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 2022年のスーパーGTは11月6日に最終戦を終え、全日本スーパーフォーミュラ選手権も10月30日にシーズンを締めくくっている。両シリーズとも、2023年に向けた動きが活発化しはじめているが、大きな動きとなりそうなのがホンダ陣営だ。これまで挙がっている噂をまとめよう。

 スーパーGT GT500クラスでは5台のNSX-GTが参戦し、STANLEY NSX-GTがランキング3位、Astemo NSX-GTが4位につけたホンダ勢。一方スーパーフォーミュラでは野尻智紀(TEAM MUGEN)がチャンピオンを獲得、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が5位、笹原右京(TEAM MUGEN)が6位につけた。

 そんなホンダ陣営だが、2023年に向けて他メーカーと比べても大きな動きがありそうだ。話題の中心となるのは、2022年にスーパーフォーミュラではTEAM GOHとして佐藤蓮と三宅淳詞を走らせ、スーパーGTではARTA NSX-GTのメンテナンスを担ってきたセルブスジャパンだ。

 TEAM GOHは2004年に日本チームとしてル・マン24時間優勝を成し遂げた名門で、その時のスタッフが現在チームの中核を担っている。池田和広代表もそのひとりだが、チームのSNSで池田代表が重要なツイートを残している。ひとつは、スーパーフォーミュラでのレッドブル・ジュニアプログラムの終了、スーパーGTにおけるARTAのメンテナンス終了を告げている。

 このふたつの件については、他関係者に確認したところほぼ間違いないよう。ただし、どちらについても、決してセルブスジャパンの新たな活動によるもの……というわけではなさそうだ。まず、スーパーフォーミュラについては、レッドブル・ジュニアプログラムはチームを移し、別チームで行われるという。現在の噂ではTEAM MUGENに“戻る”という情報が有力で、2023年についてのTEAM MUGENは野尻智紀と、レッドブル・ジュニアの外国人ドライバーになるのではという噂がある。

 これにともない、2023年のスーパーフォーミュラにおけるTEAM GOHの活動は、所有する1台、もしくは2台を自チームで走らせる方向に持っていかざるを得ない。一方で、ホンダ陣営ではこれまでフォーミュラ・リージョナル・アメリカズのチャンピオンにスーパーフォーミュラ参戦へのスカラシップが与えられるプログラムが発表されていたが、2022年にチャンピオンを獲ったラウル・ハイマンが2023年のスーパーフォーミュラに参戦させる動きがあるという。ただこれも、TEAM GOHからの参戦ではないようだ。

 業界内の噂では、スーパーGTにおけるARTAのメンテナンス変更も、この流れと関係しているのではないかとも言われているが、真偽は不明だ。いずれにしても、ホンダ陣営のなかでTEAM GOH/セルブスジャパンが今オフの動きの中心にいるようだ。

 では、ARTAは2023年に向けてどんな体制が敷かれるのだろうか。これについても噂がある。JGTC全日本GT選手権時代の1998年から、オートバックスカラーのマシンはGT500、GT300に一台ずつ参戦し続けていたが、GT300のARTA NSX GT3は参戦を休止。2023年はARTAのメンテナンスをM-TECが担い、2台のNSX-GTをGT500で走らせるという情報が出ている。タイヤは両車ともブリヂストンで、レッドブルはスーパーGTでのスポンサードを休止、2台がオートバックスカラーになるということもまだ噂の域を出ないが、情報としてはある。

 具体的なドライバーの移籍等についてはまだ情報は少ないが、スーパーフォーミュラでは外国人ドライバーが増えることで、2022年にドライブしていた選手がシートを失う可能性もある。またGT500でも、この件に絡む移籍等もありそうだ。ホンダ勢の他チームの動向も気になるところだが、話題の中心はこのあたりと言えそうだ。

長年GT500、GT300で一台ずつ参戦してきたARTA。来季はどんな参戦スタイルになるだろうか。
長年GT500、GT300で一台ずつ参戦してきたARTA。来季はどんな参戦スタイルになるだろうか。
2022スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿 佐藤蓮とTEAM GOHのメンバー
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