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EVどれを選べばいい? 買って不便じゃない? 日本で買えるオススメ10選&買うなら押さえてほしい7か条

「そろそろEVも検討してやらんでもない」という気持ちになっているそこのあなた。素晴らしい。本企画では、日本で買えるEV全33台の中から、Honda eをこよなく愛する自動車評論家 片岡英明氏が、オススメEVベスト10を紹介。さらにまとめとしてEV導入&運用7カ条をお届けします!!

※本稿は2022年9月のものです
文/片岡英明、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年10月26日号

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■自動車評論家 片岡英明が厳選おすすめEVランキングTOP10

●片岡英明おすすめEVベスト10
・1位:日産 アリア
・2位:BMW i4
・3位:ボルボ C40リチャージ
・4位:アウディ Q4 e-tron
・5位:メルセデスベンツ EQB
・6位:ヒョンデ IONIQ5
・7位:テスラ モデル3
・8位:日産 サクラ(三菱eKクロスEV)
・9位:トヨタ bZ4X
・10位:ホンダ Honda e

 街中ベストと割り切ったホンダe(ホンダ)は走りの質が高く、bZ4X(トヨタ)はまとまりがいい。

 8位とした軽EVのサクラ(日産)と兄弟車のeKクロスEV(三菱)は、運転する範囲が決まっているなら満足度は高いはずだ。

 EVの代名詞的な存在のテスラが放ったモデル3もコスパに秀でたEV。

 ドアを開ける時から驚きの連続で、走らせても衝撃を感じる。オートパイロットなど、新技術もテンコ盛りしている。

 ヒョンデの渾身の力作、アイオニック5も満足度の高いEVだ。トータル性能が高く、快適だった。V2HとV2Lに対応するなど、気配りも行き届いている。

 早くからEVに舵を切ったドイツ勢にも秀作が多い。

 ベンツEQBはスタイリングこそ平凡だが、トータル性能の高いクロスオーバーSUVだ。優れたパッケージングに加え、制御技術なども最新だからGLBと同じような感覚で付き合うことができる。

 早くから電動化を進めていたアウディのQ4eトロンも商品性の高いEVだ。

 SUVとクーペのスポーツバックを設定し、意外にも後輪駆動とした。性能、航続距離とも満足でき、販売価格も日本勢と競合するところにある。

 ボルボのC40リチャージはクーペ風の個性的なルックスと走りのよさが魅力だ。全幅はちょっと広いが、日本で持て余さないボディサイズだし、航続距離も長い。4WDは走りの実力も高いレベルにある。

 しかも過激ではなく上質な乗り味だ。充実した安全装備など、ライバルと比べ買い得感は高い。

ボルボ C40リチャージ。カーオブザイヤーを受賞したXC40の兄弟車で、実は優れたコストパフォーマンスを誇る1台だ

 BMWは早い時期からEVに関心を示し、今では数多く用意している。多くのノウハウを持ち、秀作ぞろいだ。

 最新作のi4はリア駆動ベースだから走りの気持ちよさが際立っている。4WDも操る楽しさは格別だ。ベース車は何とか手が届く価格帯にあり、4ドアセダンだから日常の使い勝手も優秀である。メカの信頼性も高いだろう。

BMW i4。航続距離の長さもさることながら、全幅1850mmで機械式駐車場が使用できる点も魅力的

 1位に推したのは、リーフで足場を築いた日産のアリアだ。

 2WD(FF)のB6だけを先に発売したが、海外のEVと互角に戦える実力を秘めていた。トータルでの走りの実力は非凡だし、航続距離も海外勢に見劣りしない。運転支援システムも最新だ。

 より多くのバッテリーを積むB9と4WDの「e-4ORCE」が加われば、さらに魅力を増すだろう。また、販売店は10年以上の実績を積んでいる。だから購入する時だけでなくアフターケアの面でも不安はないはずだ。

日産アリア。60kWh以上のバッテリー、国産EV、V2H対応など安心して購入できる1台

■押さえておきたいEV導入&運用7か条

 例えば東京─大阪間の距離を日常的に往復するようなクルマの使用頻度が高い人や、充電なんぞに30分も待てるか!! という方を除けば、ガソリン車からEVに乗り換えても案外問題ないハズだ。充電待ちも「そんなものだ」という割り切りが重要で、その時間をリフレッシュに使えれば30分なんて案外あっという間だったりする。

 コストパフォーマンスではまだまだ内燃機関車にはかなわないが、EVならではの走行性能や快適性は魅力的。食わず嫌いせずガソリン車と比べたら、クルマ選びがさらに楽しくなるハズだ。

●50kW急速充電30分で走行可能な距離は約120km

 検証の結果、今一般的な50kW急速充電で充電できたバッテリー量は22kWh程度で、理論値の9割程度。6km/kWhで換算すると約120kmとなる。

 90kW急速充電の検証の際、30分で28kWhしか入らないことがあった。バッテリーの温度や残量、EVと充電器の相性でも充電量は変化するので注意しよう。

●自身のクルマの使い方を見直してみよう!!

 まずは自分が1カ月で何キロ走るのか、一度の遠出で何キロ走るのか見直してみよう。自宅に普通充電器がなくても、例えば1カ月の走行距離が500km程度であれば、ディーラーなどでの急速充電は2回で済む*ので、待ち時間を上手く使えるならEV所有はさほど問題がないだろう(*ディーラーで、自分の後ろに充電待ち車両がない場合)。

意外と知らない自分のクルマの使い方・普段の走行距離。この機会に是非

●急速充電器が混むのは休日前夜と土・日祝日

 急速充電器が混むのは休日前夜(金曜日)や土日祝日となるので、そこを避ければ充電難民になる可能性は減らせるだろう。急速充電器に先客がいる場合、あと何分で充電が終わるのかは急速充電器のモニターでチェックできるので、バッテリー残量と待ち時間で移動するか待つかを決めたらいい。

●航続可能距離の「50%」の距離が実は大切!!

 実航続距離の「50%」の数字が重要。片道が航続距離の50%以内なら充電なしで往復が可能だ。JC08モードでの航続距離なら約0.7倍、WLTCモードなら約0.9倍を実航続距離の目安としてみよう。前回検証で使用したアリアなら片道210km、用心して片道200kmなら充電なしで往復できることになる。

アリアも車載ナビから空情報が取得可能で、検証中お世話になった

●車載ナビやアプリを使って急速充電の空情報を把握

 車載ナビ(EVによっては対応していないものもあり)やスマホアプリを使えば現在の空き状況を確認できる急速充電器もある。「EV smart」は自車周辺や目的地近くの急速充電器を調べるのに便利だし、「高速道路なび」は高速道路上のすべてのSA・PAの急速充電空き情報が一目でわかって超便利だ。

●EV購入前に自宅や実家の周辺の急速充電器を確認

 EV購入前に調べる人が意外と少なく、盲点なのがコチラ。自宅近くやよく行く目的地(例えば実家など)の周辺に急速充電器があるかを確認しておこう。急速充電器までの距離のほか、周辺に何件あるか、営業時間はどのくらいか、充電速度はどのくらいかを調べ、問題ないか確認するのが大事だ。

●家庭用普通充電器は「200V・15Aタイプ」が安い!!

 家庭用充電器は、3kWタイプが設置費用が安く(約8万~10万円)一般的。6kWタイプは30万円ほどの設置費用がかかる。

 カタログには0-100%の満充電の時間がかかれているが、実際は残バッテリー量が3~4割になったら充電するハズなので、カタログの6~7割の時間で済む。安心してほしい。

普通充電器と充電口の位置、ケーブルの長さも重要な検討要素だ

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