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従来のイメージを破壊するグラマラス・スポーティ!! クラウンスポーツはSUVの新しい形か?

 2022年9月1日に新型クラウンクロスオーバーが発売となったが、クラウンにはまだ3つのバリエーションが発売を控えている。エステートやセダンと並ぶ中で、もっとも注目されているのはSUVテイストあふれるスポーツではないだろうか!

 そこで本命ともいえるこのスポーツへの期待を、清水草一氏に語ってもらった!

文/清水草一、写真/奥隅圭之、TOYOTA

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■クラウンスポーツのスタイルはマカンに近い?

2023年の登場を予定している新型トヨタ クラウンスポーツ

 衝撃的なクラウン4姉妹の発表から1か月余り。早くも4姉妹にはそれぞれのファンが付き、発売を心待ちにしているが(たぶん)、4姉妹の中で最もスポーティな形なのは、言うまでもなくクラウン「スポーツ」だ。

 クラウンスポーツは、バッテリーEV専用ではないか? という噂が流れている。

 確かに4姉妹もあるのだから、ひとつのボディに多くのパワートレインを揃えるよりも、ある程度絞ったほうが効率的だ。デザイン的にも、従来のクラウンのイメージから一番遠いのがスポーツだし、思い切ってバッテリーEVにしてしまうのは、クラウンのグローバル展開を考えると、正しい方向性かもしれない。

 しかし今回は、パワートレイン抜きに、現在発表されているエクステリアのみで、クラウンスポーツを評価してみよう。

 クラウンスポーツは「スポーツ」だけに、他の姉妹たちよりも全長がぐっと短い。

スポーツ/全長4710mm×全幅1880mm×全高1550mm
クロスオーバー/全長4930mm×全幅1840mm×全高1540mm
エステート/全長4930mm×全幅1880mm×全高1620mm
セダン/全長5030mm×全幅1890mm×全高1470mm

 スポーツとクロスオーバーとを比較すると、全長は220mm短く、全幅は40mm短く、全高は10mm高い。「短い割に幅が広い」わけだが、こういったディメンションは、海外メーカーには数多く見られる。

 たとえばポルシェ マカンがそうだ。クラウンスポーツは、マカンとかなりガチで当たるサイズである。

ポルシェ マカン/全長4695mm×全幅1925mm×全高1624mm

 クラウンスポーツとポルシェ マカンは、全長全幅はかなり近いが、全高だけはクラウンスポーツのほうが74mmも低い。2台を見比べると、マカンが頭でっかちにすら見える。

トヨタ クラウンスポーツとスタイル的に近いのは写真のポルシェ マカンだが、全高はクラウンスポーツのほうが70ミリあまり低く、いっそうスポーティに見える

 実際のマカンは、SUVとしては非常にスポーティなフォルムなのだから、いかにクラウンスポーツがスポーティであるかがわかる。

 このクラスは、たとえばBMW X4やアウディ Q5、ジャガー Fペース、アルファロメオ ステルヴィオなどを見ても、全高はマカンに近い1600mm台。クラウンスポーツの1550mmというのは明らかに低いが、実はこれに近いモデルもある。バッテリーEVのジャガー Iペースだ。

ジャガー Iペース/全長 4695 mm×全幅 1895 mm×全高 1565 mm×ホイールベース2990mm

 航続距離が重要なバッテリーEVは、前面投影面積を小さくして、高速巡行時の空気抵抗を減らしたほうが有利。

 「やはりクラウンスポーツはバッテリーEV専用ボディなのか!?」と考えるのは早計だが、SUV系としてはかなり全高が低く、スポーティなフォルムであることは確かだ(クラウンクロスオーバーやエステートにも言えることだが)。

■世界に類を見ないほどスポーティなSUVになる!

サイドを絞り込んでリアフェンダーを強調するクラウンスポーツ。なかなかアグレッシブなデザインだ

 加えてクラウンスポーツは、リヤフェンダーのふくらみが非常に大きく、グラマラスだ。サイドパネル面のえぐり込みによって演出された造形だが、ポルシェ・マカンが大人しく見えるほどアグレッシブである。

 このあたりは、4姉妹揃えたからこそ、大胆なデザインに挑戦できたのだろうし、逆に言えば、違いを強調するために自然とそうなったと見るべきかもしれない。

 このグラマラスなリヤフェンダー部に呼応するように、ウエストラインは微妙にうねり、ルーフラインは比較的手前からテールに向けてなだからに下がっている。どれを取っても有機的でスポーティな造形だ。

 フロントフェイスは、他のクラウンが横一文字のヘッドライト&グリルを持つのに対して、スポーツは目元が「コ」の字型になり、より派手なイメージ。リヤも彫りが深く攻撃的だ。同クラスのSUVの中でも、最もアグレッシブなデザインだと言っていい。

 仮にバッテリーEV専用モデルなら、バッテリーEVとして世界一のコッテリ系。多くのバッテリーEVが、どこかしらスッキリサワヤカなイメージを打ち出しているのに対して、クラウンスポーツは全高の低さを除くと、その気配がないのが特徴的だ。

 また、Iペースとほぼ同じ全高であることを考えると、実物の印象は、SUVとスポーツカーの中間から、ややスポーツカー寄りのイメージになるのではないだろうか。

 つまりクラウンスポーツは、SUVとしては世界にあまり例がないほどスポーティなカタチで登場することになる。

 純粋なデザインの評価としては、装飾過剰でややくどい気がしないでもないが、個性がはっきりしているし、全体のバランスも取れている。4姉妹一の暴れん坊として、従来のクラウンのイメージを木っ端微塵にブッ壊す存在となるのは間違いない。

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