Metaは、過去1年間にFacebookやInstagramのアカウントを乗っ取ったとして、20人以上の従業員を解雇または懲戒処分にしている模様だ。Wall Street Journalによると、これらの従業員のなかには内部アクセスを求める部外者から「数千ドル」もの“袖の下”を受け取り、「Oops」と呼ばれるMetaのアカウント操作ツールを使用していたケースもあるとのこと。
WSJの報道では、乗っ取り被害に遭ったFacebookユーザーは、ロックされたアカウントを復旧するためにFacebookに連絡を取るといった従来の方法では、アカウントへのアクセスを回復できないケースが多かったという。そのため、一部ユーザーはMetaに連絡を取れる外部の情報源を探し、ロック解除の依頼をする必要があったとのことだ。
Metaのコミュニケーションディレクター、アンディ・ストーン氏は「詐欺的なサービスを提供する悪意ある個人は、常にFacebookやその他のオンラインプラットフォームをターゲットにして、業界でよく使用されている不正検出方法にかからない戦術を用意している」と述べている。
Metaがまとめた報告書によると、今回の問題で解雇された従業員の中には、Meta社内の警備を担当するAllied Universal社の契約社員として雇用され、Meta従業員を支援するためにアカウント操作ツール「Oops」へのアクセス権限を与えられていた人もいたとのこと。
このツールは、本来は社内や特殊なケースで使用するためのものであり、ストーン氏は「このツールを使いアカウントの売買やアカウント回復サービスを勝手に提供している人に金銭を支払うべきではない」とし、さらに「われわれは定期的にセキュリティ対策を更新し、この手のスキームに関与する人々には適切な対応を取り続ける」との考えを示した。
なお、契約社員が不正に関わっていたと伝えられたAllied Universalに対して、CNBCがコメントを求めたものの、返答はなかったとのことだ。
今回の解雇は、この間発表されたMeta社大量解雇の話に比べれば小規模なものだが、SNS大手にとっては、ユーザーからの評判信頼を損ねる格好の話題にもなり得る。
過去には内部規定で政治家や著名人といった「VIP」ユーザーにだけ適用される特例を用意していたこともあるMeta(Facebook)だけに、安全かつ平等なアカウント管理を徹底してほしいところだ。
- Source:Wall Street Journal
- Source:Engadget