日産 デイズ最上級バージョンのNAエンジン搭載「ハイウェイスターGターボプロパイロットエディション」と目下販売絶好調のサクラ「G」を試乗対決。
軽EVのサクラとそのベース車となったデイズ。動力性能、電費/燃費、使い勝手…徹底テストでわかったこと、すべてお伝えします!!!
※本稿は2022年8月のものです
文/ベストカー編集部、写真/NISSAN、ベストカー編集部、撮影/平野 学
初出:『ベストカー』2022年9月10日号
■軽EVのサクラとベース車となったデイズ 似て非なる兄弟車を徹底テスト
サクラとデイズ、日産の軽自動車兄弟で、サクラはデイズをベースに開発されているものの内外装は大きく異なっており、圧倒的にサクラが上質。
デイズの最上級バージョンの「ハイウェイスターGターボプロパイロットエディション」の174万7900円と比べると、サクラは「X」でも237万9100円なので63万1200円、プロパイロットやカーナビ&オーディオ標準装備の「G」だと294万0300円なので、約120万円も高いのだから当然といえば当然なのだが、サクラはEVなので高価なリチウムイオンバッテリー代があるわけで、その差を考えるとお買い得なほどの上質感。
しかも補助金で価格差はほぼ埋まってしまうので、さらに買い得感は高まる。
今回テストに持っていったデイズはNAエンジン搭載の「ハイウェイスターXプロパイロットエディション」。
直列3気筒659ccエンジンは52ps/6400rpm、6.1kgm/3600rpmというスペック。
サクラは64psの最高出力もさることながら、発進と同時に19.9kgmを発揮する電気モーターの威力が圧倒的な動力性能の差を見せつける結果となったのが印象的だった。
もっとも、デイズのターボを持っていっても、その印象が大きく変わることはなかっただろう。
それほどまでにモーターの発揮するトルクの厚さとアクセル操作に対する機敏な反応を実感させられた。
ゼロ発進から50km/hに至るタイムを計測したのだが、その差は圧倒的。
デイズは発進時にコンマ数秒、アクセルを踏んでいるのに動力が伝わらないタイムラグがあり、その後もゆるゆるとした加速となるのに対し、サクラはタイムラグなくスッと発進し、シュッと50km/hに達する。
高速道路での80→100km/h追い越し加速でも同様。
デイズはCVTのシフトダウンレスポンスのタイムラグもあり、アクセルを踏み込んでから実際の加速が始まるまでのタイミングにもどかしさを感じるのに、サクラは発進加速同様、タイムラグをいっさい感じさせないのでストレスがなく気持ちいい。
■おそらく誰もが気になる「現実的な電費」はどんな感じ?
ところで気になる「電費」なのだが、テスト前日、都内一般道を80kmほど走った際は6.5km/kWhという結果だった。
フル充電で走り出してバッテリー残量は27%、航続可能距離は38kmと表示されていた。
今回のWLTCルートでのテストでも6〜6.5km/kWhという結果だったので、おおよそこのあたりが「現実的電費」ということになろう。
エアコンを作動させるとメーターに表示される航続可能距離の数字が15%程度低下する。
フル充電で160kmと表示されていたものが135km程度になるということだが、何しろこの猛暑。現実的にエアコンなしで走ることはないだろうから、今回はすべてエアコン作動でテストをした。
1充電あたりの実航続距離は、「エアコン作動で130km前後」という結果となった。
■そして結論。EVのメリットは軽自動車で発揮される!!
実走行条件での1充電航続距離が130kmというのは、シティコミュータとしての軽自動車の「現実的な使われ方」としては充分な航続距離と言えるだろう。
実際、今回都内を取材のため1日走ってもせいぜい80km程度だった。
バッテリー残量27%で編集部に戻り200Vで充電をして12時間後、翌日のテスト出発時にはフル充電となっていた。
これが現実的な軽自動車の使われ方に近いのだから、EVで問題とされる航続距離問題は、気にすることはない。
さすがにテスト時には200km近く走行をしたので、2度の充電が必要となったが、レアケースの使い方だ。
テストの項でも書いたように、ガソリン車では味わえないキビキビとした動力性能はEVならではのもの。
特に排気量の限られる軽自動車では、モーター特有のトルク特性は大きなメリットとなる。
【画像ギャラリー】独自調査の室内寸法実測値の比較表も掲載! 日産サクラ&デイズをギャラリーでチェック!(37枚)画像ギャラリー投稿 「やっぱEVはまだ先でしょ」という人に捧げたい 禁断の同門対決 日産サクラVSデイズ は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。