10月16日、岡山県の岡山国際サーキットでENEOSスーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook第6戦『スーパー耐久レース in 岡山』のグループ1(Gr.1)決勝レースが行われ、ST-Xクラスの16号車ポルシェセンター岡崎 911 GT3R(永井宏明/上村優太/伊藤大輔)が優勝を飾りグループ1を制した。ST-Zは885号車シェイドレーシング GR SUPRA GT4(HIRO HAYASHI/平中克幸/清水英志郎)、ST-2は225号車KTMS GR YARIS(平良響/荒川麟/奥住慈英)がクラス優勝を飾っている。
なお、ST-Zで4位となった500号車5ZIGEN AMG GT4(大塚隆一郎/太田格之進/金石年弘)は最終戦を前に今季のクラスタイトルを決定させた。
8時30分にスタートを迎えたスーパー耐久第6戦岡山のグループ2決勝に続き、ST-X、ST-Z、ST-2、ST-Qの2台、計23台が参加する3時間のグループ1決勝レースが13時30分にフォーメーションラップが開始された。
FIA-GT3マシン7台で争われるST-Xは、2番グリッドの23号車TKRI松永建設AMG GT3の元嶋佑弥がスタートを決めてトップに躍り出る。16号車のスタートドライバーを務める永井はペースが上がらず、777号車D’station Vantage GT3の藤井誠暢にも迫られ、9周目に藤井が前に出る。
トップに立った23号車は元嶋が快調に周回を進めていたが、22分経過時にグリッドの枠外を走行したとしてスタート手順違反を取られてしまう。同様に62号車HELM MOTORSPORTS GTR GT3にもスタート手順違反、888号車Grid Motorsport AMG GT3にはジャンプスタートによるドライブスルーペナルティが科せられてしまう。
レース開始から25分、ホームストレートに777号車のドアミラーが落下してしまい回収のためフルコースイエロー(FCY)が導入。その解除後にドライブスルーペナルティを提示された3台はそれを消化していく。これによってトップに浮上した777号車だったが、1回目のピットインの際に左ミラーを装着したことでタイムロス、さらにそのミラーはピットアウト直後に外れてしまうという事態に見舞われてしまう。
777号車はこのアクシデントで3番手に後退し、ST-Xはドライブスルーペナルティから追い上げた23号車が再びリードしていき、2番手に16号車が続いていく。レースは残り1時間を切り、23号車は最終スティントをDAISUKE、16号車は上村優太に託し終盤戦へと突入する。
一時は20秒以上あった23号車と16号車の差だが、ジェントルマンドライバーであるDAISUKEと上村のペースは1秒以上の開きがあり、上村が徐々に23号車との差を詰める。そしてレース残り20分、ついに上村がDAISUKEに追いつきテール・トゥ・ノーズに迫ると、ホッブスコーナーでインに入った上村が前に出る。
これでトップに立った16号車はその後も快走を続けトップチェッカー、今季初優勝を逆転ポール・トゥ・ウインで決め、昨年に引き続き岡山でのレースを制した。2位には健闘をみせた23号車が続き、777号車が3位でチェッカーフラッグを受けている。
GT4規格のマシンが接戦を繰り広げるST-Zはクラスポールの885号車シェイドレーシング GR SUPRA GT4がスタートを決めて逃げる展開に。その後方では34号車テクノ・SUN’S・モノコレG55がポジションを上げてくる。一方でランキングトップの500号車5ZIGEN AMG GT4はポジションをふたつ落としてしまう。
トップ争いはFCY解除後に310号車HIRIX★EIKO GT4の坪井翔が885号車をかわして首位に浮上するも、抜かれた885号車も清水英志郎が1秒以内で食い下がる。その後もトップを守っていた310号車だったが、レース開始から1時間が経過しようとしたときに左フロントにパンクに見舞われてしまい緊急ピットイン。310号車は幸いにもダメージはなくタイヤ交換してレースに復帰する。
この310号車の後退によりST-Zのトップは再び885号車となり、序盤のポジションを落としていた500号車は太田格之進が追い上げ2番手、その後方には111号車Access HIROSHIMA+ GR SUPRA GT4が浮上してくる。
トップに立った885号車にはピットレーン速度違反でドライブスルーペナルティが科せられてしまうも、それまで築いていたマージンのおかげもありペナルティを消化しても首位のままレースに復帰。一方2番手争いは500号車に追いついた111号車がパイパーコーナーでオーバーテイクに成功してポジションを上げる。
500号車はその後もペースが上がらず追い上げてきた310号車にもかわされてしまうものの、クラス4位でチェッカーフラッグを受け、最終戦前に今季のクラスタイトルを決定させた。レースは終始速さをみせた885号車が今季2勝目を飾り、2位は111号車、3位は310号車となっている。
6台による戦いとなったST-2は序盤からシンリョウレーシングチームのランサーエボリューション2台がレースをリード。6号車新菱オート☆夢住まい館☆DXL☆EVO10、7号車新菱オート☆DIXEL☆EVO10が1-2、59号車DAMD MOTUL ED WRX STIが3番手に続く。
しかし、スタートから26分過ぎに7号車がタービントラブルに見舞われてしまい、早くもガレージインを余儀なくされてしまう。これにより2番手には59号車をかわした225号車KTMS GR YARISが浮上すると、1回目のピットで6号車と同時ストップを行った225号車が先にコースに復帰してST-2の首位に立つ。
225号車はレース終盤まで安定した走りと速さを披露してトップの座を譲ることなく今季4勝目を手にしている。2位にはピットストップタイムで6号車を逆転した13号車ENDLESS GRヤリスが続き、3位は序盤にレースをリードした6号車という表彰台になっている。
また、第7戦鈴鹿では新型ホンダ・シビック・タイプRを投入することをすでに発表しているHonda R&D Challengeの743号車Honda R&D Challenge FK8もクラス5位でチェッカーを受け、FK8型シビック・タイプR有終の美を飾っている。
3号車と244号車の2台が参加したST-Qは、8番グリッドからスタートした3号車ENDLESS AMG GT4がノートラブルでST-Zに車両を上回る走りを披露してクラストップ、総合6位でフィニッシュを果たした。244号車ニッサンZ Racing Conceptもトラブルなく3時間レースを走りきり、ST-Zに食い込む総合12位でチェッカーフラッグを受けている。