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全体主義、隔離空間、女性の抑圧。米国の作家、キム・リゲットの「グレイス・イヤー」(堀江里美訳、早川書房)はディストピア(反理想郷)の要素が詰め込まれた小説だ。舞台となる架空の「ガーナー郡」では男性のみが結婚相手を選ぶ自由を持ち、女性は妻とそれ以外に分断される。さらに16歳を迎えた女…