1つ少々だからSUVでは少し窮屈だ。

 それがCX-5なら握りコブシ2つ分に広がり、着座姿勢も最適化される。荷室容量も広く、ファミリーカーとして快適かつ便利に使える。

 ディーゼルエンジンの排気量は、CX-30は1.8Lだが、CX-5は2.2Lに拡大され、最高出力は1.5倍、最大トルクは1.7倍に増える。

 CX-30はXD・Lパッケージ、CX-5はXDプロアクティブだから装備の充実度は少し下がるが、居住性、積載性、動力性能の違いを考えるとCX-5が買い得だ。

●プラス30万円で得られるもの
・より広い便利な車内
・2.2Lディーゼルターボによる余裕の走り

【22万円UPで!】ホンダ フリード ハイブリッドクロスター ホンダセンシング(278万1900円)→ステップワゴン 1.5ターボ・エア(299万8600円)

ホンダ フリード(ハイブリッドクロスター ホンダセンシング)
フリードより全長が約600mm長くなるが、そのぶんステップワゴンの室内の広さは快適で便利

 フリードハイブリッドクロスターは、外観がSUV風で、2WDのWLTCモード燃費は20.8km/Lだ。

 新型ステップワゴンのターボは13.9km/Lだから、フリードに比べて33%悪化する。が、その代わり動力性能は上まわる。

 また、車内の広さはかなり異なる。フリードの床面地上高は新型ステップワゴンと同等だが、全高は130mmほど低い。

 この影響でフリードの室内高はステップワゴンより150mm下まわり、シートも腰が落ち込んで膝の持ち上がる着座姿勢になりやすい。

 フリードは全長が短いために足元空間も減り、特に3列目は、狭さと膝の持ち上がる着座姿勢によって窮屈だ。

 従って多人数で乗車する時の居住性は、新型ステップワゴンの圧勝だ。内装の質も異なる。

 フリードにハイブリッドが備わり、価格が30万円安いことを考えても、ステップワゴンが買い得になる

●プラス30万円で得られるもの
・車内は広くて便利
・充実した安全装備
・より快適な乗り味

■「●●万円UPで」同一モデルのグレードアップ編

【38.5万円UPで!】スバル レヴォーグ GT-H・EX(370万7000円)→STIスポーツEX(409万2000円)

STIスポーツは電子制御ダンパーを装備し、上質な走りもスポーティな走りも楽しめる

 STIスポーツEXには、ドライブモードセレクトが加わる。ショックアブソーバーの減衰力を電子制御で変化させる機能も備わり、運転感覚をコンフォート/ノーマル/スポーツ/スポーツプラスに切り替えられる。

 シート生地も本革に上級化され、内外装の装飾なども充実する。

 GT-H・EXとの価格差を考えると、STIスポーツEXは割安とはいえない。

 それでもショックアブソーバーの減衰力を変化させ、走行安定性、操舵感、乗り心地を変えられる機能は注目される。

 家族を同乗させる時はコンフォート、1人で峠道を走る時はスポーツという具合に使い分けられるからだ。

●プラス30万円で得られるもの
・より一層上質な内装
・さらなる走りの楽しさ
・「STI」のバッヂ

【24万円UPで!】ホンダ ヴェゼル e:HEV・X(265万8700円)→e:HEV・Z(289万8500円)

e:HEV・Zとe:HEV・Xの外観の大きな違いはホイールサイズで、Zは18インチ、Xは16インチ

 e:HEV・Zは、e:HEV・Xに比べると、後方の並走車両を検知して知らせるブラインドスポットインフォメーション、進行方向を照射するLEDアクティブコーナリングライト、リアゲートの電動開閉機能、上級シート表皮などを加えた。

 アルミホイールのサイズは、Xは16インチだが、Zは18インチに拡大される。

 Zが採用するこれらの装備や内外装は、いずれもニーズが高い。しかもZに加わる装備などを価格に換算すると29万円相当だが、実際の価格上昇は23万9800円に抑えた。

 Zは買い得で、ヴェゼルの最多販売グレードになっている。

●プラス30万円で得られるもの
・内装の上質感
・18インチホイール
・充実した快適装備

【42万円UPで!】三菱 アウトランダーPHEV G(490万4900円)→P・7人乗り(532万700円)

新型アウトランダーは全車PHEVで、M、G、Pの3グレードを設定。Pは最上級グレード(ココのみ予算オーバー。ごめんね!!)

 Pが断然買い得だ。Gに3列目のシート、本革シートなどを含んだパッケージオプション、ヘッドアップディスプレイ、BOSEプレミアムサウンドシステムをオプション装着すると、これらをすべて標準装着して、内外装の装飾も充実させたPの価格を上まわってしまう。

 つまりPが買い得度を強めたから、Gに複数のオプション装備を加えると、割高になるのだ。

 従ってアウトランダーGに、3列目のシートや本革シートなど複数の装備を加える時は、グレードをPに高めたい。

 そのために販売構成比はPがアウトランダー全体の70%以上を占めている。

●プラス40万円で得られるもの
・充実した快適装備
・内装の上質感
・高級オーディオ装備

【26万円UPで!】日産 ノートオーラ G(261万300円)→ニスモ(286万9900円)

専用チューンが施されたニスモグレード。専用のエアロや赤い差し色などで精悍!!

 ニスモはノートオーラGに比べると、外観では専用にデザインされたエアロパーツやアルミホイールを装着して、タイヤもミシュランパイロットスポーツ4に上級化する。

 サスペンションも見直され、走りをニスモらしく機敏に仕上げた。

 ドライブモードのスポーツモードは、「ニスモモード」に変更され、峠道などの運転感覚を向上させている。

 内装もメーターやシート生地を専用タイプに変えている。外装を含めて装飾類も充実させた。

 このようにニスモは、さまざまな機能やデザインの魅力を高めながら、ノートオーラGとの価格差を約26万円に抑えた。従ってニスモはとても買い得だ。

●プラス30万円で得られるもの
・スポーティな外観
・スポーティな乗り味
・内装も特別感あり

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