労働組合の中央組織、連合の芳野友子会長が27日に予定される晋三元首相の国葬への出席を表明したことが波紋を広げている。傘下の産業別労働組合(産別)や、連合の支援を受ける立憲民主党から批判が続出。連合幹部からは国葬を主催する政府に対する恨み節も漏れる。
「苦渋の判断だが、連合会長として弔意を示すため出席せざるを得ない」。芳野氏は15日の記者会見で、手元のペーパーに目を落としながら神妙な面持ちでこう語り、国葬に出席する意向を表明した。政府からの国葬の案内状が届いたのは9日。15日はその回答期限だった。芳野氏は13日に他の連合幹部らと協議し、出席を決めたという。
芳野氏は会見で、国葬の判断基準や法的根拠などに問題点が多いことを指摘した上で「政労使の一角である労働界に案内がきて、労働側代表として責任をどう果たすべきか。国葬のあり方と凶弾に倒れたことに弔意を示すことは区別する必要があるのではないか」と理解を求めた。ただ、報道各社の世論調査で国葬への反対が多数を占める結果が相次いでおり、「国民を二分し、多くの人が納得していないことを政府は受け止めてほしい」と注文もつけた。
連合にとって頭が痛いのは、立憲と国民民主党で国葬への対応が分かれていることだ。国民民主は芳野氏と同じく出席するが、立憲は泉健太代表ら執行役員が欠席する。「それぞれの判断がある」(芳野氏)、「連合は労働界、我々は政界」(泉氏)と双方とも問題視しない考えを強調しているが、それとは裏腹に連合内では「国葬の出欠でまた連合の分断が深まらないといいが……」(産別幹部)と不安視する声も出ている。
実際、芳野氏の出席意向は早速、立憲を支持する産別から反発を招いている。会見前の中央執行委員会では国葬自体に「(決定過程が)極めて不透明で、国民の理解が得られていない」「閣議決定だけで行われているのは問題だ」などと批判が集まり、芳野氏に「欠席してほしい」と求める声が相次いだ。
立憲の蓮舫参院議員も15日、ツイッター上で「国葬よりも優先されるべき労働者支援を政府に求める立場なのでは」と芳野氏の判断に疑問を呈するなど異論は収まらず、全日本自治団体労働組合(自治労)幹部は「地方組織から確実にハレーションが起きる。困った事態になった」と頭を抱える。
ただ、2020年10月の中曽根康弘元首相の内閣・自民党合同葬には当時の神津里季生会長が出席しており、氏の国葬についても「出席は仕方ないのでは」(官公労系労組幹部)と芳野氏を擁護する声も少なくない。連合幹部は「出席、欠席どちらにしても批判を浴びる。そもそも政府が世論を分断する形で国葬を強行するからこうなる」と嘆いた。【古川宗】
毎日新聞 2022/9/18 08:00
https://mainichi.jp/articles/20220917/k00/00m/010/050000c
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引用元: ・会長の国葬出席、揺れる連合「困った事態に…」 [蚤の市★]
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体制側だから
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