2022年11月16日、トヨタ自動車は5代目となる新型プリウスを発表した。1997年に世界初の量産型ハイブリッドカーとして誕生したプリウスは、その出自から「ハイブリッドカーの象徴」として日本市場だけでなく世界中で支持を得てきた。そんなプリウスが、この新型から大幅にイメージチェンジを果たした。今回の新型プリウス世界初披露会場にて、「生」の姿を見た感想と、(少ないながらも)公開されたスペックの紹介をお届けします。
文/ベストカーWeb編集部、画像/トヨタ、ベストカーWeb編集部
■スポーツカーなみの加速力
プリウスは代々(その「世界初の量産型ハイブリッドカー」という出自ゆえか)、「環境性能に特化したモデル」としてトヨタ内で位置づけられていた。そういう経緯もあって、今回のフルモデルチェンジでも「おそらく世界が驚くような省燃費性能で出してくるだろう」という予想だったが、この予想は見事に外れた。いやまだ燃費値は公表されていないが、公表されたスペックや開発者、デザイナーたちの発言を聞くと、もうプリウスは「そういうクルマ」ではない、というイメージがハッキリと伝わってくる。
では新型プリウスは、どういうクルマなのか。ひと言でいえば「一目惚れするデザイン」と「虜にさせる走り」を兼ね備えたクルマだとのこと。
特に驚いたのは、システム出力と0~100km/h加速タイムを前面に押し出した解説。
【新型プリウス公表スペック】
・システム最高出力
プラグインハイブリッド仕様(2.0L)…164kW(223PS)
シリーズパラレルハイブリッド仕様(2.0L/1.8L)…144kW(193PS)/103kW(140PS)
・0~100km/h加速
プラグインハイブリッド仕様(2.0L)…6.7秒
シリーズパラレルハイブリッド仕様2.0L/1.8L…7.5秒/9.3秒
どちらもスポーツカーなみの性能であり、「プラグインハイブリッド仕様」の解説文には「従来型を上回る圧倒的な加速性能と静粛性を実現しました。」と誇らしげに記述されている。圧倒的って。ちなみに本誌ベストカーのテストで0~100km/h加速6.7秒というと、だいたいロードスターやBRZと同程度です。マジか。マジです。
なおPHEV仕様はこの加速性能を持つうえでなお、EV走行距離を「(従来型比)50%以上向上」とあって、現行型プリウスPHVのEV走行距離は「60km」なので、新型プリウスPHEVはEVモードで「90km以上」走行可能ということになる。ええと…本当に「日常走行はだいたいEVモードのみでいける」ということになりそう。
今回公開された情報によると、新型プリウスの正式発表発売は「今冬」で、PHEV仕様は「2023年春頃」とのこと。どうも「今冬」は年明け早々、PHEV仕様は3月になりそう。うーーん…早く試乗してみたい!!! ぜひ太陽の下で走らせてくださいませ!!!
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