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 10月20日に関越自動車・花園IC至近に「ふかや花園プレミアム・アウトレット」が開業する。開業直後から、高速バスが2路線と路線バス2路線が乗り入れる予定だ。開業前に現地の様子を取材した。

文・写真:バスマガジン編集部
編集:古川智規(バスマガジン編集部)


開業時からバス路線が充実!

 「ふかや花園プレミアム・アウトレット」(埼玉県深谷市)は、10月20日、関越自動車道の花園ICからわずか1.5kmの位置に開業する。首都圏では10年ぶりとなるアウトレットモールの新規開業だ。徒歩3分のところに秩父鉄道が新駅「ふかや花園駅」を開業済みで、JR熊谷駅や東武東上線・寄居駅からの鉄道アクセスも良好だ。

 しかし他のアウトレットと同様に、バスでのアクセスも便利でかなり充実している。高速バスは、JRバス関東が東京駅発(バスタ新宿経由)を毎日1往復、広栄交通バスが大宮駅発(川越駅経由)を1往復、川越駅発をそれぞれ1往復運行する。

 12月末まで、これらの高速バスを利用すると、ノベルティグッズがもらえるキャンペーンもある。また11月以降は、ショッピングがお得になるクーポンシートも配布される。

アウトレットのエントランスはバスを降りてすぐだ

 路線バスは、東武東上線・森林公園駅から花園観光バスが、また土休日限定だがJR熊谷駅か国際十王交通が運行する。従来アウトレットへの高速バスや路線バスは、老舗のバス会社によるものが多かったが、高速ツアーバスが前身の広栄交通バスや、地元のコミュニティバスを運行する花園観光バスが乗り入れる点が興味深い。

アウトレットは高速バスが生命線!

 高速バスマーケティング研究所の成定竜一代表によると、アウトレットモールは、定価販売する百貨店などから離れた場所に立地することで、出店するブランド側が割引価格を設定しやすいという。

 つまり「都心から遠い」ことはむしろ歓迎なのだ。しかし不便では来店客が増えないので、高速道路のIC近くに立地し高速バス路線を充実させるのが、運営会社の戦略なのだそうだ。

 運営会社である三菱地所・サイモンは、関東では既に東名(御殿場)、東関道(酒々井)、東北道(佐野)等の高速道路沿線に店舗を構えており、空白地帯だった関越道に開業を決めたとしている。

報道陣の移動に使われたJRバス関東のアストロメガ

 一方で森林公園駅や深谷駅と結ぶ路線バスは、来店客のみならず従業員の通勤の足にもなる。137店舗もあれば販売員らの数も相当数にるのは察しが付く。確かに、森林公園駅は7時台から22時前までの運行があり利用可能な時間帯は広い。

広い施設で近距離モビリティのシェアも

 施設内は約17万平米と広大だ。そこで、近距離モビリティ「WHLL」のシェアリングサービスも行われる。いわば次世代の「お洒落な車いす」だ。シニアも含む親子三代などの来店にいいかもしれない。

近距離モビリティ「WHILL」は30分以内無料で1日500円

 ところで今回の取材は、開業を目前に控えた10月17日に報道関係者向けに行われた内覧・記者発表会だ。高速バスはまだ運行開始前なので、報道関係者のために東京駅(鍛冶橋駐車場)発着で無料送迎バスが用意された。

 のりばに行ってみると配車されたのは、JRバス関東のスカイニア・バンホール製のダブルデッカー「アストロメガ」だった。

 JRバステックの御殿場アウトレット線や、「グランドリーム号」等の東名方面の印象が強いJRバスの「アストロメガ」で、関越道を走るのは新鮮だ。送迎バスは45人乗りの貸切バスなのが一般的だが、このようなダブルデッカー車が手配されるのは珍しい。

「ふかや花園プレミアム・アウトレット」内の停留所

 アウトレット側なのかバス会社側なのか、どちらのアイデアなのかは分からないが、そもそも両者の良好な関係がうかがえる。なお開業日の10月20日から運行されるJRバス関東の高速バスは、既存の東京~伊勢崎線のうち1往復が立ち寄るもので、通常の高速バス車両が使われるとのことだ。

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